扶養家族数や扶養義務履歴書の書き方|収入の範囲はいくら?

扶養家族数の欄が履歴書にあっても記入の仕方が分からないと「この人常識ないね」って思われてしまうかもしれません。また面接でそのことを聞かれても意味を分かっていないと答えられず恥をかくばかりか「不採用」となる可能性も否定はできません。生活の足しにするために面接に行って「常識人」と印象を与えることができれば採用される確率も高くなるでしょう。今回は扶養家族のことや扶養の範囲内で働く収入について解説します。



扶養家族数と履歴書

履歴書や面接において

今まで家事や育児に追われ専業主婦として頑張っていても、子どもが成長していくにしたがって塾などの教育費がかかるようになり、少しでも家計の足しにしようと社会に進出する場面が多くなっているといえます。経済界では景気の良い話がポンポン飛び出しはいますが夫の収入はそれほど変わらず、生活費はますます増えていくばかりです。

育児に専念する必要がなくなって空いた時間が増えれば「よし、パートで働こう」と意を決して書き始めた履歴書に次のような欄があり迷った経験はありませんか?

・通勤時間
・配偶者の有無
・扶養の義務
・扶養家族数

通勤時間や配偶者の有無は簡単ですね。通勤時間はおおよその時間を書けば良いですし結婚していれば配偶者は「有」、独身であれば「無」で間違いはありません。しかし「扶養」という言葉が出てきますとだんだんと怪しくなってしまうのではないでしょうか。言葉の意味をちゃんと理解していませんと書くことができないばかりか適当に書いてしまうと「この人は一般常識がないのでは?」と疑問を持たれてしまうことになりそうです。

採用担当者との言葉のやり取りも見当違いなものになり「やれやれ」とため息でもつかれたら泣きたくなってしまいそうですね。身なりをビシっとキメてきめても中身が伴っていませんとせっかくの面接も時間の浪費となってしまいます。

でも大丈夫。言葉の意味さえ分かっていれば何ていうこともありませんよ。決して難しいことでもありません。一家の主の助けになるように一緒に頑張っていきましょう。履歴書も面接もこわいことはありません。あとは夫の扶養の中で年収がいくらまでならOKならいいのか、というお金の問題さえクリアできればご主人も大いに助かるのではないでしょうか。

なぜ扶養家族数などを気にするのでしょう

採用担当は限られた時間の中であなたの人となりを判断しなければなりません。その材料になるのが履歴と面接しかないのですから担当者も今までの経験をフルに活用し、あなたが会社にとって有益なのか無益なのかを決めることになります。

雇うからにはそれなりの経歴や一般常識を兼ね備えた人の方が良いわけで、学歴や経歴は履歴書を見ればおおよそ判断がつきますが一般常識については面接の会話で判断することになります。採用担当者も長年やっていれば「この人は使える」とか「これはダメだ」と短時間の中でも分かるでしょう。

通勤時間は交通費に絡んできますので、あまり通勤時間が長いとそれだけ会社の経費を使うことになります。また雪が降ったりするなどで道路状況や電車の運行に差し支えが出るとそれも会社にとっては困ることになるといえます。また通勤時間は勤務時間の一部になりますのでその間何かトラブルでも発生し「労災」を使うようなハメになったらそれこそ問題でしょう。

配偶者については年齢との兼ね合いもありますが独身者は不利になることもあるようですね。何かわけでもあるの、と勘繰られてしまいそうです。また「配偶者」という用語が分からないとなりますとそれも常識に欠けると思われてしまうかもしれません。ちなみに「配偶者」とは結婚していればその結婚相手のことで、あなたが妻なら配偶者は夫ということです。

扶養の義務や扶養家族数についても一般常識と捉えられていますので、この意味を知らないと社会人として通用しないこともあり得ることです。その意味については次の項目でご説明しましょう。



扶養について

扶養の義務とは何でしょう

履歴書の「扶養の義務」について欄を記入するには「扶養」の意味を知らないと書けませんので「扶養」についてご説明しましょう。「扶養」とは簡単にいいますと「生活の世話をする」ことをいいますが生活の世話といっても介護とはちょっと意味合いが違います。「生活をしていけるように世話をする」という家計に関することをいいます。

つまりはあなたが妻で主婦であれば生活費は夫の収入で賄っていることになり、夫は扶養する立場の人であなたや子どもは扶養される立場となります。したがって「扶養の義務」は夫にあることになりますね。夫はあなたと子どもを扶養する義務があるというわけです。

中には夫がメインとなって家事や育児する家庭もあるでしょう。妻の収入で夫と子どもの生活の世話をするのであれば妻に「扶養の義務」があることになります。「専業主夫」という言葉もあるくらいですから妻が扶養する場合もあるかも知れません。

用語の使い方として「扶養する立場にある人」を「扶養者」といったりします。逆に「扶養される立場にある人」を「被扶養者」といいます。それと同じ意味で良く使われる言葉に「扶養家族」という用語がありますが以下に例文をご紹介しましょう。

・私の扶養家族は妻と子ども2人の3人です

どうでしょうか?何となくイメージが湧いてきませんか?「扶養家族」とは「扶養される立場の人たち」のことをいいますので「私の扶養家族」といういい方になります。もしあなたが主婦ならパートで働く場合は「扶養の義務」については「無」となります。なお「扶養家族」のことを「扶養親族」といったりもしますので覚えておくといいかも知れませんよ。

採用担当者はあなたに扶養の義務があれば、健康保険や厚生年金、雇用保険のことから家族手当や扶養手当といった手当の支給のことまで考えなければなりませんが、扶養の義務がなければ各種保険や手当のことは考える必要がありませんので気がラクになるでしょう。

扶養家族数とは何でしょう

さて「扶養の義務」が分かれば「扶養家族数」は簡単?でしょうか。仮にあなたが扶養される立場の人ならあなたや子どもは「被扶養者」であり夫の「扶養家族」であるということまでは良いですか?では質問します。

Q、あなたの扶養家族数は何人ですか?
A、0人です

例えば夫の収入であなたと子ども、両親まで面倒見ていてもあくまでも夫は「扶養者」でありその他の家族は夫の「扶養家族」ですからあなたには扶養している家族がいませんので答えは0人ということになります。「何人家族ですか?」と「扶養家族は何人ですか?」の意味の違いをハッキリしておきましょう。

たまにひねって質問される場合もありますので勘違いしないようにしましょう。では質問します。

Q、ご主人の配偶者を除いた扶養家族は何人ですか?

この質問はその家族構成によってさまざまですので即答はできませんが、以下の家族構成ならどうでしょう。

・ご主人(扶養者)
・妻(あなた)
・子ども2人

先ほどの答えは分かるでしょうか?そうです答えは2人ですね。質問は「配偶者を除いた」といっていますので「あなたは配偶者」ですから数に入れてはダメですよ。ではまた質問します。家族構成は同じですので間違えないようにしてくださいね。

Q、ご主人の扶養家族数を教えてください
A、3人です

そうですね。今度は「配偶者を除いた」とはいっていませんので答えはあなたを含めて3人となります。ただ「何人ですか?」と「家族数」といい方が違いますが同じ意味ですので焦らないようにしてくださいね。

おそらく質問はされないと思いますが「扶養家族」と「扶養親族」の違いも覚えてしまいましょう。

扶養家族と扶養親族

正しくは「扶養親族」

税法上では「扶養家族」といういい方はせず「扶養親族」といういい方になりますが、一般的には「親族」というよりは「家族」といった方が分かりやすいことから「扶養家族」といいます。たまに採用担当者があなたを試すために「扶養親族」などと質問してくることもあるかも知れませんので、少々難しくなりますが頑張りましょう。

扶養しているご主人のことを「扶養者」といいますが、所得税や住民税を納めている関係上「納税者」ということもありますので「扶養者=納税者」ということも覚えてしまいましょう。

・納税者に扶養親族がいる場合納税者の税負担が軽くなるように所得控除を受けることができ、これを扶養控除という

どうですか、かなり難しいでしょうか。納税者=夫のことと考え、控除については夫の給料から差し引くことができる金額とでもいい換えれば良いでしょうか。

・夫の収入で家族を養っている場合、その家族の数が多ければその分所得税や住民税を安くしましょう

これならだいぶ分かりやすくなったのではないかと思います。そこで「税金を安くすること」を「所得控除」といい、「家族の数だけ税金を安くすること」を「扶養控除」といいます。

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

配偶者は扶養親族には入らない

ちょっとビックリですね。妻は「扶養親族」には入らないのです。夫にとって妻は家族であることには違いはありませんが家族である前に「配偶者」という特別な存在として扱われていますのである意味、税法上の「特権」と考えれば良いでしょう。他の家族は「扶養親族」でなくなると税金を安くするための控除である「扶養控除」の適用がされなくなりますが、配偶者の場合は「配偶者控除」と「配偶者特別控除」という2段構えになっていますので他の家族よりは優位に立っていると思ってください。

以下に扶養親族の要件をご紹介します。国税庁の資料からの引用になりますので少々難しいかも知れませんが目を通すだけで良いと思います。

控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。

出典:

www.nta.go.jp
まず年齢条件があって、扶養親族になるには16歳以上でないとなれないことです。15歳以下の子どもたちは扶養親族ではないことになります。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

出典:

www.nta.go.jp
(1)にありますように「配偶者」は「扶養親族」ではない、ということと6親等云々と書いてありますが一般的には家族のことと考えても良いと思います。(2)については同居していれば良いですが、夫が単身赴任していても同居とみなされますので気にすることはないでしょう。(3)の収入の条件が厳しく収入は給与収入の場合は年収103万円未満という条件です。(4)については夫がサラリーマンである場合は関係ないことです。

したがって、家族構成が以下の場合の採用担当者の質問がちょっと間違っていますね。

・ご主人(扶養者)
・妻(あなた)
・子ども2人(ともに16歳未満)

Q、ご主人の配偶者を除いた扶養家族は何人ですか?

そもそもこの質問は間違いです。扶養家族と扶養親族の意味を理解していませんね。扶養親族には配偶者は入らないのですから「配偶者を除いた」というくだりは不要です。もちろん答えは0人です。16歳未満は扶養親族ではありません。

Q、ご主人の扶養家族数を教えてください

これも正解は0人です。採用担当者が分かっていないのかあなたを引っ掛けようとしているのか意図は分かりませんが、もしこの質問をされたら「16歳未満は扶養家族ではありませんし、私も税法上では扶養家族ではありませんので」と前置きするかそのまま3人というかその場の雰囲気で答えるようにしましょう。

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

健康保険の扶養では意味が違う

困ったことに扶養親族の解釈に2つあるのです。

・所得税の扶養
・健康保険の扶養

所得税の扶養では配偶者は扶養親族に入らないのですが健康保険の扶養親族には配偶者は入ってしまうことになります。日本年金機構では以下のように定めているのです。

《被扶養者の範囲》

被保険者と同居している必要がない者
・配偶者
・子、孫および弟妹
・父母、祖父母などの直系尊属

被保険者と同居していることが必要な者
・上記1.以外の3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

出典:

www.nenkin.go.jp
健康保険の加入者のことを「被保険者」といいますが「扶養者」や「納税者」と同じ意味だと解釈しても良いでしょう。単に保険料は税金ではないため「納税者」といわずに「被保険者」というのです。そしてなお頭が混乱してしまうのは健康保険については扶養家族や扶養親族といわず「被扶養者」といいますので、扶養家族や扶養親族といったら「所得税の扶養」のことを指すと思っても構わないと思います。

健康保険(協会けんぽ)の扶養にするときの手続き|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2016年1月、著者調べ)



妻の年収はいくらまで?

夫の扶養の範囲内で働きたいのであれば、ズバリ「年収100万円以下」なら住民税や所得税、健康保険料や年金まで一切の負担はありません。働いたらその分まるごと収入UPです。100万円を月額にすれば約8万3,000円です。時給1,000円で1日4時間働いて日給4,000円、月に20日ないし21日働く計算ですね。

多少住民税(年額3,000程度)を払っても良ければ「年収103万円」までならOKです。月額約8万5,800円で収めれば扶養の範囲内で働けますので年収100万円から年収103万円以内にしましょう。

これで履歴書欄は埋めることができますね。

・通勤時間:〇〇分
・配偶者の有無:有
・扶養の義務:無
・扶養家族数:0人

以上のように書けば完璧でしょう。

横浜市 よこはま市税のページ(Q5 パート収入と税金は…)
参照元:横浜市財政局主税部(2016年1月、著者調べ)

まとめ

いかがでしたでしょうか。扶養家族(親族)や扶養の義務などの知識は社会人なら持っている常識として考えた方が履歴書に限らず必要になるといえます。今まであやふやだった方もこれでスッキリしたのではないでしょうか。後は住民票の世帯主とか戸籍上の筆頭者とかの知識も身につけておくと良いかも知れませんよ。