二世帯住宅で暮らしたい!どんな費用が必要か解説

あなたのご両親が年齢を重ねて健康が気になるようになった時の選択肢のひとつとして同じ屋根の下で暮らす二世帯同居という方法があります。二世帯同居をするために必要なお金の額はいくらぐらい?どんな手続きが必要?解説致します。



二世帯同居の形もいろいろ

お父さんもお母さんも年を取ったなぁ…田舎に帰省するたび感じませんか?

今までは特に大きなトラブルもなく過ごされてきたあなたのご両親ですが今後も同じとは限りませんよね。むしろ年を重なるごとに心配事は増えていくばかりです。

急に病気になったり、怪我をしたりしても遠く離れて暮らしていてはそうそう駆けつけることも出来ません。何日も看病のために滞在することも難しいですね。

そんな時の解決策のひとつに「二世帯同居」があります。お子さんの数が少なくなる一方高齢者の方の数はとても増えています。介護サービスも増えてきていますがやはりご家族の力は必要になります。

今回はそんなご両親とひとつ屋根の下で暮らそうと二世帯同居をしようとするときにはどれくらいお金がかかるのか?どんな手続きが必要なのかを解説致します。

一口に二世帯同居と言ってもいくつかの形に分けられます。それぞれの形をご紹介とメリット、デメリットをお伝えすることからお話を始めてみましょう。

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親世帯・子世帯が同居する「二世帯住宅」にリフォームする際、押さえておきたいポイントを、わかりやすくご説明します。

二世帯同居パターンその1「完全共有」

この完全共有は親世帯、お子さん世帯が同じひとつの空間の中で一緒に暮らす形です。当然台所、お風呂、トイレなどの共用設備も二つの世帯で一緒に使うことになります。

このパターンですと普通の一戸建てに大家族が暮らすイメージになります。ひとつの世帯だけでは味わうことの出来ない大家族ならではの楽しい暮らしが送れます。家族の誰かが急に病気になった時にもみんなで助け合うことが出来ますね。どちらかの世帯が旅行などで家を空けても誰かが家にいてくれるので防犯上も安心です。

お金の面ではトイレやお風呂も世帯ごとに作る必要が無いのでその分建築費が必要ありません。また水道などライフラインを共有しているので支払いをひとつにまとめることが出来ます。

こうしたメリットの一方、3世代や4世代の家族が共に暮らすことでそれぞれの生活リズムが違って来ることが出てきてしまうでしょう。朝早く起きる人、夜遅く帰ってくる人とバラバラになりがちです。食事やお風呂の時間もまとめられないので家の中での音の問題等を事前に考えて間取りを決める必要がありそうです。

二世帯同居パターンその2「一部共有」

このパターンではご自宅の設備のうち玄関や浴室等の一部のみ別にします。設備の分け方はそれぞれのご家族の暮らし方に合わせてそれぞれになります。

一緒に暮らす二つの世帯がストレスなく快適に暮らすためにそれぞれの世帯ごとに分けられる所は分けましょうという考え方です。玄関を入ったらそこから二つの家族に分かれるタイプが一番世帯の独立性が高くなります。そこからお風呂やトイレ、台所、リビング等の設備のどれをいくつ共有させていくかと言うことになります。

別にするところは玄関だけ、玄関とお風呂、玄関とお風呂とトイレ…など多くのパターンがあります。建物の面積やご予算の都合等もあるでしょうし、お互いの世帯のプライバシーと交流をどう図って行くかも課題ですね。建築費用も完全共有タイプよりはどうしても高くなってしまう問題があります。

二世帯同居パターンその3「完全分離」

一部共有の暮らしをさらに推し進めた形が「完全分離」パターンです。最近の二世帯同居ではこのパターンの暮らしが中心になっています。生活のすべての設備が別になっています。つまり外から見ると玄関が二つあるひとつの建物です。その中に2つ家が入っていることになります。マンションやアパートに近いものがありますね。

建物の間取りの取り方にもいくつかパターンに分かれています。二階建ての上下で世帯を分けるパターンの他に建物の左右で分かれるパターンがあります。左右に分かれるパターンでは階段もふたつありそれぞれの世帯が二階建てという形もあります。敷地的に可能でしたら同じ敷地内に完全に別棟の家を建てるということも可能になります。

この完全分離パターンでしたらご両親世帯とお子さん世帯の生活リズムの違いが違っても対応できます。また音の問題もかなり解決出来そうです。暮らしは別でもすぐそばにいるので何かあったときには駆けつけることも出来ますね。

一方で実質的に二軒分の設備が必要になることがこのパターンのデメリットと言えるでしょう。建築費用も多く必要になりますし、二軒分の設備を整えられるだけの空間が必要になります。また二世帯それぞれの暮らしは大事に出来ますが分かれてしまうことで世帯ごとの交流が少なくなりがちにもなってしまいます。

生活に変化があったら?

いろいろなご事情から二世帯住宅をお作りになったあなたですが、もし何年か後に「二世帯で住む必要がなくなったらどうしよう?」とお考えになってしまうかも知れません。

沢山の時間を掛けて作り上げて家族の沢山の思い出が詰まった大事な家です。将来に渡っても住み続けたいと思うのは自然なことです。ご家族の状況が変わった場合でも大丈夫なように二世帯住宅をお作りになる段階から配慮されてはいかがでしょうか。

完全分離パターンのお宅の場合なら空いた片方のお宅を賃貸として使ってもらうのも良いですね。一部共有や完全共有の場合は間取りが変更できるよう壁を可動式にするなどの工夫があると良いかも知れません。またスペースが空いた部分を活かせるようにさらに改築を行ってお店を始める、趣味のことに専念できる工房を作れば生活に広がりが出来ます。

メリットは様々。二世帯住宅の定義とその種類|リフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」
参照元:リフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」(2016年1月時点、著者調べ)



建築費用はどれくらいかかる?

では実際に二世帯住宅を作るためにはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。

二世帯住宅を持つ場合もご家庭ごとにいろいろなパターンが考えられます。すでに二世帯住宅用の物件なり場所をお持ちかどうか、既存の住宅を改築するのか新築するのか、新築なら住宅メーカーのカタログモデルにするのか建築士さんにゼロから設計してもらう注文住宅か…状況によって費用も異なってきます。今は現在は多くの住宅メーカーさんからの提案があり情報の多さに施主である私たちが混乱してしまう程です。

実際にどれくらいの費用が掛かっているのでしょうか。

【SUUMO】二世帯住宅のキホン 気になる建築費、みんなの平均は?|注文住宅お役立ち記事
二世帯住宅は、床面積が大きかったり、キッチンなどの設備が複数あったりで、建築費用の目安がつかみにくい。二世帯住宅の規模や建築費用の相場、コストを左右するポイントや税制面でのメリットについて解説します。

実際の建築費用は

二世帯住宅を建築された方はどれくらいの費用を建築に充てたのでしょうか。二世帯住宅の平均の延べ床面積は57坪、平均建築費は3.566万円となっています。

二世帯ではない単一世帯の場合の平均の延べ床面積は43坪、平均建築費は2.625万円となっています。二世帯住宅にすることで14坪ほどプラスの広さが必要でありその分の費用も上積みされていることがわかります。

なおこの費用には土地の取得代金は含まれていないので土地を購入するとなるとさらに金額が必要と言うことになります。

同居パターンによる費用の違いは

さらに建築費用を細かくみてみましょう。二世帯住宅と言ってもふたつの世帯がどこまで生活を共有するかで3つのパターンに分かれることはお話しました。この3つのパターンはそのまま建築費用の違いとなって現れます。

・一番建築費用が少なくて済むのはすべての設備を共有する完全共有パターンで3.200万円の平均建築費です。
・二番目は生活設備の共有の度合いは少なくなっていくごとに平均建築費も上昇して行きます。一部共有パターンで3.695万円です。
・三番目は完全分離パターンで4.009万円となっています。

建築コストが一番高いパターンにもかかわらず現在の二世帯住宅では完全分離パターンが主流になっています。これは建築コストよりも二つの家族のメンバー個々の生活を大事にして二つの世帯での暮らしをスムーズにしたいという思いの表れなのかも知れません。

二世帯同居に関わるお金の話

沢山のお金を掛けて土地や建物を用意したらそれでお終い…と言う訳ではもちろんありませんね。その後には当然建築費用の支払いや毎月の生活費が必要になってきます。世帯がふたつなのですから生活費は多く掛かってしまうのは仕方の無いことなのですが住宅費や生活費といったお金には二世帯住宅特有の問題等はあるのでしょうか。

このコーナーでは二世帯住宅にまつわる税金といったお金のお話をお伝えしたいと思います。

参照元:TVKハウジングプラザ横浜 (2016年1月時点、著者調べ)

出典:

www.tvk-plazayokohama.jp

住宅ローン

二世帯住宅を購入する時には多くの方は住宅ローンを組まれると思います。

二世帯住宅は普通の住宅よりも建築費が掛かってしまう場合が多くあります。平成26年4月以降に4.000万円を借入限度とした時には毎年40万円を限度に400万円まで控除を受けることが出来ます。

もしあなたが立てようとしている住宅が認定長期優良住宅や認定低炭素住宅と言った認定住宅であったならばさらに控除の額は大きくなります。5.000万円を借入限度額として毎年50万円、最大500万円までの控除を受けられるのです。

毎年40万円、50万円と言う額が控除してもらえるのは住宅という大きな買い物をした後だけにとても大きいですね。

相続税

あなたのご家族が建てようとしている二世帯住宅がご両親世帯の名義であった場合将来的には相続の問題と向き合うことになります。ご両親世帯からお子様世帯に土地や建物が相続されるときに問題になるのが相続税です。二世帯住宅はそうした相続税対策としても有効となります。

元々相続税は相続する人の人数によって変わっていきます。相続する人数により「基礎控除額」が決められておりこれを相続しようする遺産全体の金額から抜いた物が税金の計算の対象になる部分なのです。

相続税の対象となる物の多くは土地になります。二世帯で住んでいる場合はどうしても普通の住宅よりも敷地が大きくなりがちです。ですが敷地面積が330平米、100坪までならその土地の評価額が80%減額されるという制度があります。これは2015年1月1日以降税制が改正されたことによります。土地の評価額が80%減額される対象が240平米から大きく広がったのです。敷地が大きい二世帯住宅だからこそこの要件をクリアしやすいと言えるでしょう。

水道・光熱費

親世帯、子世帯と暮らしていくには水道や電気、ガスの料金も普通のご家庭よりは多くなってしまいます。完全共有パターンの時はふたつの世帯合わせて一世帯と見なせば良いので特に問題はないでしょう。

一部共有や完全共有パターンのような2世帯が同じ建物の中で暮らす時の水道・光熱費はどう扱われるのでしょうか。確認してみましょう。

ガス料金は

公正性を保つという視点から同じ建物の中であっても世帯がそれぞれ独立している時には各世帯を別々に取り扱います。ですので完全分離パターンの場合は料金を一つにまとめることは難しいでしょう。

参照元:東京ガス (2016年1月時点、著者調べ)

出典:

support.tokyo-gas.co.jp

水道料金は

水道メーターはひとつですが利用者側から申し出ることによって一世帯ごとに料金を分けることが出来ます。分けた場合はそれぞれの世帯ごとに基本料金が掛かることになります。それぞれの世帯ごとの使用量に応じて料金が払えるので二世帯住宅の中で公平感があるのが長所です。ですが水道使用量によっては分けたことでかえって料金が高くなる場合もありますのでお住まいの地域の水道局にお尋ねになると良いでしょう。

参照元:横浜市水道局 (2016年1月時点、著者調べ)

出典:

www.city.yokohama.lg.jp

電気代は

電気料金を世帯ごとに別々にしたい時世帯ごとが固定された壁や扉ではっきり分けられていて屋内の配線も別になっていると言った条件をクリアーする必要があります。

条件的に問題が無ければ世帯ごとの契約となります。その場合基本料金も世帯ごとに掛かりますのでご注意ください。

参照元:東京電力 (2016年1月時点、著者調べ)

出典:

www.tepco.co.jp



今回のお話のまとめ

以前は親世帯との同居と言うと親世帯、子供世帯共に我慢や妥協をすることが多いストレスが溜まるものというイメージが強かった様に感じます。ですが今では各住宅メーカーが双方の世帯の暮らしを大事にしつつ交流を図れるような間取りの提案を数多く行っています。こうしたものを見ている個人のプライバシーと害家族としての交流を保つことは両立出来るものなのかも知れないと思えてきますね。

今回のお話を改めて振り返って見ましょう。

○二世帯同居の形には「完全共有」「一部共有」「完全分離」の3つのパターンがあり世帯がどこまで生活空間を共にするか設計の段階からきちんと話し合う必要があります。

○二世帯住宅の建築費用は一般の住宅に比べて多くなる傾向があり世帯の生活を分離させる程に建築費用は掛かっていきます。

○二世帯同居を行う場合は相続税の減額、住宅ローン控除を受けられる場合があるので住宅メーカー等にお問い合わせになると良いでしょう。

○二世帯が暮らし方によっては水道・光熱費の支払いを世帯ごとに分ける必要があります。

日本は高齢化社会が進行して高齢の方の独居世帯やご夫婦世帯の増加が見られています。こうした方への支援が地域社会の大きな問題にもなっています。二世帯同居という暮らしの形はこうした問題を未然に防ぐひとつの大きな手段になりそうです。

お子さん世帯とっても上の世代の方と日常的に交流を持つことが出来る暮らし方かも知れません。
少し前のホームドラマとはまた違う「今時の」大家族の形を示していると思えてきます。