《学資保険》って絶対に必要?子供の教育資金について考える

子供の将来を考えて教育資金を貯めたいけれども、どうしていいかよくわからない。学資保険ってよく聞くけど、なんだか難しそうでよくわからない…そんなあなたに、学資保険の基本的なことをお教えします!



学資保険とは

生命保険の一種です。終身保険・養老保険・定期保険などの死亡保険と同じだと言えます。子供の将来の教育資金などのために、あらかじめ決めておいた金額を支払えば、満期になった時に保険金が受け取れるというものです。

最大の特徴は、貯蓄性が高く、返戻率が高いことが挙げられます。そして、仮に契約期間の途中に契約者(親)にもしものことがあった場合、それ以降の保険料の支払いはせずに、保険金を満額受け取れるというところです。また、中には教育資金の貯蓄だけでなく、子供に何かあった時のための医療保険や、死亡給付金、育英年金などが付いた手厚いものもあります。

しかし、保障が充実したタイプでは学資保険の本来の目的である解約返戻金の返戻率が100%を下回る事がありますので注意が必要です。自分たちが学資保険に加入する目的をよく考慮して、どのようなタイプの保険に加入するのが最も適しているのかを見極める必要があります。

学資保険とは? 保険金給付と返戻率の仕組み
参照元:学資保険の教科書(平成28年1月時点 筆者調べ)

学資保険とこども保険との違い

学資保険と言えばこども保険、こども保険と言えば学資保険のこと、と思われがちですが、こども保険というのは子供向けに販売されている保険の総称で、学資保険はそのうちの一つとなります。子供がけがをしたり病気をした時のための、子供向けに販売されている医療保険、教育資金の積み立てを目的とした学資保険、これらをまとめて「こども保険」と言います。

学資保険の種類

学資保険には大きく分けて二種類あります。一つ目は、純粋に教育資金の積み立てを目的として、医療保障など余計なものは一切足さない「貯蓄型の学資保険」。もう一つは、育英年金や医療保障を追加した「保障型の学資保険」です。

貯蓄型の学資保険は、わかりやすく言うと、払った保険料の総額よりも多い額が戻ってくるということです。これはもちろん、保険料を支払っている途中で契約者にもしものことがあって、以降の保険料の支払いを免除された場合でも変わりません。この、返戻率100%以上というのが貯蓄型の学資保険の最大の特徴であると言えます。

保障型の学資保険は、医療保障や育英年金などが付いた保障が充実したタイプの学資保険です。子供がけがをしたり病気になった時に保険金が支払われたり、子供の教育資金を積み立てつつ、親(契約者)にもしもの事があった場合には、育英年金が満期までの間受け取れる、ということです。保障が充実する代わりに、貯蓄型の学資保険とは違い、返戻率は100%を下回ります。

どちらのタイプに加入すべきかは、それぞれの家庭の事情によって異なります。貯蓄型の学資保険は、学資保険の基本形になります。

・医療保障などはすでに別の保険に加入していて不要である。
・自分だけで確実に教育資金を貯める自信が無い

というような方には貯蓄型でいいでしょうし、

・親に万が一のことがあった時の育英年金が欲しい
・子供がけがをしたり病気をした時の保障が欲しい

というような方には保障型の学資保険がいいでしょう。



学資保険のメリット・デメリット

どんな保険にも、メリット・デメリットがあります。保険会社の商品によって様々ですので、一概には言えませんが、一般的なメリットとデメリットについてご紹介します。

加入のメリット

まず最大のメリットは、契約者(親)にもしもの事があった場合に、以降の保険料支払いを免除されるということです。学資保険ではなく、毎月銀行口座に貯金をしていただけの場合は、貯金をする人(親)が亡くなれば貯蓄もそこまでになります。学資保険の場合は、払込免除特約が付いていればそれ以降は支払いをしていなくても、満期になれば契約通りのお祝い金や学資資金を全額、受け取ることができます。

次に、毎月着実に教育資金を積み立てていくことが出来ますので、貯蓄が苦手な人でも確実に貯めていくことが出来るということです。自分で毎月銀行口座に一定額を入れようと思っていても、長い年月の間には「今月ちょっと厳しいかな、来月倍入れればいっかぁ」とついつい自分に甘くなってしまうこともあるかもしれませんが。

しかし、学資保険は保険会社がクレジットカードの支払いなどと同じように半強制的に取り立ててくれますので、確実に貯まっていきます。そして、銀行口座だと自分でいつでも引き出せてしまいますが、学資保険であればそう簡単には引き出せません。所定の手続きを踏む必要があるので、そうやすやすとは使い込むこともできません。

また、育英年金がついている保障型の学資保険であれば、親にもしものことがあった場合にでも保険の満期が来るまでの期間は年金が受け取れますので、お子さんの学業の助けになります。医療保障がついていれば、ケガや病気の時も安心です。

そして、掛け捨ての保険ではありませんので、定期保険などと違い、満期になれば必ず満期学資金を受け取ることができます。また、プランによってはお祝い金がありますので、あなたの選ぶ学資保険が返戻率100%を超えるものであれば、非常に貯蓄性の高いものになります。もしも何かの事情で保険の支払いを続けていくのが困難になって解約する場合でも、支払った全額から少しマイナスになる程度で済みます。この解約返戻率は保険会社によって様々ですので、よく注意しましょう。

加入のデメリット

まず、最初から受け取れる額が決まっているということです。満期を迎える頃に、世の中がたとえ今の倍の物価になっていたとしても、受け取れる額は契約時のままです。その場合、入学金や授業料も今よりは上がっている可能性が高いので、場合によっては用意していた学資保険では足らない可能性があります。

次に、元本割れの可能性です。満期時に受け取れる額が、支払った保険料の総額を下回る事を「元本割れ」と言います。先にご紹介したように、育英年金や医療保障がついた学資保険ではそもそも支払った保険料の総額を下回るものですが、それ以外であっても、加入時期などによっては元本割れを起こす場合があります。それがどこまで下回るのか、最低いくらまでが保障されているのかを、保険契約時によく確認しましょう。

学資保険は必ず入るべき?

学資保険は「子供の教育資金を、子供が小さなうちからコツコツと積み立てて大きな額を用意する」というものですが、そもそも、そんなことまでしなくてはいけないほど、子供の教育にはお金がかかるものなのでしょうか?
文部科学省のHPに掲載されている「平成26年度 学校種別の学習費」を参照に、幼稚園から高校まで私立で教育を受けた場合と、幼稚園から高校まですべてを公立で教育を受けた場合で、教育費がいくらかかるのかをざっと計算してみました。幼稚園はいずれも2年間、小学校は6年間、中学・高校はそれぞれ3年間とします。

幼稚園~高校(すべて私立)…総額はおおよそ17,212,504円、
幼稚園~高校(すべて公立)…総額おおよそ5,050,236円

そしてここに大学を足すと…
私立大学 4年間…4,202,220円(入学金を除く)
国立大学 4年間…2,143,200円(入学金を除く)
(国立大学に関しては標準額を基に、授業料のみで算出しています。)

更に、大学に関して言えば、自宅から通うのか、1人暮らしをするのかで更に必要額は大きく変わってきます。自宅からの場合は交通費程度でしょうが、1人暮らしには家賃、光熱費や食費などを含む生活費をどこまで援助するか、これもまた大きな出費になるでしょう。

いかがでしょうか。こうして見ると、なかなか高額です。一度に全額まとめて用意する必要はないかもしれませんが、やはりそれなりに心の準備は必要な額です。仮に幼稚園から高校まで公立であったとしても、大学まで国立で行く!と勝手に親が希望したところで、こればかりはお子さんの能力がどこまで親の希望通りになるかは未知数です。

もしかしたら、見事国立大学で親孝行コースを貫いてくれるかもしれませんが、やはりここは一般的なところで、私立大学の文系を念頭にやはり用意をしておきたいところです。

平成26年度 学校種別の学習費
参照元:文部科学省HP(平成28年1月時点 筆者調べ)

私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
参照元:文部科学省HP(平成28年1月時点 筆者調べ)

平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について
参照元:文部科学省HP(平成28年1月時点 筆者調べ)

貯蓄じゃダメ?

先ほどから何度か、個人での貯蓄との違いを述べてきましたが、こうして子供の教育費が具体的にいくら必要なのかを見てみて、いかがでしょうか?ご自分でこれだけの金額をコツコツ毎月貯めていくことは可能でしょうか?

貯金が得意!という方だとして、まず最初にまとまったお金が必要になりそうな高校3年生の冬、お子さんが18歳の時を目標に50万から100万円を貯めるとします。単純に100万円を18で割り、1年あたり約56,000円を貯めればいい…なんだ、そのくらい簡単じゃない!?と今は思うかもしれません。

しかし、毎月5,000円ずつ貯めようと思うと、これから先の18年間で、「今月ちょっと厳しいから、今月の分は来月まとめて入れるということで…」という時がきっと何度かあるでしょう。その、たかが5,000円を何度も入れないと、それがやがて5万円になり、10万円になり…追いつかなくなるかもしれません。

また、いつでも引き出すことが可能な銀行口座で手元に50万円くらいがあったとして、「これは子供の学費だから」と手を付けずに頑張れるかどうかです。手元にまとまったお金が出来たころに、不思議とまとまったお金が必要な用事が出てくるものです。

また、最初の方でご紹介したように、親にもしもの事があった時、その積立貯金はそこで終わりだということです。これが学資保険と貯蓄の最大の違いでしょう。お子さんが10歳の時にもしもの事があれば、560,000円で終わりです。しかし、もしも18歳満期の100万円の学資保険に加入していれば、お子さんが18歳になった時に受け取れる額は100万円なのです。

親御さんが鉄の意志をもって頑張れるのであれば、もちろんそれでもいいでしょう。もしかしたら、ご実家からお孫さんの教育資金として贈与があるかもしれませんし、そういったご家庭ならば学資保険に無理して加入する必要はないかもしれません。それはそのご家庭の事情にもよります。

学資保険だけじゃない!?

学資保険に加入しようと保険会社に相談をしたら、生命保険を勧められる、というのはよくある事です。学資保険は、加入者にとっては貯蓄性が高くて魅力的な商品かもしれませんが、保険会社にとっては儲けがほとんど無い商品なのです。そういった事情もあって、「親御さんにもしものことがあった時の事を考えるのであれば、生命保険の方がもしもの時に手厚いですよ」という方向になるわけです。

親が生命保険に加入します。そしてもしもの時に500万円なり1,000万円なりが入れば、お子さんの学費に充当できますよ、ということです。また、かりに親御さんの「もしも」が無くても、貯蓄性の高い生命保険であれば、解約返戻金をそれに充当できるのです。

学資保険に育英年金をつけて…という場合、返戻率は100%を下回ります。それならば、子供の学費が必要な時まで、毎月親の生命保険料を支払って貯蓄を兼ねる、そんな方法もあるのです。

一例として、AIG富士生命の「E-終身」という貯蓄型保険をご紹介します。こちらは貯蓄機能を兼ね備えた終身保険ですので、解約するまではどんどんお金が貯まっていきます。そして、被保険者が契約者である「親」ですので、当然ながら妊娠前から、子供が生まれる前から貯蓄をスタートできるのです。

近年では、学資保険だけにとどまらず、こうした本来の目的とは違う貯蓄性の高い保険を教育資金の貯蓄目的で選択する人も増えています。

AIG富士生命|E-終身(特徴)
参照元:AIG富士生命HP(平成28年1月時点 筆者調べ)



学資保険に入りたいと思ったら

加入のタイミング

学資保険は、最初に定めた目標額を、受け取るまでの期間の長さで月々のお支払額が変わります。つまり、分母が多ければそれだけ月々の支払いを少なくすることが出来るわけです。ということは、早く入るに越したことはありません。

ひとり目が現在1歳、二人目もすぐに考えているので、どうせなら2人目ができてからまとめて加入すればいい?とお考えの方もいるかもしれません。しかし、二人目が既にお腹の中にいて来月出産、というのであればまだしも、「二人目も考えている」というレベルなのであれば、二人目がそうそう自分たちの都合よくすぐにできるとも限りませんので、まずは今すでに生まれているひとり目のお子様の分でまずは加入をしましょう。

2人目が生まれて、さぁ学資保険…と思うまでにバタバタしていて気づいたら2人目が3歳になっていた、なんてことになると、上のお子さんはすでに5歳くらいになっていて、先ほどお話しした分母が少なくなっている分、毎月のお支払額が高くなってしまいます。お子さん2人を学資保険に、ということは月々の負担はできるだけ軽くしたいものです。

二人同時に加入した方が得、という考えではなく、兄弟割引などのサービスを用意している保険会社もあります。兄弟割引が適用される場合には条件があり、契約者が同一である必要があるなど、保険会社によって基準がありますが、それが適用されれば、二人目のお子さんの保険料は割引が適用されます。

加入できない場合もある

学資保険は、子供の将来のための貯蓄性の高い保険です。一番最初にお話しした通り、生命保険の一種ですので、契約者の病歴、現在の健康状態、被保険者(子供)の健康状態などの告知義務があります。つまり、保険契約者である親に、健康上の不安や持病がある場合には加入を断られる場合があるのです。

また、多くの学資保険で契約者および被保険者に年齢制限を設けています。契約者は18歳(女性16歳)から大体60歳まで。被保険者は0歳から15歳までとなっています。

学資保険を選ぼう

まず、学資保険が本当に必要なのかを考えます。先ほどご紹介した、学資保険ではなく貯蓄機能を兼ね備えた終身保険に加入して解約返戻金を教育資金に充てる、など、学資保険でなくても教育資金を貯める方法はあります。

学資保険に入ると決めたら、まずは学資保険を選びましょう。学資保険を選ぶ=保険会社を選ぶと同じです。何種類もの学資保険を一つの保険会社が用意しているというわけではなく、それぞれの会社にそれぞれの特色のある学資保険がある、と考えます。

まず、学資保険に入ることを決めたら、自分の希望が貯蓄型なのか保障型なのかを決めましょう。2015~1016年の貯蓄型で人気があったのはフコク生命「みらいのつばさ」です。返戻率は110%と高く(2016年フコク生命HP参照)、兄弟割引もあるのが魅力だったようです。また、祝い金の支払いが11月1日ということで、推薦入学など、早めの入学準備にも対応できるのが特色でしょう。保障型ではかんぽ生命やJAこども共済などが人気のようです。

貯蓄型か保障型か、学資保険の商品と保険会社を決めたら、次にいつを満期にするかを決めます。多くの保険会社が、満期を大学進学時の17歳、18歳、大学卒業を控えて自立する時の21歳、22歳と大体決めています。高校受験の15歳などが無く、なぜ17,18歳満期かというと、大学入学あたりが最も教育資金でまとまったお金が必要になると考えられるからです。

私たちは保険会社が決めた満期の中から、希望の満期を選択する形になります。これまでは18歳満期が多かったのですが、18歳満期では、人によっては大学入学準備には間に合わないということで、近年では17歳満期も選べる保険会社が増えてきたようです。

次に満期で受け取る金額をいくらにするかを決めましょう。備えは多いにこしたことはありませんが、満期の受取額を多く設定して、毎月の支払いが生活を圧迫して解約するようなことは避けなくてはいけません。確実に続けられる金額を設定する必要があります。ソニー生命の場合はライフプランナーが面談で相談に乗ってくれて、満期の額をいくらにすると支払いはいくらくらい、とシミュレーションをしてくれます。

学資保険みらいのつばさ/フコク生命
参照元:フコク生命HP(平成28年1月時点 筆者調べ)

学資保険人気ランキング2015-2016|学資保険加入者100人調べ
参照元:学資保険の教科書(2016年1月時点 筆者調べ)

申し込む

申し込み方法は、まずはネット上で資料請求をする。電話をする。郵便局の窓口へ出向く、など様々です。いきなり窓口へ行くのが不安、という方はまずは資料請求をしてみるのもいいでしょう。

保険会社の多くは、学資保険に関しては通販を行っておらず、ほとんどの場合において必ず一度は面接があります。貯蓄性が高いために、保険会社はまず、本当にその「子供」が存在しているのかを確認しなくてはなりません。また、長期にわたるお付き合いになりますので、やはり直接会ってお話を聞いて決めたいという物でもあります。

さまざまな支払い方法

学資保険の保険料の支払いは、他の生命保険と同様に口座からの引き落としが一般的です。支払い方法は、月々払い、半年払い、年払い、一時払い(一括払い)、ボーナス払い併用などがありますが、保険会社、保険のタイプによっては支払い方法が限定的なものもあります。

同じ保険のプランを選んでも、保険料の支払い完了が早い時期になればなるほど、返戻率も上がります。17歳になるまでコツコツ払い続けるよりは、例えば10歳や12歳までに支払いを完了させておくと、中学受験や高校受験でお金がかかるころには月々の支払いは無くなっていて、そのうえ返戻率がアップした状態の学資保険のお祝い金が出るということです。

子供への贈り物

生まれてくる子供に、初めての親からの贈り物は「名前」です。そして、その子ができる限りよりよい環境ですくすく育つように、親は子供の将来を考えて様々な方法で子供を導いていこうとします。その方法の一つが「学資保険」でしょう。自分にもしもの事があっても、子供が学業に専念できるように、そんな親の愛情がこもった贈り物です。

毎月の生活に支障がない程度の額で続けたところで、結局のところ大学の入学金と初年度の授業料くらいしか賄えないかもしれません。しかし、入学手続きに必要なその入学金と初年度の授業料が用意できずに進学を断念する子供がいるのもまた事実です。

まずは手元に少しでもまとまったお金があれば、あとは自分で奨学金を申請して勉強をする機会を得られるかもしれない…。この教育資金のための貯蓄は、そんな子供の将来への切符だと思います。まずは無理のないところから少しずつ、お子さんの将来のために何かを始めてみませんか。