【土地の相続手続き】忘れていたでは許されない!相続登記の手順

土地を相続したら、その土地の所有権は相続した人に移ります。しかし登記をしておかなければ、他人に土地の所有者であることを主張できません。その結果、土地が他人に取られてしまうことも…そんなトラブルにならないように、この記事では、土地の相続手続きについてまとめました。



土地の相続手続きとは

土地を相続したことで所有権自体は相続人のところに移転しています。しかし、相続した土地の名義を自分に変更しなければ、「この土地はわたしのものですよ!」と所有権を他人に主張することはできません。

土地の相続手続きで一番大切なのが、所有権移転の登記、すなわち土地の名義変更です。



登記をするメリット

相続登記は早めにしておいたほうがよいと言われますが、登記をしておくと以下のメリットがあります。

・土地を担保に入れて住宅ローンを組むことができる
・土地を売却する際にスムーズにできる

法務省:未来につなぐ相続登記
参照元:法務省(2016年1月時点、著者調べ)

登記をしないとどうなる?

登記は義務ではありません。登記には手数料がかかることもあり、土地を相続したがそのまま放置しているというケースも多く見られるようです。所有権という権利自体は、目に見えないものです。しかし、登記をしておくことで他人に所有権が自分にあることを知らせることができます。登記をしないことで、以下のような危険があります。

・自分以外の相続人が勝手に登記をし、土地を処分してしまっても文句は言えない
・登記をしない間に他の相続人の関係がこじれて、遺産分割協議が行き詰まる
相続した土地を自分のものだと他人に主張できないことによって、土地そのものを失う危険もあります。

相続登記の費用の一例を知りたい場合は以下のサイトを参考にしてください。

相続登記の費用
高山勝男司法書士事務所

法務省:未来につなぐ相続登記
参照元:法務省(2016年1月時点、著者調べ)

【産経新聞】「不動産の所有権移転登記手続の方法は?」  法テラス|法律を知る  相談窓口を知る  道しるべ
参照元:法テラス(2016年1月時点、著者調べ)

相続手続きの手順

登記は司法書士などの専門家に頼むこともできますが、当然ですが手数料がかかります。そのため、自分で行う人も多いようです。大まかな流れとしては、以下の通りです。

1.相続人を確定する
2.登記申請の書類を揃える
3.法務局に申請

手続きは大きく分けて遺言書がある場合と遺言書がない場合に分かれます。

遺言書がある場合

遺言書があれば、誰が土地を相続するのかがはっきりしています。そのため、相続人の確定が既に終わっているので、あとは移転登記を完了するだけです。

遺言書がない場合

遺言書がない場合は、相続人の間でどの財産を誰に相続させるかの話し合いをしなければなりません。そのため、遺言書がある場合に比べると手続きが複雑になることが多いようです。流れとしては以下の通りです。

1.全ての相続人を確定する
2.全相続人で遺産分割協議を行う
3.遺産分割協議書を作成し、土地の相続人を決める
あとは、遺言書がある場合と同様に土地の相続登記手続きを行います。



土地の相続登記手続き

相続登記の必要書類

土地の相続登記を行う場合に必要な書類は大きく分けると以下の通りです。

・登記申請書
・添付書類
・登録免許税

ここで問題なのが添付書類です。添付書類にはいろいろなものがありますが、典型的な書類は以下の4つです。中には揃えにくいものもあります。

・被相続人の戸籍謄本・除籍謄本
・相続人の戸籍謄本・除籍謄本
・相続人の印鑑証明書
・固定資産評価証明書

被相続人の戸籍謄本・除籍謄本

死亡によって相続が開始したことを証明するために、遺言書の有無にかかわらず被相続人の出生から死亡までの経緯が全て分かるものが必要です。要するに、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本や除籍謄本のことです。

相続人の戸籍謄本・除籍謄本

次に、相続人全員の戸籍謄本の添付も必要です。法務局が、正確な相続人を確定するためです。この点、遺言書によって相続人が確定している場合には土地を相続する相続人の戸籍謄本・戸籍抄本だけでよいようです。一方遺産分割協議での相続の場合には、すべての相続人について戸籍謄本や除籍謄本が必要になります。

すなわち、遺産分割協議の場合には全ての相続人を探し出さなければならないということです。この作業の中で、隠し子がいることが判明するケースなどもあるようです。

不動産を遺言によって相続した場合の申請書の様式・記載例
参照元:法務省(2016年1月時点、著者調べ)

不動産を遺産分割協議によって相続した場合の申請書の様式・ 記載例
参照元:法務省(2016年1月時点、著者調べ)

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、登録免許税の計算に必要になる書類で、土地や建物の固定資産評価額だけが記載されているものです。不動産所在地を管轄している市町村役場で書類を入手することができます。ちなみに登録免許税は、不動産の固定資産額の0.4%となっています。

No.7191 登録免許税の税額表|印紙税その他国税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

遺産分割協議の場合

遺産分割協議の場合には、上にあげた書類に加えて遺産分割協議書の添付が必要です。この書類には、相続人全員の印鑑証明を添付しなければなりません。

まとめ〜専門家も上手に活用しよう

相続人全員の確定や戸籍謄本を準備することは、思った以上に手間がかかります。また、相続登記の申請は法務局に行かなければならず、平日になかなか時間が取れなくて先延ばしにしてしまう…というケースも考えられます。その場合には、登記の専門家である司法書士などに依頼するのも手です。

手続きの内容や必要な書類は人によって異なるため、一概にどれくらいの費用がかかるかは実際に専門家に見積もりを出してもらう必要がありますが、簡単な相続登記の移転であれば数万円からしてくれるようです。

土地の相続手続きは、遺言書があるかないかでその手間が少し変わってきます。必要な書類も多く煩雑になりがちな土地の相続手続き。専門家に相談するのもよいですし、なんとか自分でしたい場合は最寄りの法務局に相談に行ってみてはいかがでしょうか。