【残価設定の考え方】検討する価値があるのかどうかを簡単解説!

「残価設定」という言葉をTVCMやチラシで目にする機会が多くなりました。とはいえ、「残価設定って何?」「結局、得なの?損なの?」「うちが車を買うときに検討する価値はあるの?」と疑問だらけの人もいるようです。そんな新しい車の買い方「残価設定」について簡単にまとめてみました。



車の購入を検討

夕夏さんと舞さんは同時期に新興住宅地へ引っ越してきたママ友同士。子どもを幼稚園へ送り出した後、何やら車についての話をしているようです。

貯金と車の価格について考える

夕夏(以下:Y):最近、旦那が「新車欲しい」ってうるさいのよ。

舞(以下:M):夕夏さんのお宅の車、まだ綺麗じゃない?古くなんて見えないけれど。

Y:そうでしょう?私はまだまだ乗ることができると思っているの。でも、旦那はもう6年乗ったからいいだろうって。

M:ご主人、車が好きなのね。子どもにお金もかかるのに新車なんてうらやましい。うちは貯金もあまりないし、しばらくは考えられないわ。

Y:うちだってそんなにないわよ。だから、現金一括で買うわけではないの。ローンで買うつもりなの、うちの旦那。

M:まだ今の車が十分乗れる状態なのにローンで買い替えたいなんて、さすがイケメン年下夫と言う感じね。そういうところがかわいいとか?

Y:冗談じゃないわ。まだ子どもで困っているのよ。

人生で乗ることのできる車の台数

M:車にこだわるご主人の家とそうでない家で車にかける費用ってかなり変わってくるわよね。

Y:そう思う。実家の兄なんて「車は動けばいい」とかで父のお古を乗りつぶすようなタイプよ。旦那は今の車を買うときだって「グレードが違うとこの装備が違う」とか、「走りが違う」とか、なんだか色々うるさくて。

M:でも、ご主人が働いて稼いできたお金だからあまり反対できないのね?家だってローンで買う人が多いし、家の次に高い買い物と言われる車だから、やっぱりローンを利用する人は多いわよね。「乗りたい車」を現金一括で買えるかというと、そうでないパターンも多いものね。

Y:そうなの。私も子どもがもう少し大きくなったらパートに出るつもりだけれど、今は専業主婦をさせてもらっているしね。旦那が「人生で乗ることのできる車の台数」を考えてほしいって言うのよ。それに年をとるとあまり乗らなくなるでしょう。「若い今のうちに好きなものに乗りたい」って言うの。それも一理あるから「そうかな」って思ったり、「これから子どもの教育費もかかるのにそれでいいのか」って不安になったり。

どこにお金をかけるのか

M:トータルで入ってくる収入が一緒でも「何にお金をかけるか」で人生は変わってくるわよね。

Y:そうね。わかる。車にお金をかけたら、その分旅行を減らすことになるなーとか、外食できなくなるなーとか、子どもの習い事もできなくなるなーとか、色々考えてしまう。

M:そうなのよ。だから、夫婦で「こういう使い方をするとこれを得られる分、ここを我慢することになる」っていうのを納得できていればいいのよね。もちろん、赤字にならないのが大前提で。



払い方の選択

現金一括はシンプル

Y:舞さんはやっぱり車の購入「現金一括」派?

M:そうなの。だって、それが一番お金のかからない方法だもの。公共交通機関が豊富な東京住まいのときは持っていなかったくらいよ。駐車場代も馬鹿にならないし、車にかかる費用ってかなりなものになるでしょう。だから、車の必要な地域の場合でも頑張って貯めて、一括で払える車種を選ぶという考え方なの。新車が無理なら中古車でもいいのだし。

Y:そうね~、ローンだと利息分を結局多く払うことになるのだもの。収入が安定しているからいいかな、と安易に考えてしまうけれど、損は損なのよね。

ローンの利息はどのくらい?

M:そうね。金利にもよるけれど、金利が高いと損する金額も増えるわ。

Y:どのくらい利息分で損するのかしら?今の車を買うときはあまり気にしなかったから覚えていない。当時は子どももいなくて共働きだったから気も大きくなっていて…。

M:少し調べてみましょう。どんな車種で調べる?

Y:トヨタのプリウスでどう?

M:そうね。いいかも。適当にカラーなどの条件を入力して見てみましょう。総額2,592,491円のグレードだった場合ね。頭金はどのくらいにする?

Y:100万円で。

M:100万円を頭金にした場合の支払金額は…。

【支払回数:総支払額:利息分】
●24:2,725,092円:132,601円
●36:2791214円:198,723円
●48:2,858,942円:266,451円
●60:2,928,264円:335,773円

Y:そんなに利息分って大きいの?!

M:金利が7.8%となっているから、結構大きいわね。金利の低いときならもっと利息分が圧縮されていたはずだけれど。頭金が少なくなればなるほどこの利息はもっと増えることになる。

Y:パート収入の何カ月分って考えると侮れない金額!

販売店見積りシミュレーション
参照元:トヨタ自動車(2016年1月時点、著者調べ)

最近耳にする「残価設定」

M:同じページに「残価設定」の場合のシミュレーション結果も載っているわ。

Y:それそれ!旦那がね、その「残価設定」プランにすればより高いグレードの車にも乗ることができるとか言っていたの。でも、私、意味がわからなくて「残価設定って何?」状態なのよ。いい車を買えるってことはお得ってことなのかなって思っていたくらいで…。

M:「残価設定型」というのは最初に下取り価格を「最終支払い分」として設定して、残りの分だけ一定期間(3年や5年など)支払っていくという払い方なのよね。

残価設定とは?

総支払額で得をするためのものではない

M:金額については通常ローンの場合と一緒に並べてあるから比較しやすいわ。

【支払回数:総支払額:利息分】
●24:2,703,104円:110,613円
●36:2,751,425円:158,934円
●48:2,795,217円:202,726円
●60:2,822,861円:230,370円

Y:通常ローンより利息分が少ない。やっぱり通常ローンよりお得ってこと?

M:そうね。この計算結果では通常ローンよりもお得。金利が3.9%になっているからなのね。でもそれなりの利息分がある。だから総支払額、つまり現金一括と比べるとそれなりに費用が多くかかるってことよね。この基本は忘れないようにしないと。

Y:「この計算結果では」っていうことはお得ではなくなる場合もあるの?

M:そうよ。最終支払額が固定ではなく、条件により上がる場合もあるということを忘れてはいけないのよね。小さく注意書きがあるのだけれど。

販売店見積りシミュレーション
参照元:トヨタ自動車(2016年1月時点、著者調べ)

月々の支払額が安くなる

Y:その前に気になることが!月々の支払額が低い!24回払いの場合、通常ローンだと月々71,800円なのに残価設定だと21,358円!

M:そうね。さっき話した通り残価設定型には下取り分に相当する「最終回お支払額」という項目があるの。ここが1,239,546円になっているわ。最後に大きな金額を残しているから月々の負担が軽いのね。

Y:そのマジックなのね!月々負担が軽くなる残価設定なら安心して車のグレードを上げられると考えているに違いないわ、うちの旦那。

M:そうね、最終回に多く払えばいいと考えているのかもしれない。あるいは3年や5年でプランを組んで買い替えていくとか?そんな感じかな?残価設定の一番の特徴は月々の支払額を低くした状態で車を購入できるということなのよね。

販売店見積りシミュレーション
参照元:トヨタ自動車(2016年1月時点、著者調べ)

トヨタ ご購入サポート | トヨタのうれしい買い方 | 残価設定型プラン | トヨタ自動車WEBサイト
参照元:トヨタ自動車(2016年1月時点、著者調べ)

他のメリットは何?

M:大事なのは、残価の支払時に選ぶ3つのプラン。

1. 同じ販売店で新しい車を買う。この場合最終回支払は不要。
2. 販売店に車を返却する。この場合も最終回支払は不要。
3. 最終回分の支払いをしてその車を買う(自分のものとする)。

Y:なるほど。新しく買うか、手放すか、当初の予定通り支払いを終えるかね。

M:初めから3年や5年で手放すつもりなら、安く新車に乗れるというメリットがあるようね。3年だったら手放すことで車検費用もいらないことになる。「車を購入する時点」で費用をかけることなく新車を乗り換えていきたい人に向いていると言えるかな。

Y:確かに、出て行く現金が少ないことがメリットね。

M:ただね、「当初の予定通り」払い終えるかというとそこは微妙なのよ。

気を付けたいデメリット

M:例えば買い取ることにした場合に、最終回分を一括で払えなかったとするでしょう。もちろんローンにすればいいのだけれど、そのときにもまた利息がつくわけだから「当初は通常ローンよりお得に見えていた」はずが「結局は総支払額が高くなった」ということになる可能性もあるわ。

Y:なるほど、一括で払えない場合のリスクね。

M:それからね、事故などで傷をつけたなどの場合ね。最終的に返却することを選択したとしても、追加の料金を払うことになるわ。最終支払額は「下取り価格」として設定してあるから、傷で価値が下がるとその分が下がるでしょう。つまり、その差額分を支払わなければならないの。また、走行距離も決まっていて、規定分より多く乗るとそれも追加料金の対象になるわ。

Y:傷をつけたときの追加料金リスクか…。ないとは言えないものね。走行距離の制限もあるのね。

M:そうなの。だから例えば月1,000㎞と設定していたら年間12,000㎞までが規定内とか。そんな感じになりそうね。ローンと一緒で、最終回分の支払いを終えるまでは販売店が所有者となるし「自分のもの」という感覚が持てない上に走行距離や傷に神経質になってしまう人にとってはストレスになるかも。

Y:確かに。そういうことを気にしてしまうタイプには向かないよね。

M:それからね、あくまでも下取りが前提のプランだから、いざ返却するときに下取り価格が低くて「他店に売ればもっと高くなるのに!」と思ってもそれはできないのよ。プランの途中で「他の車にしたい」と思ってもできないわ。残額を支払って自分のものにしてからなら好きにできるけれど。

Y:それは買う時にしっかり考えておきたいことよね。

M:また、残価設定だとメンテナンスパックがついている場合もあるようね。条件として整備などをしっかり受けることが決まっているの。改造とかももちろんできない。改造など勝手にしてしまうと、引取りを拒否される場合もあるそうよ。普通のローンだったら、整備をどのタイミングで受けるか受けないかを決めるのも自由だし、改造なども自由よね。残価設定の方がより「自分のものではない」という感覚が強いと考えればわかる気がするわ。

トヨタ ご購入サポート | トヨタのうれしい買い方 | 残価設定型プラン | トヨタ自動車WEBサイト
参照元:トヨタ自動車(2016年1月時点、著者調べ)

スズキ自販東京» ブログアーカイブ » 月々3,000円から新車に乗れる「かえるプラン」に5年プラン登場!
参照元:スズキ自販東京(2016年1月時点、著者調べ)

どんな人にオススメなのか?

Y:そうすると、「月々の支払いが安い状態で新車に乗りたい人向け」なのが残価設定型?

M:そうね。あとは、「就職したばかりでお金がないけれど安定収入が見込める人」や「今は収入が低いけれど数年内に必ず昇給するとわかっている人」だとか、「自分へのご褒美として3年間、あるいは5年間だけいい車に乗ってみたい」という人だとか、「3年毎、5年毎に買い替えたい人」、「あまり車に乗らず走行距離が多くない人」に向いているプランかしらね。

Y:あとは、地方に3年間だけ転勤になった都会の人とか?

M:それもあるかも!そうよ。数年だけ必要な人にも向いているかも。



メリット・デメリットを把握してから考えましょう!

Y:大分わかったわ。残価設定にはメリット、デメリットがあるから「メリットを活用したい人」にとって有利な払い方なのね。

M:そうね。万人にとってお得かそうでないか、という単純な問題ではないわ。現金一括購入主義の私にとってはデメリットが気になるけれど、車の買い方は「個人の価値観」によるものだから。総額で得をしたい人もいれば、「本来だったら無理だった車(あるいはグレードの車)に乗るチャンスができるという意味で得」と考える人もいるでしょうね。

Y:旦那の「言葉のマジック」に負けずに済みそうよ。家計を見直して、旦那の希望と家族の希望をすり合わせて決めていきたいわ。「お金」が「幸せ」と多少関係はあるものの完全比例するものではないのと同じように、「お金で得をする」ことと「生活スタイルの幸せ度」は別物なのよね。

M:車を買うか買わないかでそのようなことを改めて話し合うのも素敵なことだと思うわ。うまく話がまとまるといいわね!