【生活費の平均】3人家族で実例比較!節約の余地はどこにある?

生活費を節約しようと思ったとき、気になるのは平均的な生活費の支出です。うちはこれくらいだけど、他の家はどれくらいを目安にしているの?と気になる方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか?ここではいくつかの生活費の内訳を例として掲載し、節約の余地があるかどうかを検証していきたいと思います。



3人家族の平均生活費

1カ月の平均はおおよそ20万円

まずは、3人家族の家庭における生活費の平均を見ていきます。このデータは平成23年4月のデータになりますので、データとしては少し古くなります。

・食料費:43,540円
・住居関係費:51,360円
・被服・履物費:7,270円
・雑費1:62,690円
・雑費2:32,070円
・合計:196,930円

内訳は、食料費が食費全般、住居関連費が家賃等の住居費から水道光熱費、家具や家事用品等も含まれています。被服・履物費はそのままです。雑費1には医療費、交通・通信費、教育・教育娯楽費などになり、雑費2は交際費等のその他の消費支出を含んでいます。

また、同じ算出方法で平成14年から平成20年までのデータもありますので、参考までに掲載します。年度によって景気も変動し、多少の誤差はありますが、3人家族の平均的な生活費はおおむね20万円前後であることがわかります。下記の金額は、平成23年のデータで示した内訳と同じ項目を算出し、それぞれの年で合計した金額になっています。

・平成20年:208,090円
・平成19年:211,770円
・平成18年:202,660円
・平成17年:201,420円
・平成16年:219,440円
・平成15年:201,500円
・平成14年:196,970円

労務安全情報センター(人事院調査標準生計費データH14〜)
参照元:労務安全情報センター(2016年1月時点、著者調べ)

労務安全情報センター[ブログ] 日本の家計の棄損状況~平成23年4月の人事院世帯人員別標準生計費
参照元:労務安全情報センター(2016年1月時点、著者調べ)

生活費の平均は絶対ではない

ただ、生活費の平均値を示してはみたものの、これが全国の家庭がやりくりしている普通の金額、というわけではありません。上記のデータも、物価の高い都市部の家庭から、物価の低い地方の家庭まで、区別しないまま全部を合算しています。当然、物価の差で生じる分だけ生活費は多くなったり少なくなったりしますので、これを絶対的な基準にしてもいいものかは微妙なところです。

個人的には生活費の平均値というものは、統計的なデータとしてこのような数字が出ている、程度の認識でいいと思います。平均金額と比べてご自身の家庭の生活費が少ないからといって、特別に不安がったり心配したりする必要はありません。平均はあくまでも目安である、ということを理解しておいて下さい。



3人家族の理想的な生活費割合

生活費の節約は割合が重要

さて、平均値がただの目安でしかないのならば、私たちは何を頼りに生活費と向き合えばいいのでしょうか?生活費を節約したい!と思って家計簿をつけて生活費を割り出してみても、家計簿をつけてすぐのころでは生活費の問題点はあまりわかりません。長く続けられるかもわかりませんし、どうせならば、正解かそれに近い基準と見比べて、比較できるデータが欲しいところです。

また、ご家庭によって収入も様々ですから、具体的な金額を提示されても自分の状況と合致するかもわかりません。ご主人だけが働いている場合もあれば、夫婦共働きで日中は子どもを施設などに預けている場合など、家庭状況によって収入も支出も変わってきます。これが基準です、と金額を提示されたところで、節約の余地があるかどうかの感じ方は十人十色でしょう。

そこで生活費の無駄を洗い流し、節約したいと思う時に重要となってくるのが、生活費における理想的な割合です。ご自身の家庭における手取り収入から計算して、実際にどれだけのお金を使ってしまっているのか一目でわかりますし、参考にならない家庭の生活費と無理に比較する必要もありません。ご自身の家庭状況に合致した生活費の指標が出るため、節約の余地である贅肉ポイントもばっちり把握できます。

また、生活費の無駄を見つけるために、家計簿を1年単位の長期間に渡ってつけなくてもよい、という利点もあります。理想的な割合を知っていると、最低1カ月分の家計簿をつけることさえできれば、大まかにお金を使いすぎている部分は見えてきます。夏冬の冷暖房で使う電気や燃料代といった季節的な変動費はあるものの、それ以外の大部分は問題点を浮き彫りにでき、改善策を考えやすくなります。

生活費の黄金比率

肝心の生活費における理想的な割合ですが、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんという方が、生活費の黄金比率というものを考案しています。この比率は6,000人以上の家計を改善したという実績を持つ横山さんが、お金を持っている家に注目して提示した費目別の割合です。この割合を超えるようであれば、生活費の使い方を再考する余地がある、と考えた方がいいでしょう。

・住居費:25%
・食費:15%
・水道光熱費:6%
・通信費:5%
・小遣い:8%
・預貯金:18%
・生命保険料:4%
・日用品:2%
・医療費:1%
・教育費:4%
・交通費:2%
・被服費:2%
・交際費:2%
・娯楽費:2%
・し好品:1%
・その他:3%

かなり細かい分類になっていて、計算するのも少し大変そうですが、ご家庭の家計簿のつけ方に合わせて割合を足して計算するのもいいと思います。例えば、日用品と被服費と娯楽費とし好品とその他をあわせて『雑費』とし、10%として計算するなど、計算の仕方は工夫すると見やすくなるのではないでしょうか。

家計の黄金比率で貯まる!最初にアレを見直したら効果ありました
参照元:家計の黄金比率 参照(2016年1月時点、著者調べ)

黄金比率の計算例

例として、上記で示した平成23年4月における生活費の平均合計値を手取り収入とした場合の、理想的な生活費の金額を算出しました。細かい数字になりますので小数点以下は切り捨てて計算しています。参考にしてみてください。

※手取り収入196,930円の場合(小数点以下切り捨て)
・住居費:25%/49,232円
・食費:15%/29,539円
・水道光熱費:6%/11,815円
・通信費:5%/9,846円
・小遣い:8%/15,754円
・預貯金:18%/35,447円
・生命保険料:4%/7,877円
・日用品:2%/3,938円
・医療費:1%/1,969円
・教育費:4%/7,877円
・交通費:2%/3,938円
・被服費:2%/3,938円
・交際費:2%/3,938円
・娯楽費:2%/3,938円
・し好品:1%/1,969円
・その他:3%/5,907円

子どもの年齢別3人家族の理想比率

また、上記の黄金比率を考案した横山さんは、家庭の属性を5つに分けた理想的な費目比率も提示しています。多少上記の費目や比率とは異なりますが、数値変動はあまり大きくありませんので、どちらを参考にしても問題はないと思います。ここでは3人家族を想定し、夫婦と小学生以下の子どもがいる場合の理想割合と、夫婦と中高生の子どもがいる場合の理想割合をご紹介します。

※夫婦と小学生以下の子どもがいる場合
・食費:14%
・住居費:25%
・水道光熱費:6%
・通信費:5%
・こづかい:10%
・教育費:10%
・保険料:6%
・趣味・娯楽費:2%
・被服費:3%
・交際費:2%
・日用雑費:2%
・その他:3%
・預貯金:12%

※夫婦と中・高生の子どもがいる場合
・食費:15%
・住居費:25%
・水道光熱費:6%
・通信費:6%
・こづかい:10%
・教育費:12%
・保険料:6%
・趣味・娯楽費:2%
・被服費:3%
・交際費:2%
・日用雑費:2%
・その他:3%
・預貯金:8%

「理想的な支出の割合」を知ってしっかり貯蓄できる家計になろう!|家計再生コンサルティング|ザイ・オンライン
参照元:ZAiONLINE(2016年1月時点、著者調べ)

3人家族の家計簿実例検証その1

20代夫婦、子ども(2歳)の場合

生活費の理想的な割合がわかったので、実際の3人家族の生活費を例として計算し、節約の余地があるかどうかを検証して見てみましょう。まずは、26歳の旦那さんと奥さん、2歳になる娘さんがいるご家庭をご紹介します。奥さんは働きには出ておらず、旦那さん1人の収入となります。

※手取り収入は17万円
・家賃:56,000円
・光熱費:15,000円
・携帯(2台):20,000円
・保険料(車と医療):12,000円
・ガソリン代(2台):25,000円
・食費:30,000円
・こづかい:20,000円
・生活費合計:178,000円

生活費の内訳は大ざっぱであり、計算してみると手取り収入を少しオーバーしていました(170,000-178,000=-8,000円)ので、家計は8,000円の赤字になります。経済的に引っ越しは厳しいらしく、携帯料金は夫婦ともインターネットをよく利用し、ガソリン代は通勤で使用するため高くなっているようです。

理想金額とその差額

参考としたのは、夫婦と小学生以下の子どもがいる場合の、理想的な割合になります。費目の順番は変えず、内訳の表記も少し変更しています。表記は左から、費目:理想割合/手取り収入から計算した理想の支出額、という順で記載しています。また、一番右側の()内の金額は、『実際の消費額』から『理想支出額』を引いた差額になります。差額がプラスであれば実際の消費が高いということですので、赤字だと考えてください。

※手取り収入は17万円
・食費:14%/23,800円(+6200円)
・住居費:25%/42,500円(+13,500円)
・水道光熱費:6%/10,200円(+4,800円)
・通信費:5%/8,500円(+11,500円)
・こづかい:10%/17,000円(+3,000円)
・保険料:6%/10,200円(+1,800円)
・その他:22%/37,400円(-7,800円)
・貯蓄:12%/20,400円(-20,400円)

割合と同じような費目とするために、項目を若干変更しています。携帯料金は『通信費』とし、ガソリン代や細かく記載されていなかった部分を『その他』、あとは特別に記載がなかった『貯蓄』も割合から理想金額を算出し、計算して比較することにします。

全体的に消費が高く、要倹約

比較してみますと、全体的に理想的な金額よりも高い支出となっているのがわかります。その他とした消費はガソリン代が主で、大まかな計算だとしか言えないため、あまり参考にはならないでしょう。よって、その他を考慮に入れなければ差額はすべて赤字であり、それだけで理想的な生活費よりも約4万円(6,200+13,500+4,800+11,500+3,000+1,800=40,800円)も多く使って、生活を送っていることになります。

貯蓄も0ですから、これも赤字として合計しますと、赤字総額は約6万円(-40,800-20,400=-61,200円)となり、生活が厳しいのは無理もないと思います。ちなみに、貯蓄の差額はマイナスになっていますが、貯蓄だけは性質上マイナスが赤字、プラスが黒字として扱います。この例の場合、-20,400円は20,400円分貯蓄ができていないということですので、赤字とみなすことができるのです。

改善方法として、注目すべきは住居費と通信費です。これだけで理想金額から25,000円もオーバーしていることになります。住居費は引っ越しで解消されるでしょうが、費用がないとすぐにはできません。なので、携帯電話の料金プランを見直して、通信費を抑えることが必要となるでしょう。他にも、水道光熱費の節約ができるか確かめたり、余分な保険を解約したり、外食や旦那さんの小遣いを減らしたりなど、相応の努力が必要となるでしょう。

夫婦と子ども(小学生)の場合

続いて、夫婦共働きで小学生の子どもがいる3人家族になります。旦那さんの手取り収入が30万円、奥さんの手取り収入が15万円で、世帯の手取り収入は45万円になります。ただし、奥さんの収入はほとんどが貯蓄に回されているそうなので、実質旦那さんの収入を生活費としています。

※手取り収入は45万円
・住宅ローン:72,000円
・食費:30,000円
・燃料・雑費:20,000円
・娯楽:10,000円
・こづかい(夫):30,000円
・学校:10,000円
・学資保険:12,000円
・保険(夫):17,000円
・保険(妻):8,000円
・保険(子):5,000円
・習い事(子):26,250円
・携帯(3人):13,000円
・車保険(2台):9,200円
・CS・インターネット:8,000円
・水道:3,000円
・ガス:8,000円
・電気:5,000円
・NTT:1,700円
・NHK:2,200円
・貯蓄:140,000円
・生活費合計:430,350円

一つ目の例と違い、かなり細かく生活費を算出しています。貯蓄を含みましても、この試算では手取り収入の方が生活費よりも多い(450,000-430,350=19,650円)ので、約2万円の黒字計算になっています。

他にもボーナスはこの中には計算されていなかったり、季節による光熱費の変動もあったり、奥さんの収入がいつまで続くかわからないという不安があったり、という状況のようです。ざっと見る限りでは黒字なので問題がなさそうですが、懸念である奥さんの収入がなくなれば、ということをシミュレーションしてみましょう。

理想金額とその差額

では、この例を生活費の理想的な割合で計算すると、どうなるのか見ていきましょう。この例では、夫婦と小学生以下の子どもがいる場合の理想割合を当てはめ、計算しています。

今回も差額を算出して比較していきますが、費目が細かいので表記を変えたりまとめたりして、少し内容をすっきりさせました。それに伴い順番も異なっています。また、奥さんの収入がなくなった時に不安がある、ということから旦那さんの収入だけで計算し、奥さんの収入がないことを想定して貯蓄を0にしました。

※手取り収入は30万円
・食費:14%/42,000円(-12,000円)
・住居費:25%/75,000円(-3,000円)
・水道光熱費:6%/18,000円(-2,000円)
・通信費:5%/15,000円(+9,900円)
・こづかい:10%/30,000円(±0円)
・教育費:10%/30,000円(+6,250円)
・保険料:6%/18,000円(+33,200円)
・娯楽:2%/6,000円(+4,000円)
・その他:10%/30,000円(-10,000円)
・貯蓄:12%/36,000円(-36,000円)

表記の説明としまして、燃料・雑費は他に記載のなかった被服費などとともに『その他』に統合しました。次に、3人の携帯料金とCS・インターネット料金、NTT通信料、NHK通信料を『通信費』として記載しています。また、夫婦と子どもの保険料、車保険、学資保険は『保険料』にまとめています。最後に、学校と子どもの習い事を『教育費』、水道とガスと電気をまとめて『水道光熱費』と記載しています。

夫だけの収入では厳しい

見てみますと、奥さんの収入がなくなった場合、上記で差額がマイナスとなった黒字費目の金額を合計する(12,000+3,000+2,000+10,000=27,000円)と、約3万円となります。ただし、マイナスとなっている差額費目のうち、貯蓄の差額は黒字ではありませんので除いています。

対して、差額がプラスとなっている赤字費目の合計金額(9,900+6,250+33,200+4,000=53,350円)は約5万円ですので、このままで生活費の収支は約3万円の赤字(27,000-53,350=-26,350円)になります。しかも、この赤字には実質0円と計算した貯蓄の費目を含んでいません。

貯蓄は上記でも示しましたが、差額がマイナスとなってしまうと、その分貯蓄がないということですので、収支的には赤字とみなしています。全体の赤字から貯蓄の赤字を合計する(-53,350-36,000=-89,350円)と、実質約9万円の赤字になってしまいます。よって、奥さんの収入がなくなると、生活費は全体では約6万円の赤字(27,000-89,350=-62,350円)となってしまいます。

家計回復の鍵は保険料と通信費

ここから削る必要があるとすれば、まず大きく赤字になっている保険料でしょう。学資保険や車保険なども含んでいるため高くなったのかもしれませんが、一度契約内容を見直してみると不必要な保険料が見つかるかもしれません。特に旦那さんの保険と車保険は少々高いのではと思います。絶対に必要ということでなければ、車を1台にして負担を減らすのも検討した方がいいでしょう。

次に高いのが通信費です。子どもにも携帯電話を持たせていたり、CS放送の契約をしていたりしているためか、通信費が1万円ほどオーバーしています。収入が減ると決まってしまえば、携帯料金やインターネット料金の見直しや、CS放送の解約を考えた方がいいと思います。後は教育費で子どもの習い事を打ち切り、娯楽費を少し抑えると、旦那さんの収入だけでも理想割合での貯蓄も可能となりそうです。



3人家族の家計簿実例検証その2

40代夫婦と子ども(中学生)の場合

続いては子どもの年齢が上がります。40代の夫婦と中学生の子どもがいる3人家族の生活費の例です。ボーナスは住宅ローンの繰り上げ返済に充てているそうで、貯金が貯まらないのが悩みの種ということです。貯金は子どもの大学準備費、ご夫婦の老後を目的として行いたいそうです。

※手取り収入は40万円
・住居:93,000円
・光熱:23,000円
・通信:10,000円
・新聞・NHK:3,000円
・保険:38,000円
・教育:78,000円
・車:50,000円
・食費:45,000円
・日用品:10,000円
・小遣い:20,000円
・雑費:10,000円
・医療:8,000円
・交際:17,000円
・生活費合計:405,000円

住宅は分譲マンションで、ローン残高は1,000万円です。通信費が固定電話とインターネット、携帯電話が2台で、保険料は夫婦の生命保険と学資保険の合算になります。教育費は授業料や諸費用、通学用の定期代と習い事を含み、車は駐車場代と車検、税金、ガソリン代も含んでいます。日用品は美容費を、医療費はコンタクト代を、交際費は年1回の帰省にかかる費用も含んでいます。また、年払いになる税金等は月割にして合算しているとのことです。

奥さんは教育費と車費が高いとは思っているようですが、教育費は子どもに残せる財産がないため習い事はさせておきたい、と思っているそうです。車費は旦那さんの強い希望があり、対立したこともあるそうですが今の状態を維持しているようです。

が、生活費全体を合計してみますと、生活費が手取り収入より5,000円ほどオーバーしており(400,000-405,000=-5,000円)、収支は赤字となっている状態です。何かしらの改善策を講じる必要はあるでしょう。

理想金額とその差額

では、こちらの生活費を理想の割合に当てはめると、どのようになるでしょうか?今回は夫婦と中・高生の子どもがいる場合の理想割合を参考にして計算します。貯金ができないというご家庭の家計は、どうなっているのでしょうか?実消費と理想金額との差を比較してみましょう。

※手取り収入は40万円
・食費:15%/60,000円(-15,000円)
・住居費:25%/100,000円(-7,000円)
・水道光熱費:6%/24,000円(-1,000円)
・通信費:6%/24,000円(-11,000円)
・こづかい:10%/40,000円(-20,000円)
・教育費:12%/48,000円(+30,000円)
・保険料:6%/24,000円(+14,000円)
・交際:2%/24,000円(-7,000円)
・日用雑費:2%/24,000円(-4,000円)
・その他:8%/32,000円(+26,000円)
・貯蓄:8%/32,000円(-32,000円)

こちらも表記を多少変更しています。通信と新聞・NHKと表記されていた費目は『通信費』で、日用品と雑費は『日用雑費』で、車や医療費は『その他』で統合しました。また、記載のなかった費目の割合は『その他』の割合として算出しており、『貯蓄』は記載がなかったので0円として扱っています。

トータルの赤字は約4万円に

差額を見てみますと、理想割合の金額と比較して黒字となっていた費目、つまりマイナス表記になった費目の金額の合計(15,000+7,000+1,000+11,000+20,000+7,000+4,000=65,000円)が約6万円です。こちらも前述と同じく、マイナス表記ですが赤字としてみなされる貯蓄は含んでおりません。

逆に、赤字とみなされるプラス表記となった費目の金額を合計する(30,000+14,000+26,000=70,000円)と、ちょうど7万円になりました。ただし、この計算も貯蓄を赤字に含んでいません。もしも貯蓄を赤字として計上するのであれば、赤字は全体で約10万円(-70,000-32,000=-102,000円)となり、トータルでも約4万円の赤字(65,000-102,000=-37,000円)になってしまいます。これでは貯蓄はできないでしょう。

ネックは教育費、保険料、車費の3つ

この家計の問題ははっきりしています。すなわち、教育費、保険料、そして車費です。他の費目では手取り収入からしたら低く抑えられていますので、急いで改善する必要はありません。貯蓄を増やしたいと思うのであれば、やはり大きく赤字になってしまっているこの三つの費目をどうにかするしかなさそうです。

とはいえ、無理に貯蓄をしようと思えば、ご夫婦が維持したいと強く希望している教育費と車費を削ることになりそうです。貯蓄を諦め、月額の赤字だけを解消するのであれば、保険料を見直せば余裕が出てくるかもしれません。それ以上の成果を求めるのであれば、教育費と車費に目を向ける必要があるでしょう。

30代夫婦と子ども(高校生)の場合

最後は子どもが高校生になったご家庭の生活費の例をご紹介します。夫婦は共働きで、37歳の旦那さんは公務員、34歳の奥さんは会社員であり、子どもは16歳の高校一年生のご家庭です。家計は赤字がでてしまい、高い買い物は貯蓄から一括購入するなどして、貯蓄がしにくい状況のようです。また、奥さんは1年後に退職予定で、子どもの将来的な大学の学費も心配があるそうです。

※手取り月収は51万円
・住宅ローン:77,000円
・その他ローン・クレジットの返済:11,000円
・水道光熱費:20,000円
・電話代:22,000円
・食費:100,000円
・教育費:50,000円
・教養娯楽費:27,000円
・日用雑貨・被服費:80,000円
・雑費:25,000円
・その他の支出:63,000円
・生命保険料:10,000円
・自動車保険料:3,000円
・積立貯蓄:110,000円
・その他の貯蓄:50,000円
・レジャー費:25,000円
・生活費合計:673,000円

このご家庭では他に、年単位の支出が提示されていましたが、月割にして1カ月の支出に合算しました。固定資産税を住宅ローンに、レジャー費とその他の支出はそのまま月割にして計算しています。

ここではボーナスは含んでいませんが、生活費全体を合計してみますと、これだけで約16万円も赤字(510,000-673,000=-163,000円)になっていました。では、こちらの生活費はどこに問題があるのでしょうか?

理想金額とその差額

こちらも夫婦と中・高生の子どもがいる場合の理想割合を当てはめ、生活費の理想支出を算出してみます。全体的にもかなりの赤字になっていましたので、個別に比較するとより生活費の問題が浮き彫りになると思います。

※手取り月収は51万円
・食費:15%/76,500円(+23,500円)
・住居費:25%/127,500円(-50,500円)
・水道光熱費:6%/30,600円(-10,600円)
・通信費:6%/30,600円(-8,600円)
・教育費:12%/61,200円(+15,800円)
・保険料:6%/30,600円(-17,600円)
・趣味・娯楽費:2%/10,200円(+14,800円)
・雑費:5%/25,500円(+79,500円)
・その他:15%/76,500円(-2,500円)
・貯蓄:8%/40,800円(+119,200円)

その際、費目の表記を大幅に変更しました。住宅ローンは『住居費』に、電話代を『通信費』に、教育費と教養娯楽費は統合して『教育費』に、生命保険料と自動車保険料は統合して『保険料』にしています。またレジャー費は『趣味・娯楽費』に、日用雑貨・被服費と雑費を統合して『雑費』に、その他の支出とローン・クレジットは『その他』で統合し、積立貯蓄とその他の貯蓄は『貯蓄』でまとめています。

赤字なのに出てくる謎の貯蓄

差額を計算してみますと、表記がプラスとなっている赤字費目の合計(23,500+15,800+14,800+79,500=133,600円)は約13万円、表記がマイナスとなっている黒字費目の合計(50,500+10,600+8,600+17,600+2,500=89,800円)は約9万円になりました。こちらの計算では、まだ貯蓄を計算に入れていません。貯蓄を無視した収支ですと約4万円の赤字(89,800-133,600=-43,800円)になります。

さて、ここで不思議なのは貯蓄の金額です。貯蓄の理想割合から算出した理想金額(40,800円)を黒字とみなし、上記の赤字収支と合計しますと、3,000円の赤字(40,800-43,800=-3,000)になります。この3,000円の赤字は手取り収入である51万円で賄えなかった、1カ月分の生活費における赤字金額になります。なので、貯蓄しづらいという状況も納得できます。

しかし、実際に1カ月の消費として貯蓄に回されている金額は、理想金額よりもさらに高い金額です。具体的には、差額としてプラスの表記がされている119,200円が、理想金額の40,800円に加算されて計上されているのです。手取り収入である51万円は消費されつくし、赤字も3,000円ですが出ているにもかかわらず、どこに119,200円も貯蓄に回せるお金があるのでしょうか?

『ボーナス』という落とし穴

その答えは、ボーナスです。このご家庭では夫婦ともに働いており、旦那さんが公務員で奥さんが会社員でした。なので、旦那さんは120万円、奥さんは52万円と、年間にしてそれなりの額のボーナスが支給されています。つまり、結構な額になる謎の貯蓄だった119,200円は、このボーナスから捻出していたのです!

今までの実例では1カ月の理想的な生活費を計算してきましたので、あえてボーナスに触れませんでしたが、このご家庭ではこのボーナスこそが重要な要素になります。月間支出の他に、このご家庭では年単位の支出として住宅ローンのボーナス払いがあり、50万円を支出していました。これにより、まず奥さんのボーナスである52万円は一気に消し飛びます(520,000-500,000=20,000円)。

そこで残ったのは、謎だった貯蓄と旦那さんのボーナスです。謎貯蓄は1カ月分でしたので、旦那さんのボーナスと比較するために1年間の金額に直しますと、約140万円(119,200×12=1,430,400円)になります。もうお気づきですね?謎貯蓄をボーナスで捻出したとしても、残ったボーナス残高(1,200,000+20,000=1,220,000円)では足りず、年間で約21万円も赤字になってしまう計算(1,220,000-1,430,400=-210,400円)なのです。

さて、そうして現れた年間赤字を月々ごとの赤字として計算しますと、だいたい17,500円(210,400÷12=17533円)になります。これと元々の月間赤字だった3,000円を合計(-17,500-3,000=-20,500円)して算出された総合的な月間赤字は、約2万円ということになります。この約2万円こそが、このご家庭が貯蓄できなかった理由だったのです!

浪費傾向が原因の可能性あり

結果として赤字になっていた原因は、おそらくこのご家庭はずっと収入の金額だけに着目していたため、『自分の家には余裕がある』という思い込みがあったからだと思います。それが月々の消費を高くしてしまい、豊富な収入をも上回る支出を毎月叩き出し、知らないところで赤字を継続させていた、という悲劇を生んでしまったのでしょう。

それに気づかないまま、貯蓄を無理やり維持して生活費に組み込みますと、月々約2万円の赤字を抱え続けることになります。なので、毎月貯まっているはずの貯金を、逆に切り崩していかなければ生活水準の維持ができなくなってしまうのです。ボーナスという巨額な収入が招いた、大きな誤算ということですね。

改善の余地があるとすれば、ほとんどが娯楽関係になってくるでしょう。赤字になっていたのは食費、教育費、趣味・娯楽費、雑費の項目です。食費は外食を控えれば抑えられ、教育費は教育娯楽費を削れば大丈夫です。趣味・娯楽費は年間支出に計上されていましたが、やはり抑え気味にする必要があるでしょう。雑費は、おそらく被服費やその他の余剰支出で高くなっていると思われます。それらを我慢すれば、生活費の黒字も夢ではないでしょう。

傾向として、このご家庭では収入やボーナスが高いという余裕からか、高い生活水準が普通となってしまっています。よって、節約するという意識が低くなくなっている可能性が高いといえます。固定費はおおむね理想よりも下回っていますが、変動費が大きく赤字になっているのが証拠でしょう。一度大きくお金の使い方を見直した方がいいと思います。

まとめ

4つの生活費の実例と、計算で浮かび上がった問題を検証してみましたが、赤字傾向にはそれぞれ特徴があったように思えます。収入に見合わない固定費の支出の高さや、逆に余裕があるからと変動費にお金を使いすぎているなど、問題は個々の家庭で大きく異なっています。このことからも、生活費の平均で算出された金額が、目安でしかないことがわかると思います。

そして、今回検証したように、ご家庭の生活費の問題を見つけるのに効果的なのが、ご家庭の生活費を明らかにすることです。たとえ1カ月でも家計簿をつけることさえできれば、ご自分の家庭にある生活費の問題点の特徴も浮き彫りになってくるでしょう。今は苦しくても、問題点さえ見つけることができれば、収入を増やさなくても貯蓄ができるようになるかもしれません。

特に、3人家族のご家庭では子どもが小さいころに貯蓄することが非常に重要です。子どもが成長するにつれて食費や教育費などがどんどん上がっていき、気づいた時には貯蓄する余裕がなくなっていた、なんて事態になりかねません。ご自分が金銭的な苦労をしないために、何より子どもに金銭的な苦労を背負わせないために、生活費の節約は賢く行いたいものですね。