バイクでも自賠責は必要?バイクに乗る人が入っておきたい保険とは

念願のバイクを購入して納車まで待ちきれないという、そこのあなた!バイクでも自賠責保険や自動車保険に入らなければならないということをご存知ですか?「なぜ保険に入らないといけないのか?」「どのような補償が必要なの?」その疑問にお答えします。



バイクでも自賠責に入らないといけない?

自賠責保険とは何か?

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)とは、万が一対人事故を起こしてしまった時に相手方への賠償をするための保険です。死亡・後遺障害だけでなく、むち打ちや骨折などのけがをさせてしまった時にも補償されます。

日本では公道を走行する車両(自動車、二輪車など。自転車は除きます)はこの自賠責保険に加入することが義務付けられています。自動車やバイクの場合は有効期限が切れていない自賠責保険に加入していないと車検が通りません。なお自賠責保険に加入しないで走行した場合は、法律によって次のような処罰の対象となります。

・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
・免許停止処分(違反点数6点)

自賠責保険では被害者1名ごとに補償される金額の上限は次のように決められています。

・死亡による損害        最高3,000万円
・死亡するまでの傷害による損害 最高120万円
・後遺障害による損害      最高4,000万円(常時介護の場合)、最高3,000万円(随時介護の場合)
※後遺障害の程度によって階級があり、階級ごとに支払われる金額の上限は異なります
・障害による損害        最高120万円

賠償しなければならない金額が自賠責保険の範囲を超えた場合には自動車保険(任意保険)の「対人補償」でカバーされますが、そのためには自賠責保険に加入していることが絶対条件となります。

自賠責保険(共済)とは?
参照先:国土交通省(2016年1月時点、筆者調べ)

強制保険と呼ばれるワケ

自賠責保険は加入が義務付けられているため、通称「強制保険」と呼ばれています。先述した通り自賠責保険に加入していないと罰せられるほど加入を強制されているのですが、これはなぜなのでしょうか。

自賠責保険は万が一事故が起きた時に被害者を救済するための保険です。車両を運転する人は教習所などで交通ルールを学び、安全に運転するための技術を身につけることで運転免許証を取得することができます。しかし運転技術が未熟であったり、過信して運転してしまったりなどの理由で事故を起こしてしまう可能性は十分に考えられます。

事故を起こしてしまって、被害者が亡くなってしまったら加害者は莫大な賠償金を支払わなければならなくなります。そうなると被害者の家族だけでなく、加害者の家族までもが破たんしてしまうかもしれません。

そのようなことを回避するために、自賠責保険は必ず入らなければならない保険として位置付けられているのかもしれません。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)とは | 損保ジャパン日本興亜
参照先:損保ジャパン日本興亜(2016年1月時点、筆者調べ)

保険料は保険会社によって違うの?

自動車保険(任意保険)の場合は加入する保険会社や補償内容などによって保険料が異なります。しかし自賠責保険の場合は、車両の種類や補償期間が同じであればどの保険会社で加入しても同じ保険料です。

そのため自賠責保険に関してだけでいえば、ディーラーやバイクショップで入っても、保険代理店で入っても同じ補償で同じ金額になります。多くの人は車検の諸費用で「自賠責保険料」が含まれた金額を支払うことで、自分でも気づかないうちに自賠責保険に加入している可能性があります。

自賠責保険は自動車保険で加入している保険会社と必ずしも同じ保険会社で加入しなくてもよいのですが、万が一対人事故を起こしてしまった時に、保険会社が異なると保険金の支払い手続きに時間がかかることがあります。スムーズな事故解決を希望するのであれば保険会社を統一するとよいでしょう。

最近ではコンビニでも自賠責保険を販売しており、お金を下ろすついでに、飲み物やお菓子を買うついでに保険に加入できるという利便性があります。

日本損害保険協会 – SONPO | お役立ち情報 − 損害保険の解説 − 自賠責保険
参照先:日本損害保険協会(2016年1月時点、筆者調べ)

バイク自賠責保険 | セブン‐イレブンで入る保険(三井住友海上)
参照先:セブン‐イレブン(2016年1月時点)

原付の場合は?

結論からいいますと、原付であっても公道を走行する場合には自賠責保険に加入しなければなりません。先述しましたとおり、原付も立派な車両だからです。

「バイクは車検があるけど、原付は車検がないから自賠責保険に入っていなくてもいいの?」「自賠責保険に入っていなくても、ばれなければいいのでは?」などと思う人もいるかもしれません。確かに250cc以下の二輪車は車検を受ける必要はありません。しかし車検がないからといって自賠責保険に入らなくてよいことにはなりません。

原付の場合は、むしろ車検がないため保険が切れてしまわないように注意が必要です。自賠責保険に加入すると自賠責保険証明書とともに保険の有効期限が書かれているステッカーを交付されます。このステッカーはナンバープレートの左上部に貼り付けます。ステッカーの有効期限が過ぎていないか必ず確認し、保険が切れないように加入しておきましょう。

自賠責保険(共済)の加入方法
参照先:国土交通省(2016年1月時点、筆者調べ)

Honda | お客様相談センター
参照先:本田技研工業(2016年1月時点、筆者調べ)



バイクでも自動車保険に加入する!?

なぜ自動車保険に入らないといけないのか?

ここまでは強制保険である自賠責保険について説明してきました。自賠責保険は加入しておかないと法律で罰せられるものですが、任意保険である自動車保険も必ず加入しましょう。

自賠責保険は万が一事故を起こしてしまった時に、相手のけがについての補償です。つまり相手にけががなく、車両にぶつけてしまっただけの事故であれば自賠責保険では対象になりません。すると自分で弁償をしなければならなくなります。

また相手がいない単独事故でけがをしてしまった時の補償も自賠責保険だけでは対象外となります。これらのような事故に備えるためには自動車保険に加入しておく必要があるのです。

三井ダイレクト損保 | バイク保険の特徴と加入時の注意点
参照先:三井ダイレクト損害保険(2016年1月時点、筆者調べ)

自動車保険とバイク保険の違いは?

対象車両がバイクや原付の場合、バイク保険に加入しましょうという案内があると思います。バイク保険は自動車保険の一種ですので、この記事では自動車保険で統一しておきます。

保険の対象がバイクや原付の場合、使用目的にかかわらず「一般用」自動車保険に加入することになります。自家用普通乗用車などが対象となる「家庭用」自動車保険と保険の内容について大きな違いはあまりありませんが、補償内容や加入条件に若干の違いがあります。そのため、「バイクに乗っているけど、補償を手厚くしたいから家庭用で入りたい!」という希望があっても、家庭用での加入はできないようです。

トータルアシスト自動車保険 | 自動車の保険 | 東京海上日動火災保険
参照先:東京海上日動火災保険(2016年1月時点、筆者調べ)

TAP(一般自動車保険) | 自動車の保険 | 東京海上日動火災保険
参照先:東京海上日動火災保険(2016年1月時点、筆者調べ)

バイクに乗る人が入っておきたい補償とは

対人補償

対人補償は事故を起こし、けがをさせた、相手方が死亡、後遺障害の状態になってしまったなどという時に備えるものです。自賠責保険で補償される上限金額を上回った場合に、その分を差し引いて保険金が相手方(または相手方の家族)に支払われます。

けがをさせてしまった時には治療費、休業損害(けがが原因で働けなかった場合)などが、死亡や後遺障害は逸失利益(事故がなければ得られたであろう収入。事故の状況や障害の程度などによって金額は変わってきます。)、慰謝料などが支払われます。

あなたが万が一、医師や弁護士など世間的に高収入と言われている人の子供をはねて一生涯寝たきりの状態にしてしまったとします。治療費、慰謝料、逸失利益などをあわせると賠償額は数億円になる可能性が高いです。

その子供が将来得られたであろう収入を計算するのですが、保険金を算出する際、親の職業を参考にすることがあるそうです。必ずではないですが、医師や弁護士などの子供は将来同じような職業に就く可能性が高いと考えられているからでしょう。一生涯の治療費だけでもかなりの金額がかかることが想像されますが、そこに逸失利益も加算されれば相当の金額になるでしょう。

高額な賠償になってしまった場合でも十分に補償を受けられるよう保険金額(補償される金額の上限)は「無制限」にしておきましょう。

対物補償

対物補償とは車両や建物など、他人の所有しているものに損害を与えてしまった時に補償されます。相手の車を傷つけてしまった、操作を誤ったため店舗に突っ込んでしまいガラスを割ってしまったなどの事故が対象になります。

対物補償は自動車保険でないとカバーされないものなので、必ずつけておきたい補償のひとつです。保険金額は選択できますが、対人補償と同様に「無制限」にしておくことをおすすめします。

対物事故で信号機やガードレールにぶつかってしまった場合、賠償額は350万円ほどになるようです。またバイクや原付の場合、高級車に突っ込んだとしても大破する可能性はあまり高くないので、修理代金は多く見積もっても数百万程度でしょう。このような事故ですと大きな補償は必要ないように感じるかもしれません。

しかし賠償額が高額になる可能性が高い事故があります。それは相手が電車の場合です。線路内に立ち入って事故を起こしてしまった場合、電車の車両自体の修理代金も高額ですが、それ以上に高額になるのが休業損害の補償です。

対物補償の場合、休業損害といって事故がなかった場合に営業し得られていたと思われる利益を相手方に支払うことになります。電車は多くの乗客を乗せ、分刻みで運行していますので少しの間止まっただけでも大きな損害になります。自動車の事故ではありますが、過去の判例では賠償額が1億円以上になったケースもあります。

万が一大きな事故を起こしてしまった場合でもカバーされるよう、対物補償は無制限で加入しておきたいものです。

TBS「がっちりアカデミー」
参照先:TBS(2016年1月時点、筆者調べ)

高額賠償事案判例 | 損保ジャパン日本興亜
参照先:損保ジャパン日本興亜(2016年1月時点、筆者調べ)

人身傷害

人身傷害は相手のいる事故だけでなく、単独事故でも万が一亡くなってしまったり、けがをしてしまったりした時に補償されます。バイクの場合、運転手や同乗者の体は車体で覆われていないため、ちょっとした転倒であっても大きなけがにつながる可能性があります。そのため自分や同乗者のためにも、人身傷害は必須の補償です。

多くの保険会社では保険金額は1名あたり3,000万円から1,000万円きざみで設定することができます。無制限で設定することもできますが、保険の対象がバイクですと人身傷害の保険料は高く設定されているため保険料が高くなります。年齢や扶養する家族がいるかどうかで分かれている、保険金額の目安がありますのでそれを参考に設定するとよいでしょう。

大きな補償がいらない、とにかく保険料をおさえたいと思う人は「搭乗者障害」がおすすめです。人身傷害は実際にかかった治療費などを実費で補償されますが、けがをした部位や症状、または入院や通院をした日数によって定額で保険金が支払われます。

自動車保険の三井ダイレクト損保 | 人身傷害保険金額の設定について
参照先:三井ダイレクト損害保険(2016年1月時点、筆者調べ)

おケガの補償|自動車保険・一般用|三井住友海上
参照先:三井住友海上火災保険(2016年1月時点、筆者調べ)

車両保険は入っておいた方がいい?

車両保険とは保険の対象となっているバイク本体が破損した時などに修理する費用を補償するものです。バイクの保険でも車両保険を付帯することはできますが、補償の中身をよく確認しましょう。

バイクが対象となっている自動車保険の場合、車両保険は保険会社ごとに内容は異なりますが、盗難の補償が対象外になっていたり、バイクや自動車などとの事故で破損した時だけが補償されるものになっていたりします。バイクは自動車と比べて盗難のリスクがかなり高いため保険ではカバーができないためです。

自分にとって必要な補償がついていないにもかかわらず車両保険に加入するのは保険料のムダになります。ムダであれば加入はおすすめしません。しかし商品によってはバイクの盗難も補償の対象となるものもありますので、車両保険を付帯したいと思っている人はよく比較検討してみましょう。

補償の内容 | おとなのためのバイク保険
参照先:日新火災海上保険(2016年1月時点、筆者調べ)

どのようなバイク保険があるの?

では実際にどのような保険商品があるのでしょうか。バイクや原付が対象となる自動車保険をいくつかご紹介します。今回はバイクショップや保険代理店などで加入をする「代理店販売」の保険とインターネットや電話で加入できる「通販型」の保険をそれぞれ2種類ご紹介します。

まず代理店で販売している自動車保険でスタンダードな商品として紹介するのが損保ジャパン日本興亜の「SGP」です。対人、対物、人身傷害、車両保険の補償に加入できます。国内最大級の規模を誇る保険会社ですのでネームバリューもあります。万が一事故が起きた時にも全国に事故対応の拠点があることも安心です。

損保ジャパン日本興亜は代理店の数も多いことも特長です。しっかりと説明を聞いて加入したいという人には向いているでしょう。

バイク保険とは | 損保ジャパン日本興亜
参照先:損保ジャパン日本興亜(2016年1月時点、筆者調べ) 同じく代理店で販売している商品ですがバイクの補償に特化しているものとして、日新火災の「おとなのためのバイク保険」があります。日新火災は東京海上日動をはじめとする東京海上グループに所属している会社ですので、こちらも安心感は得られるでしょう。

この商品の特長は加入できる人を限定していることです。次の条件に該当する人だけが加入できる保険となっています。

・運転する人の年齢が35歳以上
・総排気量が125cc以上
・「ホンダ」「カワサキ」「ヤマハ」「スズキ」「BMW」「ハーレーダビッドソン」「ドゥカティ」いずれかのバイク(ただし、一部の型式については対象にならないこともあります。)
・車両を改造していない(車検証上に「カイ」の表記がない)

通常バイクを対象とする自動車保険の年齢条件は「年齢条件なし」「21歳以上」「26歳以上」となっているので、まさに大人のための保険商品といえるでしょう。またバイクでは対象外となるゴールド免許割引があることもメリットといえるでしょう。

そして一番の特長は対象外となることの多いバイクの盗難が必ずセットされていることです。安全運転を心がけていて、大切な車両の補償を準備したい人にはおすすめの商品といえます。

おとなのためのバイク保険 | 日新火災海上保険株式会社
参照先:日新火災海上保険(2016年1月時点、筆者調べ) 通販型のメリットは保険料が安く、手続きが簡単ということです。代理店型ですと、担当者に来てもらったり、店舗で手続きをしてもらったりというようにしなければなりませんので、あらかじめ予約が必要なことがあります。しかし通販型は思い立った時に電話やインターネットで手続きができるので気軽に手続きを行うことができます。

通販型で人気が高いのがアクサダイレクトの「バイク保険」です。世界的に有名な金融グループであるアクサグループのひとつである会社が販売しており、インターネットで手続きをすると保険料が最大で1万円割引されるという特徴があります。「自分で手続きするのは面倒」「保険の内容をしっかり確認しながら手続きしたい」という人は電話での手続きもできます。

インターネットで見積もりをする場合には、ユーザー登録をして見積もりを保存しておけば見積もりの内容を簡単に呼び出すことができます。「いちいち入力するのは面倒だけど何度も見積もりをしたい!」という人には便利な仕組みになっています。

「通販型だと事故対応は大丈夫?」と心配に思う人もいるかもしれませんが、アクサダイレクトでは事故の内容によっては事故担当者が訪問し、相談に乗ってくれるため対面式の安心感も得られるでしょう。

バイク保険のアクサダイレクト | ネット割引最大-10,000円
参照先:アクサダイレクト(2016年1月時点、筆者調べ) 同じく通販型では三井ダイレクト損保の「バイク保険」があります。販売している保険会社は三井住友海上やあいおいニッセイ同和などのMS&ADグループの会社です。「外資の保険会社は万が一撤退したら補償が受けられるか心配…」と考えている人には向いているかもしれません。

こちらはインターネットで申し込みをすると最大で3,500円の割引が受けられます。パソコンがなくてもスマホやタブレット端末で24時間365日手続きができる手軽さがあります。

三井ダイレクト損保で特徴的なのが事故対応です。通常の事故はもちろん、こちら側にまったく非のない事故である被害事故でも専任スタッフが相談に乗ってくれます。「事故にあったんだから、当たり前じゃないの?」と思う人もいるでしょうが、実は保険会社は契約者にまったく非がない事故、つまり保険会社が保険金を支払わない事故については示談交渉を行うことができません。

この場合、契約者は相手方の保険会社の担当者と直接交渉を行うことになるのですが、相手はプロですので専門用語を多用されたり、どのように対応していいかわからなかったりなどということも考えられます。その時に専任スタッフに相談し、どのように交渉していけばよいかアドバイスしてもらえると安心できるでしょう。

バイク保険の三井ダイレクト損保
参照先:三井ダイレクト損害保険(2016年1月時点、筆者調べ)



まとめ

初めてバイクを購入する人も、すでに所有している人も必ず加入しなければならないものが自賠責保険です。法律で加入を義務付けられているため強制保険とも呼ばれ、事故の被害者に対する補償をする保険です。

その他に任意保険と呼ばれる自動車保険(バイク保険)もありますが、こちらも必ず加入しておきましょう。自賠責保険だけではカバーできない被害の大きい対人事故、対物事故の補償、自分自身や同乗者のけがに備える補償、大切な愛車を守る補償が自動車保険にはあります。

自動車保険は代理店で販売しているものと通販型があります。それぞれに特長的な商品がありますので、自分のライフスタイルや求める補償に応じて加入する保険会社を決定していくことをおすすめします。