亡くなった時のために入っておく生命保険ですが、実は貯蓄よりも効率的にお金を増すこともできるんです!学資保険や個人年金などが貯蓄性の高い商品として有名ですが、それ以外の保険商品でも将来のためにお金を準備できます。どんな商品があるのか、早速見てみましょう!
目次一覧
お金を増やす方法とは?
どうやってお金を増やす?
皆さんは「お金を増やす方法」というとどのようなイメージがありますか?次のようなものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
・貯金
・投資
・ギャンブル(投機ともいいます)
まず貯金は特別な知識が必要なく、堅実で簡単に始められる方法でしょう。貯金箱や普通預金などは必要な時に手元にお金を用意しやすいですし、どれくらい増えたかを目で見て確認できます。ただ、大きなお金を貯めたいと思うと時間がかかってしまいそうです。
次に投資ですが、株式や投資信託、債券、不動産などいろいろな投資先があります。運用がうまくいくと大きなお金を得ることができることもあります。しかし不動産などは最初に投資する金額が大きいこと、株式などは景気に左右されるので大きなマイナスに転じる可能性があること、知識が必要なことがデメリットといえるでしょう。
そしてギャンブルですが、宝くじなどは知識がなくても当たれば巨額を得られ、パチンコや競馬、カジノのように娯楽性があるものはスリルや興奮が味わえそうですし簡単に始めることもできると思います。まれにギャンブルを専門職としている人もいますが、お金を増やす点では堅実性がないこと、ギャンブル中毒という言葉があるように依存性が高いことが欠点といえるでしょう。
堅実に大きなお金を準備したい場合は?
子供が大学生になった時の学費を準備しておきたい、老後の生活費を準備したい、将来の結婚資金を準備しておきたいと考えた時、どのように準備をしたいと思いますか?
「老後を悠々自適に暮らすために、宝くじを買い続けます!」「結婚資金を稼ぐためにアパート1棟買って経営します!」という人はなかなかいないですよね。おそらく多くの人はコツコツ貯金をする、または株などの投資をするというように考えると思います。
とはいえ貯金だと手元にあって使ってしまいそうだし、投資をするための資金や知識がない…という人におすすめするのが生命保険を使ってお金を増やす方法です。
生命保険でお金を増やす?
生命保険でお金を増やす方法とは?
先におことわりしておきますが、決して保険金詐欺をすることや保険金を不正に受け取ることではありません(笑)。
生命保険は通常、契約者が払った保険料を保険金を受け取る必要がある人に支払う相互扶助(そうごふじょ)の仕組みで成り立っています。ただし保険会社は保険料を単に保管しているのではなく専門の社員が国債や不動産などに投資し、うまく運用させて利益が出るようにしているようです。
これは保険金を契約者やその家族に十分に支払えるよう準備したり、社員の給料や経費などを用意したりする必要があるからです。
保険商品によっては運用の利益を契約者に返還したり、解約金や満期金が増額されたりします。生命保険に入ってお金を増やすとは、支払った保険料よりも解約金や満期金が多くなるような保険商品に加入することだといえます。
将来に備えるための保険とは
生命保険にはさまざまな保障がある商品がありますが、将来のためにお金を準備する保険として有名なものは「学資保険」や「個人年金保険」があります。
「学資保険」とは子供の教育費、特に大学進学の資金を準備するための保険です。大学では高校までと比較して学費が高いため早い段階からお金を準備をしておく必要があります。貯金よりも返戻率(保険料が戻ってくる割合)が高いものもあるため加入する人が多い保険といえます。
アフラックの夢みるこどもの学資保険|アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
参照先:アメリカンファミリー生命(2015年9月時点、筆者調べ) 「個人年金保険」は自分自身や配偶者などが老後に受け取るための年金を準備する保険です。学資保険と同じく返戻率が高いものが多いため国民年金や厚生年金のほかに加入をする人もいます。
しかしこれ以外にもお金を増やすことができる保険商品というのはあるのです!いったいどんな保険があるのでしょうか?
特徴としくみ | &LIFE個人年金保険 | 保険をお考えのお客様 | 三井住友海上あいおい生命保険
参照先:三井住友海上あいおい生命(2015年9月時点、筆者調べ)
お金を増やす保険その1:終身保険
終身保険とは、その名のとおり契約をしていれば万が一亡くなった時の保障が一生涯ある保険のことです。
実はこの保険には貯蓄性があるため、保険を解約した時に支払った保険料の一部が戻ってくるという仕組みがあります。ただし商品によっては保険料の一部ではなく支払った保険料よりも多く戻ってくることもあるのです。
ポイントは「低解約返戻金型」の終身保険に加入することです。低解約返戻金型とは契約する時に決めた保険料を払い込む期間中で解約した場合に返戻金を少なくするというものです。このような決まりがあることで通常の終身保険より保険料が割安になっています。
この低解約返戻金型のよいところは保険料を払い込む期間が終了すると返戻率がぐっと高くなることです。たとえば払い込む期間を10年とした場合、10年目は返戻率が70%だったけれども11年目には105%、12年目には108%というようにどんどん高くなっていきます。これは払い終わった保険料を保険会社が運用した利益が上乗せされていくためです。
この保険は解約をしなければ運用され続け、また保険を急いで解約する必要がないので、自分が必要だと思ったタイミングで解約をすることができます。
商品によっては解約金を一括だけでなく年金のように受け取ることができますので、老後の資金の準備に向いている保険ともいえます。
&LIFE 積立利率変動型終身保険(低解約返戻金型)の特徴としくみ | 三井住友海上あいおい生命保険
参照先:三井住友海上あいおい生命(2015年9月時点、筆者調べ)
お金を増やす保険その2:養老保険
養老保険とは万が一亡くなった時に支払われる保険金と保険期間が満了した時に受け取れる満期金の金額が同じである保険です。支払った保険料より少し多く戻ってきます。
この保険のよいところは確実に決められたお金を準備できることです。仮に保険期間が15年で保険金額250万円の契約をした場合、250万円は必ず契約者本人かその家族の手に渡ることになります。
定期預金と同じような印象を受けますが、貯金の場合は貯めている最中に万が一亡くなったら貯めている途中のお金しか受け取ることができないという点が異なっています。
お金を受け取ることができる時期がわかっているので、学資の準備や結婚資金の準備のために養老保険を活用する人もいます。
養老保険 | ソニー生命保険
参照先:ソニー生命(2015年9月時点、筆者調べ)
お金を増やす保険その3:変額保険
「変額保険」は、万が一の保障を確保しながらも積極的に運用をさせることで返戻金を増やしていくことが特長の保険です。
保険ではありますが投資性の要素が強いです。海外の債券や株式などをバランスよく組み合わせて運用するもの、また自分でどのように運用させるのか決められるものもあります。投資先を選択できる場合でも保険会社や投資会社が選択したファンドに投資をするので個々の銘柄について調べる必要はありません。
終身保険と定期保険がありますが、返戻金が大きいと思ったタイミングで解約する人が多いようです。運用によっては大きな損失が出る可能性もありますので、どのファンドに投資をするか見極める必要があるでしょう。
アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク|アクサ生命保険株式会社
参照先:アクサ生命(2015年9月時点、筆者調べ)
生命保険を活用するメリット
万が一亡くなった時、家族にお金を残すことができる
貯金や投資の場合は亡くなった時に準備できていたお金しか残せませんが、保険の場合は保険金として家族にお金を残すことができます。
たとえば学資として500万円準備しておきたいと思って保険金額500万円の保険に入ると、途中で亡くなってしまったとしても子供に学資を残すことができるということです。
貯金や投資だけでは用意できない、家族が安心して生活できるための保障があるのが保険の大きな特長です。
生命保険料控除が使える
生命保険に加入すると生命保険料控除の対象になることがあります。
生命保険料控除とは、所得税や住民税の納付額を計算する所得金額から差し引かれる控除のひとつです。年末調整や確定申告で保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書を提出することで控除が受けられます。
生命保険でお金を増やせば、お金を貯められて税金も戻ってくる可能性があります。控除の対象になるかどうかは加入時に確認しておきましょう。
No.1140 生命保険料控除|所得税|国税庁
参照先:国税庁(2015年9月時点、筆者調べ)
生命保険で運用させる場合の注意点
運用に時間がかかる
生命保険で運用をしてお金を増やすためには時間がかかります。
商品によりますが、保険期間や払込期間は10年以上必要というものが多いです。また低解約返戻金型の終身保険や変額保険などは1年や2年など短期間で解約すると払った保険料と比較して大きな損失が出ることがあります。
このことから、短期的にお金を増やしたいという人に生命保険でお金を増やすことは向いていないことがわかります。
健康状態の告知や診査がある
生命保険は保障の金額や加入内容によって異なりますが、健康状態の告知や医師の診査を受ける必要があるでしょう。
生命保険は健康状態において一定の基準を満たした人だけが加入することができるものです。なぜかというと、生命保険という仕組みを維持するためです。
今にも命の危険がありそうな人と健康な人とでは保険会社にとって保険金を払うリスクが違ってくるようです。多くの契約者から保険料をもらっても、すぐに払ってばかりいたら保険として機能しなくなってしまいます。そのため加入には一定の基準を設け、保険料と保険金のバランスが整うように調整しているようです。
お金を貯めることが目的であっても、保険としての保障がある限りは健康状態がよくないと加入できないこともあるので注意しましょう。
解約すると保障がなくなる
「お金が増えたので解約しよう」という場合には、当たり前ですが加入していた保険の保障はなくなります。
解約する時には、他に加入している生命保険の保障は今の自分にとって十分な保障なのかを確認しておきましょう。貯蓄性のある商品ばかりに加入しているのであれば、保障重視で保険料の安い掛け捨ての保険に切り替えてもよいと思われます。
また、保険を解約するのではなく保障を下げる「減額」という方法もあります。加入時は健康であったけど今は病気をして保険に入れないという時には減額をして保障を少し残しておくという考え方もあります。なお、減額でも返戻金は減額部分に応じて受け取ることができます。
無限に入ることはできない
「保障としての生命保険も入っておいて、お金を増やす目的でも保険にたくさん入っておこう!」と考えた人もいるでしょうか。しかし、生命保険は無限に入ることはできないようです。
収入や職業、年齢などによって加入できる保障の金額にそれぞれ制限があります。同じ会社だけでなく他の生命保険会社の商品であっても、加入している生命保険の保障の金額をすべて合算して加入できる金額の上限を超えないようにしておくことをおススメします。
たとえば収入がない5歳の子供に親が保障の金額が1億円の生命保険に入れようとしたらどう思うでしょうか?保険会社としては保険金詐欺、保険金殺人の可能性を疑ってもおかしくはないでしょう。
また収入がない人があまりにも保障の金額が高い保険に入ると保険料が払えないということも考えられます。保険料が十分に集められなければ保険として成り立ちませんので、制限がかけられるということもあるのです。
まとめ
お金を増やす方法のひとつとして、生命保険に入ることもおススメします。
お金を増やす保険としてイメージしやすいのは学資保険や個人年金保険ですが、それ以外にもお金を増やすことができる保険がいくつかあることがわかったでしょう。
準備しておきたいお金は何か、どの保険に加入することが適切なのかを生命保険会社の営業社員や保険代理店などと相談して検討してみましょう。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。