外貨預金は本当にお得なのか?外貨貯金を徹底検証する。

金融機関で勧誘される外貨預金は果たして本当にお得なのか?メリットとデメリットを、専門用語をなるべく省き簡単解説します。さあ、あなたにとってはどっちだ?



低金利だからこそ外貨?

定期預金としてお金を預けても、ほとんど利息はつきません。さらにそこから税金が引かれれば、果てしなく零に近いのがゼロ金利です。日銀からマイナス金利の発表がありましたが、特に私たちが金利を払うということはなく、銀行の定期預金は依然として現状維持、つまり「ほぼゼロ金利」という状況です。こんな時は、株や債券、投資信託などの他の運用方法も検討してみる必要があります。

さて、皆さんは、銀行の窓口で「外貨預金」を勧められた経験はないでしょうか。銀行で金利が低いということを口にすると、銀行側はたいてい投資信託、そしてこの外貨預金を勧めるはずです。銀行側としては、お客さんを証券会社に取られたくないという思考がありますから、なるべく銀行の取り扱い商品の中から金利の良いものを勧めることになります。その中の一つがこの外貨預金です。

今回は、外貨預金の中身から、金利が低いから外貨預金を勧められたけど本当にお得なの?という疑問まで、外貨預金について徹底的かつあまり専門用語を使わずに解説させていただこうと思います。

はじめての外貨預金 : 三井住友銀行
参照元:三井住友銀行(2016年2月、著者調べ)

外貨預金とは −やさしい外貨預金教室− | 新生銀行
参照元:新生銀行(2016年2月、著者調べ)

みずほ銀行:外貨預金とは
参照元:みずほ銀行(2016年2月、著者調べ)

外貨貯金ってどんなもの?

外貨預金とは、その名の通り外貨で預金することです。普通の預金が円で、外貨預金は外貨での預金です。円を預ければ自動的に外貨に返還されて預金されるのではなく、金融機関に表示されている外貨購入レートによって外貨を購入し、その外貨を預金として預けるのが一般的な方法です。

外貨預金は日本の円預金より金利が高く設定されています。外貨ですから、その貨幣の国に金利が準じています。ですから、2%や4%といった高い金利でお金を運用することができます。また、預金ですから、100ドル預ければ、基本的に100ドル受け取れるというメリットがあります。これが株であれば常に値動きして100ドルのものが80ドルになることもありますが、外貨で行いますがあくまで預金ですので、預けたお金が100ドルであれば、100ドルはあくまで100ドルです。この預り金に利息がつくわけです。外貨というだけで、後は日本円の預金と同じように考えれば分かりやすいと思います。

ただし、外貨預金には外貨ゆえの特徴があります。

金利は高いけれど、解約時に外貨を日本円の買いレートに従って換金する必要があります。貯金時に外貨を買ったら1ドル100円だったのに、預金を解約して外貨を日本円に変換する時は1ドル80円だった、これではマイナスですよね。長期運用して利息をたくさん受け取っていればその分、為替のリスクを跳ね返せるだけの金額になるのでメリットがありますし、純粋に高い金利で運用したい、為替が自分に有利に動いた時に積極的に換金したいという方には向く運用方法です。

FXとは違うの?

FXと外貨預金では異なっています。外貨預金は外貨を「預金する」ことで、日本円の預金より利息を多くもらうことも主たる目的とした金融商品です。性質は投資性より預金性の方が強いと言えます。

外貨預金は預けることにより利息をもらうこと、おして預けることによってお金を保存することが目的です。しかしFXは為替の値段の変動を利用し、積極的に売り買いして利益を得ることを目的としています。同じ外貨商品ですが、投資性の強さ、売り買いへの積極性、所持の目的が大きく外貨預金と異なっています。

FX=外国為替証拠金取引ってなに | 1.FXとは | 入門講座:楽天 FXビギナーズガイド | 楽天 FX | 楽天証券
参照元:楽天証券(2016年2月、著者調べ)

FXとは|FXの基礎知識|FX(外国為替証拠金取引)|ひまわり証券
参照元:ひまわり証券(2016年2月、著者調べ)

お得だと聞くけど本当?

外貨預金はお得だと、銀行の窓口ではよく勧められます。かく言う筆者も、銀行の窓口に手続きに行ったら外貨預金は利息が高くてお得だと勧められました。

お得かどうか?という問いに一言で答えるなら、「人それぞれ」です。

人それぞれお金に対する考え方が異なりますし、所持しているお金をどのように運用したいかが異なっています。暫く置いておけるけれど、為替リスクは嫌!という人にとっては、外貨預金はお得ではないことになります。また、近い内に学費や家の頭金としてそのお金を使うという人にとっても、日本円に変換する時に為替リスクと手数料がありますから、危ない橋と言えるでしょう。こういった人にはまったくお得ではないことになります。対し、暫く置いておける使途が決まっていないお金で、100ドル預金したなら100ドル返ってくるという方法が良い、利息をとにかくたくさんもらいたいという人にとってはお得な方法になるでしょう。

お得かどうかは人によります。金融機関は特に金利の高いものをお得と言って勧める傾向にあります。お得かどうかは金融機関が決めるのではなく、あなたが決めることです。ですから、「お得」という言葉に惑わされないようにしましょう。



外貨預金で運用するメリット

外貨貯金のメリットは、金利の高さと為替の売却益は当然として、預金ですから10,000ドルを運用し1年で利息が4%ならその利息が加算された分にきちんと増えるというメリットがあります。通貨は異なりますが、日本円の定期預金と同じように考えれば分かりやすいでしょう。

利息が高い!

まず、外貨預金の魅力は、何と言っても金利の高さです。日本が金融機関の預け金に対してはマイナス金利、預金はほぼゼロ金利であるのに対し、外貨預金はそれぞれの通過の国に金利が準じますから、外国の高い金利で運用することができます。金利はそれぞれの国で異なりますが、2%から4%くらいだと考えればいいでしょう。いかがでしょう、日本の金利より遥かに高いなあ?と思われませんか。

豪ドル|外貨預金の金利一覧|MONEYKit – ソニー銀行
参照元:ソニー銀行(2016年2月、著者調べ)

為替の売却益が入る?

外貨預金は日本円を外貨に換えて預金しますから、途中で為替が自分に有利に動いた時に解約して売却し、為替変動による利益をどんと得ることができます。また、預金期間終了後も、同じ通貨の債権や預金でさらに運用し、もっと利息を得ながら、為替が有利に動くまで利息を積み重ねながら待つこともできます。

決まった額に増える!

預金ですから、100ドル預ければ、その100ドルが価格変動を起こすわけではありません。100ドルは100ドル、預け金自体は変わりません。預けたお金がそのまま返って来て、預けたお金の上に利息が積み重なっていく。これが外貨預金の基本です。日本の預金と同じように考えればいいですよ。

途中解約できる

外貨預金は何時でも引き出し可能です。外貨預金は一般的に1カ月から1年くらいの満期のものが主流ですが、途中解約できることも多いです。それって当たり前じゃない?と思われるでしょう。しかし、外国の銀行の定期預金は途中解約できないということも多いのです。純粋に金利が高いから外国の銀行を利用しても、手続き面が日本と違っていて困ることも!

日本で行っている預金は、普通預金、定期預金、外貨預金、ともに途中で引き出すことができることも多く、臨機応変かつ流動的な資産運用が可能です。

外貨定期預金の中途解約について|外貨預金|MONEYKit – ソニー銀行
参照元:ソニー銀行(2016年2月、著者調べ)

外貨貯金のリスク

外貨貯金は為替が変動するリスクと、買い売りの時に手数料が発生するリスク、そして円預金との大きな違いである預金保険制度の対象外というデメリットがあります。金利は確かに円預金より高いですが、デメリットも大きいのでよく考えて運用する必要があります。

為替リスクがある

通貨の値段は常に変動しています。購入時が1ドル100円だったのに、売却時は1ドル90円なんていうことも珍しくありません。外貨預金は円で預けるのではなく、銀行の窓口で外貨を購入してその外貨を預けることになります。10万円分のドルを購入して預けたのに、引き出す時に円に変換したら為替の変動で8万円にしかならなかったということも有り得ますので、運用するにあたっては為替相場を注視する必要があります。

野村證券 | 為替リスク(証券用語解説集)
参照元:野村證券(2016年2月、著者調べ)

手数料リスクがある

為替の売買には手数料が必要になります。純粋に為替が購入時より高くなっている、すぐに円に換金しようとしても、結果的に預けた時よりマイナスになっていることもあります。なぜかというと、手数料分を考えていなかった、ということです。為替が有利に動いた時、購入時より高くなったからすぐに売るではなく、手数料を含めて利益が出るかどうかを考える必要があります。外貨預金を手続きする時に、手数料を含めて利益が出る外貨の値段を計算してメモしておくのが良いでしょう。損益分岐点をはっきりと自分で把握しておくことは重要です。

預金保険制度の対象外

日本円の定期預金は金融機関が破綻しても、普通の日本円の預金は基本的に1金融機関に対し1,000万円とその利息まで保護されます。しかし、外貨預金はこの制度の対象外です。外貨預金は800万円分で金額的には制度保護金額内であっても、制度対象外として保護されませんのでご注意ください。

預金保険制度の概要 : 預金保険機構
参照元:預金保険機構(2016年2月、著者調べ)



外貨預金の手続き方法

外貨預金は、銀行、信用金庫、信託銀行、外国銀行で扱っています。それぞれの金融機関で条件が異なりますので、なるべく有利なところ、そして自分に合ったところを見つける必要があります。利便性を考えて何時も使っている地銀で始めるのも良いでしょう。

外貨預金の手続きはとても簡単です。窓口に行って申し込めば即座にできます。ただし、その日の為替レートによっては「今日はかなり外貨が高いので、控えた方がいいと思います」と、行員に待ったをかけられることもあります。

金融機関での手続きはほとんど金融機関届出印を使います。その日に申し込む、申し込まない、を別にして、銀行に何か手続きをしに行く時は銀行印を忘れないようにしましょう。

外貨貯金はいくらからできる?

こちらもその金融機関によって異なります。10万円分からというところや、外貨によって単位を決めているところもあります。どの金融機関もあまり高額からではなく、始めやすい少額から扱っている場合がほとんどです。

〔外貨預金〕 外貨普通預金はいくらから申込めますか? |住信SBIネット銀行
参照元:住信SBIネット銀行(2016年2月、著者調べ)

他の外貨での運用方法

外貨には興味があるけれど、外貨預金以外も検討したいという方は他にも運用方法があります。外貨MMFと外国債券での運用は比較的リスクが低い方法、投資信託は少しリスクが高い方法になります。

外国債券での運用

同じく手続き前に外貨を購入して申し込む運用方法で、外国債券があります、債券とは債権ですから、100ドル貸せば返還日に100ドルきっちり返ってきます。その上、貸した金額に応じて利子も得ることができます、お金を国や団体に貸し付ける、あなたが債権者になる方法です。

外国債券も金利が高く、中には8パーセントを越えるものもあります。ただし、金利が高い債券は危険度とイコールです。なぜなら、破綻しそうで誰もお金を貸してくれないから、その分金利で釣っている状態だからです。

極端に高い債券でなくても、外国債券は全般的に2から4パーセントほどの金利は見込めますし、貸した分は返してもらえる方法、つまり100万円貸せば100万円返ってくる方法ですから、安全思考でかつ高い金利が欲しいという方には人気があります。ただ、外国債券も外貨で貸し付けを行いますから、為替リスクがあります。加えて、貸し付け先の国や団体が破綻して借金が返せなくなるデフォルトリスクもあります。

外貨MMFでの運用

外貨MMFは投資信託の一種ですが、証券会社の口座などがこの形態であり、投資信託の中でもトップクラスに安全度が高いと言われています。外貨MMFに預けると、その通貨に合った金利で運用されます。証券会社では外国の通過をプールしておく時にこの外貨MMFをよく使います。為替が安い時に購入し、良い債券が発売されるまで高い金利で運用しながら待つのです。

投資信託ではありますが、証券会社の外貨口座でもあります。金利は日本円預金よりも高いですが、外国債券などの金融商品に比べれば低い傾向にあります。投資信託ですから元金割れの危険性もりますが、証券会社が口座として使う投資信託に関しては厳格に元本割れしないように注意を払って運用されているため、歴史上元本が割れたことはありません。口座の仕組みについてはこちらでご確認ください。

SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を−
参照元:SBI証券(2016年2月、著者調べ)

投資信託での運用

外貨MMF以外の投資信託での運用です。外国債券は自分で貸し付け先を決め、売るも買うも自分で手続きする必要があります。途中で手放すかどうかも自分の判断に拠ります。しかし、外国債券が多数含まれる投資信託で投資すれば、自分で運用する必要はなく、専門の運用会社が運用してくれるというメリットがあります。ただし、投資信託は株や債券をバランスよく組み込んだ定食ですから、株価に引きずられたり、債権単品のように貸した額が戻ってきたりということはありません。投資信託という定食メニューとして常に値動きします。

外国債券を組み込んだ投資信託は安全志向のものも多数ありますが、中には破綻しそうな国の金利の高い債券を多く組み込んだリスクの非常に高い商品もあります。リスクが高いほど元金割れし安く、玄人向けとなります。ただし、リスクが高ければその分リターンも多いと言えます。

そもそも投資信託とは? – 投資信託協会
参照元:投資信託協会(2016年2月、著者調べ)

最後に

外貨商品で損をしないためのコツは、自分のお金の運用目的を見極めることです。お得だから、金利が高いからと言われて、一年後に使うお金を外貨預金で運用してしまえば、どうしても使わなければならない時に為替リスクにより元金が割れることがあるでしょう。対し、暫く使う予定がないお金なら、為替が不利な時に無理に手続きする必要がありませんから、その分元金割れし難くなります。

お金を運用するためには、自分のお金に優先順位を付けることが重要です。一年後に使うお金なら、金利が最優先ではなく、目減りさせないことが最優先ではないでしょうか。そうなると、現在の資産運用方法の中では日本円の定期預金が一番お得と言えるでしょう。五年後まで使わないお金なら、保存に加えてもう少し利息が欲しいと考えて、保存を最優先に、第二に利息を取ることと計画を立てて、日本債権での運用も視野に入れることができます。

外貨商品で損をしないコツは、急に解約しなければならないようなお金や、長期置いておけないお金は外貨で運用しないこと、です。いくら金利が魅力でも、それだけをもってお得とは言い切れません。あなたの運用目的、今あなたの手元にあるお金は何時頃使うお金なのかによってお得かどうかががらりと異なりますので、単純に金利で決めないようにした方が賢明です。