履歴書の扶養家族の欄の書き方で採用が決まる?エッ、ホント!?

履歴書に「通勤時間」や「配偶者の有無」と合わせて「扶養家族〇人」をちゃんと書いた方が採用されやすいこと知っていますか?学生さんや主婦の方、良く分からないといって空欄にしておくと、面接のときに担当者から「この人常識ないね」と思われてしまうかもしれません。かといって適当に書いてしまうと質問されたときにとんちんかんな返事をしてしまい「不採用」なんてなったら悲しいですね。今回一緒に覚えましょう。



履歴書にある扶養家族の欄

何のために書くのでしょう

会社に応募するときは必ず履歴書を書きますね。その履歴書にはあなたの住所や氏名はもちろんのこと学歴、職歴、資格、志望動機などを書きますが、それはいってみれば自己紹介のようなものです。「わたしはこういう者でこんなキャリアがありますのでよろしくお願いします」と自分を積極的にアピールする大切な書類です。

そんな大切な書類に空欄があっては採用担当者からマイナス評価されるかも知れません。そして良く空欄になりやすいのが「扶養家族〇人」や「扶養の義務の有無」でしょう。まあ下手に書くよりは書かない方が無難かな?と逃げてしまいがちですが本当のところは「良く分からない」が真実なのではないでしょうか。

せっかく自分をアピールするために書いた履歴書ですから空欄にしておくと、採用担当者は書きたくないから書かなかったのかそれとも理解していないから書けなかったのか判断に苦しみます。面接の前に1次選考があるのなら、履歴書があなたのすべてと思ってください。もしその段階で不採用となればその原因は履歴書の空欄かも知れません。

扶養についての知識は社会人なら当然持っていてもおかしくない常識です。会社側も常識のない人はあまり採用したいとは思わないでしょう。

したがって「扶養」の欄はあなたの常識を問われているのだ、と考えた方が良いと思いますよ。

扶養家族のことは何の役に立つのでしょう

扶養家族の欄を埋めてあれば、会社はあなたを採用した場合に家族手当の支給や所得税、住民税、保険料を前もって見積もっておくことができ、あなたの給料やボーナスの各控除額の見当がつきます。会社側も前もってその情報があれば採用後にスムーズに必要書類を渡すことができますし、あなたに用意してもらいたい書類もすぐに知らせることができることになります。

事務処理をスピーディーに行いたいという会社側の都合もありますが、従業員が数百人もいるような会社であれば労務担当者もテキパキ仕事を処理したいと思うでしょうね。



履歴書にある扶養家族の書き方

扶養家族の人数

扶養家族とひと口にいっても本来はとても難解な説明が必要になります。実際「扶養」については「所得税の扶養」や「健康保険の扶養」の2種類あり、「所得税の扶養」の場合は「扶養家族」ではなく「扶養親族」といいます。また「健康保険の扶養」では「扶養家族」とはいわずに「被扶養者」といういい方になったりします。

また「扶養親族」には配偶者や16歳未満の子どもは入らないとか、「被扶養者」に75歳以上は含めないとか細かくいえばその説明だけで頭がパニックを起こしてしまうかも知れませんので、そのことの説明はなるべくしないようにしますね。でも少しは出てくるかも知れません。

それで扶養家族のことですが「扶養」については、例えば夫の収入であなたや子どもの家計を支えているのなら夫の扶養に入っていることになりますね。この場合夫のことを「扶養者」といいあなたを含めた子どものことを「扶養家族」といいます。

また「扶養家族」とは夫から見ての家族のことですから、あなたがパートで働く場合、あなたは「扶養者」ではありませんので「扶養家族」は0人になります。もしあなたが独身者であって扶養する人が誰もいなければ「扶養家族」は0人となります。

少々難くなりましたが次の項目で具体例をいくつか紹介しましょう。

扶養家族の具体例(用語)

具体例を上げる前に基本的な考え方をご説明しますね。これを知らないと例ばかり見ても家族構成にはいろんな場合がありますのであなたがその例にあてはまらないとわけが分からないことになってしまいます。

・扶養する
自分の収入によって家族を養うこと

・扶養者
家族を収入の面で養っている人

・扶養家族
扶養者が養っている家族のこと

・扶養の義務
家族を養う義務のある人

・配偶者
結婚していればその相手のことで配偶者は「有」となり独身者なら「無」

まずは以上の用語と意味を覚えましょう。

扶養家族の具体例①

独身者の世帯

あなたが独身でも結婚していても「扶養家族」自体は変わりません。自分が家族を養っているかどうかで判断しましょう。

・独身で自分のみの世帯
:扶養家族は0人

・独身で子どもが1人の世帯
:扶養家族は1人

・独身で子どもが2人の世帯
:扶養家族は2人

以上の例はとても分かりやすいですね。働きに出るのがあなたで、後は子どもがいるかどうかだけの判断だけです。なおあなたは扶養している立場ですから扶養家族の数には入れなくて良いです。本来なら子どもの年齢も扶養家族かどうかに関係しますが履歴書上ではそこまで考えなくも良いでしょう。

独身者と子ども、両親の世帯

こんな場合はちょっと、という例を上げます。

・独身で子ども1人と両親(父の年齢59歳、年収140万円/母の年齢60歳、年収78万円)の世帯
:扶養家族は1人ないし2人

この例は親を扶養族に入れるべきか判断が難しいといえます。考え方として次の手順を参考にしてみてください。

①親の年齢を確認する
:親の年齢が60歳以上であれば年収180万円未満であれば扶養家族になれる
:親の年齢が60歳未満であれば年収130万円未満であれば扶養家族になれる
②あなたの年収(見込)を計算する
:あなたの年収が親の収入の2倍以上であれば扶養家族になれる

この2つの条件にあてはまれば両親とも扶養家族になれますが、仮にあなたの年収(見込)が200万円だったら親の年収は100万円未満でなければなりません。そうなると父親は扶養家族にはなれませんので、この場合扶養家族は子どもと母親の2人となります。

しかしあなたの年収(見込)が300万円ならその1/2は150万円となり父親も扶養家族に入れることができそうですが、年齢が59歳ですから年収130万未満の条件を満たしていません。したがって扶養家族は2人ということになります。

年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入※180万円未満)かつ同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満

出典:

www.nenkin.go.jp

独身者と両親の世帯

・独身で年金暮らしの両親ともに60歳で年金120万円未満と140万円未満の世帯
:扶養家族は0人ないし1人または2人

この例では年金が引っかかりますが、年金も収入としてみなされますので扶養家族になれるかどうかは同じ手順で判断します。

①親の年齢を確認する
:親の年齢が60歳以上であれば年収180万円未満であれば扶養家族になれる
:親の年齢が60歳未満であれば年収130万円未満であれば扶養家族になれる
②あなたの年収(見込)を計算する
:あなたの年収が親の収入の2倍以上であれば扶養家族になれる

まず親の年齢と年収については問題なく扶養家族になれますので、後はあなたの年収(見込)次第ですね。あなたの年収(見込)が200万円なら親の収入は100万未満でなければなりませんのでどちらも扶養家族にいれることはできません。年収(見込)が250万円なら1人扶養家族で280万円なら2人も扶養家族になります。

独身者と内縁関係の世帯

・独身で内縁関係にある人と子ども1人を養っている世帯
:扶養家族は1人ないし2人

この例は特殊になります。所得税の優遇を受けることは出来ませんが、内縁関係でも健康保険の扶養家族になることができます。まず子どもについては問題なく扶養家族になれますが、内縁関係者についてはその人の年収とあなたの年収(見込)の関係となります。親を扶養家族に入れる条件と同じで内縁関係者の年収があなたの年収(見込)の1/2未満でないと扶養家族になれません。

内縁関係者の収入がゼロであればあなたの年収(見込)と比べる必要はありませんが、仮に年収110万円未満ならあなたの年収(見込)は220万円以上でないと扶養家族に入れることができなくなります。

従業員が家族を扶養にするときの手続き|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2016年1月、著者調べ)



扶養家族の具体例②

夫と妻の世帯

今度はあなたが妻という立場で考えてみましょう。

・夫の年収のみで暮らし、あなたは専業主婦
:扶養家族は0人

扶養者が夫ですから「扶養家族」といったら夫から見た家族ですのであなたには扶養家族はいません。

・夫の年収400万円であなたは主婦ですがパート働く決心し年収(見込)が130万円未満ある
:扶養家族は0人

あなたがパートに出るため履歴書に書く場合の扶養家族は0人です。参考までに夫の年収はあなたの年収(見込)の2倍以上ありますので、夫から見れば扶養家族は1人となります。

・夫の年収400万円であなたは主婦ですがパート働く決心し年収(見込)が250万円未満ある
:扶養家族は0人

考え方としては同じで、あくまでも生活維持の柱となっているのは夫ですからあなたの扶養家族は0人ですが、夫はあなたの年収(見込)の2倍以下となり夫の扶養家族は0人となっていまします。あなたが夫の扶養家族でいるためには年収130万円未満でないといけません。

夫と妻と子どもの世帯

・夫の年収500万円で専業主婦のあなたと子ども2人の世帯
:あなたの扶養家族は0人ですが夫の扶養家族は3人

・夫の年収500万円であなたは主婦としてパートに出る決心し年収(見込)100万円と子ども2人
:扶養家族は0人

子ども2人いてもそれは夫の扶養家族ですからあなたの履歴書に書く扶養家族は0人です。夫の扶養家族は3人ですね。

・夫の年収300万円であなたは主婦としてパートに出る決心し年収(見込)130万円と子ども2人
:扶養家族は0人

夫の年収は下がりましたが、依然あなたの年収(見込)の2倍以上ありますので夫の扶養家族は3人ですがあなたの扶養家族は0人です。

ここまでのまとめ

扶養家族についてまとめてみましょう。

■あなたが生計の柱となる場合
①扶養家族の収入を確認しましょう
:父親の年収140万円
:母親の年収80万円
:夫の年収120万円
:子ども2人は収入ゼロ

②あなたの年収(見込)を確認しましょう
:給料22万円x12カ月=264万円

③扶養家族の年齢を確認しましょう
:父親の年齢は60歳/75歳未満かどうか
:母親の年齢は58歳/75歳未満かどうか
:夫の年齢は30歳/75歳未満かどうか
:子ども2人は8歳と5歳

④家族の年齢による収入の上限を確認しましょう
:父親の年齢60歳は180万円未満/現状140万円なのでOK
:母親の年齢58歳は130万円未満/現状80万円なのでOK
:夫の年齢30歳は130万円未満/現状120万円なのでOK

⑤あなたの年収(見込)の1/2を計算し、その金額よりも低い人をピックアップしましょう
:あなたの年収(見込)264万円x1/2=132万円
:該当者
*母親、夫、子ども2人

⑥その該当者が扶養家族です。
:合計4人

あなたは扶養者であり扶養義務があり、そして扶養家族が4人いることになりますね。注意したいのは親の年齢が75歳以上であれば年収が180万円未満でも扶養家族にはなれないという点です。

夫の扶養の範囲で働く

年収103万円

夫の扶養の範囲内で働くということは、「扶養の義務」が無、「扶養家族」は0人ということです。ではあなたが扶養の範囲内で得る年収はいくらまでなのか知っておかないと、夫の扶養から外れるばかりか自分で税金を納めるようになってしまいます。また夫はあなたが扶養から外れることにより税金の負担が増えてしまいます。ではいくらまでなら夫の扶養でいながら稼ぐことができるのかを確認しましょう。

扶養には「所得税の扶養」と「健康保険の扶養」の2つがあることは冒頭でご説明したとおりです。

「所得税の扶養」で働くには年収103万円以下が条件となります。この金額であればあなたは所得税も健康保険も年金も何も負担することはありません。あなたは自動的に国民年金に加入し「第3号被保険者」になり将来国民年金を受け取ることができます。年間4,000円程度の住民税の負担があるかも知れませんがその辺は承知しておいてくださいね。

参考までに国税庁の資料文を以下にご紹介しておきます。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

出典:

www.nta.go.jp

年収130万円未満

年収103万円を超えますと夫の「所得税の扶養」からは外れることになってしまいます。その結果所得税の発生と多少住民税が上がってしまいますが年収130万円未満であれば「健康保険の扶養」でいることができます。健康保険の扶養の条件に年収の上限がありましたが覚えていますでしょうか?そうです年間130万円未満ですね。

この年間130万円未満で働く分には健康保険料も年金も自己負担がありません。健康保険料や年金の額は扶養家族に左右されることはありませんので、年収103万円を超えたからといって夫の負担が増えてしまうのではないかという心配はありませんよ。ただ夫からすればあなたが「所得税の扶養」から外れることで所得税が年額にして約3万8,000円負担が増えますが、その分あなたがカバーすれば良いだけのことだと思います。

年収103万円から約27万円の収入が増えるのです。所得税と住民税と合わせて約5万円の負担となりますがそれを差し引いても27万円-5万円-3万8,000円=18万2,000円くらいの収入が増える計算となりますので引け目を感じることもないと思いますよ。思いっきり稼いでください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。あなたがメインとなって働くのであればあなたが扶養者となり扶養の義務が生じ、結果として扶養家族を持つことになるのです。しかし夫の扶養の範囲内で働くのであればあなたは扶養者ではなく扶養の義務もありません。よってあなたには扶養家族がいないというこの違いさえ分かっていれば履歴書を書く際に迷うことはないでしょう。

履歴書に書いた人数が例え間違っていても、入社した時に渡される書類に正しく書けば何も心配はいらないと思います。年齢がいくつとか年収がいくらだから扶養家族でないという判断は会社の担当者がすれば良いだけですのでそこまでの知識はまだ要らないでしょう。

勤め始めて年末調整の時期になれば嫌でも覚えるようになりますのであまり心配しないでくださいね。