雇用保険被保険者資格取得届を出して失業保険に加入する時の手順

「雇用保険被保険者資格取得届」とは雇用保険の被保険者であるという資格を取得するための届けです。でも具体的にはどんな意味なのでしょう?また、どこで入手できるのでしょう?紛失した場合は、どこでどんな手続きをすれば良いのでしょう?素朴な疑問全てに答えたいと思います。



雇用保険について

雇用保険って何?

雇用保険は、すべての働く人に加入が義務付けられている労働保険の一つです。労働保険には労災保険と雇用保険の二つがあります。

労災保険は、就業中の事故による怪我などの治療にかかった費用を賄ってくれます。また怪我や病気で働けなくなった場合は、その間の補償もしてくれます。仕事が原因の怪我や病気に備える有難い保険です。

雇用保険は、仕事を辞めてしまったときのための保険です。在職中に保険料を支払っている加入者が、自己都合でも会社都合でも離職したときの備えとなります。そして、次の仕事が見つかるまでのあいだ、生計の維持の役を担ってくれます。これまた有難い保険です。

雇用保険は、またの名を失業保険とも言います。失業したときのために備える保険なので、失業保険のほうがわかりやすい人もいると思います。ただ正式名称は雇用保険となり、失業保険は通称です。

在職中は雇用保険に加入します。加入者を被保険者と呼びます。ですから雇用保険に加入している人を、雇用保険被保険者と呼びます。加入することで、被保険者としての資格を取得することになります。

雇用保険の恩恵

雇用保険の被保険者は、失業して次の仕事が見つかるまでの間、雇用保険の給付金を受け取ることができます。いわゆる失業保険をもらうことになります。

すぐに次の仕事が見つかれば、失業保険をもらうこともないし、その手続きも必要ありません。すぐに見つからない場合は、速やかに失業保険、すなわち給付金を受け取る手続きが必要です。

自分の都合で離職する場合もありますが、リストラや倒産など会社のやむ得ない事情によって離職せざるを得ない場合もあります。そんなときは次の仕事を探して見つかるまで時間がかかることも想定されます。

そういったときに、今までもらっていた給与の額ほどではないけれど給付金を受け取れるのは大変助かります。

給付金の額

給付金の金額ですが、過去六カ月の給与の総額をもとに計算されます。様々な条件により計算するため、人によって異なります。目安としては、給与の40~80%程度が支給されると思えば良いでしょう。

給付金の額を決めるにあたって、計算に使われる数字は下記の通りです。

・雇用保険への加入年数
・過去六カ月間の給与
・離職した年令

これらの数字をもとに計算されていきます。加入年数が長い方が、長い期間受け取れます。また離職した年令が上のほうが、長い間支給されるようです。

この他に、離職した理由により給付日数は変わります。大まかには自己都合、会社都合の二つに分かれます。加えて特定理由離職者というのもあって、やむを得ない理由による離職と判断される場合もあります。その場合も給付日数が自己都合より長くなることがあります。

ハローワークインターネットサービス – 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
参照元:ハローワークインターネットサービス(2016年1月著者調べ)

雇用保険に加入するには

今は辞めるつもりがなくても、雇用保険の恩恵を知れば、加入したいと思いますよね。雇用保険はすべての働く人を対象にしています。ただパートのように労働時間数が短い場合はどうなのでしょう。

実は加入に際しては条件を満たす必要があります。条件は次の2点になります。

・週の所定労働時間が20時間以上
・31日以上働く見込みがある

ですから労働時間数、すなわちどのぐらいの時間働いているのかが鍵になります。ですからフルタイムの人はもちろん、パートやアルバイトでも、この条件を満たす人なら加入の対象となるわけです。

週に20時間以上と言うと、週に3日以上ぐらいが目安でしょうか。時間数をあらためて確認してみて下さい。所定労働時間が20時間を越えていれば良いので、多少波があって少ないときがあっても可能性はあります。

扶養に入っていても、雇用保険には加入できますので、加入できるようだった検討してみて下さい。10年20年と長い間パートをしていると、雇用保険の恩恵もなかなか捨てがたいものがあります。

雇用保険、加入の確認

パートで働いている人の中には、自分が加入しているかどうかがわからない人もいるかもしれません。まずは知ることが第一歩ですね。その手段は三つです。

・給与明細で確認する。雇用保険が天引きされていたら加入しているはず
・雇用保険に加入時に渡される「雇用保険被保険者証」を持っている
・直接、自分の加入をハローワークに問い合わせる

雇用保険の窓口はハローワークになります。ですから一番確実で間違いがないのがハローワークで直接確認することです。これは確認照会と呼ばれているそうです。

最寄りのハローワークに行って、書類を提出します。書類は「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」と言います。これは郵送でも受け付けてくれるそうです。

雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月時点、著者調べ) 雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!について紹介しています。



雇用保険被保険者資格取得届はいつ必要?

どんなときに必要?

雇用保険に加入するとして、雇用保険被保険者資格取得届はいつ、どんなときに必要になるのでしょう。

被保険者とは保険加入者になります。資格取得ですから、今まで雇用保険に入っていなかったけど、これから加入して被保険者としての資格を取りたい人が対象になります。

ですから、今から雇用保険に加入したいときに提出する書類となります。自分が加入条件を満たすようでしたら、ぜひ職場の人と相談してみましょう。

加入できそうなら

加入条件は2点でした。週20時間以上と31日以上ですね。

週20時間以上というのは、厳密には「一週間の所定労働時間が20時間以上であること」と定義されています。

パートの場合、週20時間以上の週もあれば、それ以下の週もある人もいるかもしれません。例えばほとんどの週は20時間以上なのに、ときどき20時間未満という人もいるでしょう。時間数の数え方については、頭を悩めるところです。

そういうときや、その他いろいろと不明な事があるときは、相談の窓口があります。ハローワークは全国にありますので、訊ねてみるのも良いかもしれません。

~労働者の皆様へ~雇用保険に加入してますか
参照元:厚生労働省(2016年1月著者調べ)

どこから取得届を入手するの?

相談だけではなく、雇用保険の手続きもハローワークが窓口になっています。会社を通じて、ハローワークに書類を提出することになります。ですからまずは会社の人に訊ねてみて下さい。

雇用保険被保険者資格取得届の用紙は全国の最寄のハローワークでも入手できますが、ネット上からでもダウンロードが可能です。企業の人事部などには常備されていると思います。

また電子申告も可能になっています。入力フォームがありますから、必要事項を記入していきます。人事部の人には便利で良いですね。

ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意
参照元:ハローワーク(2016年1月時点、著者調べ)

提出義務

このように「雇用保険被保険者資格取得届」は、働く人が雇用保険における被保険者としての資格を取得するための届け出を行うための用紙となります。一言で言うと、加入の申告書ですね。

雇い主はこの「資格取得届」をハローワークに提出する義務があります。その人が被保険者となった日の属する月の翌月10日までに提出する必要があります。

ですから、もしあなたが1月5日に被保険者となったら、雇い主は2月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。

雇う側の義務

雇用保険などの労働保険は、働く人のためにある保険です。そのため、会社が労働保険に加入するのは、人を雇い始めてからとなります。

仮に新しい会社などで、あなたが初めて雇用される人になることもあるでしょう。またそれまで、労働保険に入ったことのない事業所もあるかもしれません。そんなときには、まず事業所が労働保険に加入する必要があります。

また、労働保険に入ることによって、事業主には次のような負担が生まれます。

・労災保険の保険料の全額負担
・雇用保険の保険料の一部負担
・雇用保険の加入・脱退の手続き

人を一人でも雇う際には、事業主はこのような義務を負う事になります。参考までに覚えておくと良いかもしれません。

こんなケースだって考えられます

ついうっかり・・・は人間だったら誰にでもあることです。だから人事の人にもついうっかりが絶対にないとは言えません。仮についうっかりで、「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出するのを忘れたまま、雇用保険料だけ天引きされていたらどうなるのでしょう?

こんなときに備えて、さかのぼって加入することが可能です。期限はありますが、二年以内までさかのぼる事が出来ます。

もちろん、それ以外の理由で手続きが遅れてしまったり、忘れてしまったりすることがあるでしょう。そんなときは、二年分と思い出して下さい。その間、在籍していたことが証明できれば、さかのぼって加入手続きができるそうです。

また、もし本当に「保険料はしっかり天引きされてたのに、雇用保険に加入手続きがまだだった」場合など、諦めることはありません。理由によっては二年を越えてもさかのぼることが可能だそうです。

こんなことは滅多にないとは思いますが、万が一そうなってしまった場合は、最寄りのハローワークに相談するのが良いようです。

2年を越えて遡って。雇用保険の加入手続きが出来るようになりました
参照元:厚生労働省(2016年1月著者調べ)

届出後の流れ

被保険者証と通知書

資格取得の届け出が済むと、加入手続きが進みます。手続きが完了し、加入者になると二つの書類がハローワークから会社に交付されます。

・雇用保険被保険者証
・雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)

この二つがどういうものか、更に詳しく見ていきましょう。

雇用保険被保険者証

正式に雇用保険に加入していることを証明する書類です。名刺サイズのカードで、二つ折りになっている場合が多いようです。

本来はこの被保険者証は本人が大切に保管すべきものです。しかしながら、在職中は特に見ることもないせいでしょうか、紛失する人が後を絶たないようです。そこで会社が一括して保管するケースも多いようです。

ですから自分の手元にない方は、会社で保管されているかもしれません。まずは雇い主等に確認してみて下さい。

雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知書)

このように雇用保険被保険者証は、その保管先が本人だったり会社だったりすることから、より確実に本人に知らせるために通知書も同時に付いてきます。

ですからこれは被保険者に資格を取得しましたよ!すなわち、雇用保険に加入したことを本人に告げるための書類となります。

こちらは会社が保管ということはありません。必ず本人に渡されるものとなります。氏名、生年月日はもちろん、資格取得年月日などが記載されていますので、内容に間違いがないか確認するようにしましょう。

紛失した場合は?

雇用保険被保険者証を紛失した場合は、再発行の手続きを取ることになります。再発行もハローワークで行います。

雇用保険被保険者証再交付申請書という用紙があります。こちらもネット上からの手続きが可能です。用紙をダウンロードすることも、フォームに入力して申請することが可能です。

ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意
参照元:ハローワーク(2016年1月時点、著者調べ)



加入すると

加入すると、保険料を負担することになります。

保険料ですが、働く人と雇い主が支払います。働く人は、給与の5/1000になります。ですから給与が月10万円の人は、500円を払うことになります。でも毎月500円だったら、大した負担でもないので安心ですね。

雇い主は8.5/1000を負担します。ですから毎月850円を保険料として支払うことになります。合わせた金額を保険料として納入することになります。

納めた保険料は、給与明細にも雇用保険保険料として記載されます。

まとめ

雇用保険被保険者資格取得届という長い名前ですが、雇用保険に加入するための届出用紙と覚えておけば良いと思います。

加入するためには、この届出が必要なこと、そして被保険者証が来たら大切に保管することが肝心です。そして雇用保険の窓口がハローワークであることもぜひ覚えておいて下さい。

雇用保険は「転ばぬ先の杖」「備えあれば憂いなし」です。強制加入保険のせいか、保険料も気にならない程度の少額であることが嬉しいですね。

働く毎日に必要な知識として、お役に立てれば幸いです。