【税務の基礎】確定申告前に押えておきたい窓口と3つの税金

もうすぐ確定申告の季節がやってきますね。税務は日常の中では馴染みのない言葉ですが、日々税金を払うこと、税金関係の手続きをすることにより、簡単な税務には常に関わっています。困った時にはすぐに問い合わせできるようにしておきたいですが、実は税金によって問い合わせ先が異なるって知ってます?困った時の問い合わせ先を明らかにする税金の基礎知識です。



税務の基礎の基礎!税金の違い

税務という言葉は、主に税金の処理や税金に関わる事務などを指します。ですから、税務というと、会社の専門の部署に勤めている人や、税理士事務所で働く人、官公庁で働いている人を連想し、自分たちは関係がないだろうという気がします。しかし、普段「税務」に関わりのない人も税金と無関係に生きることは有り得ませんし、時期によっては非常に馴染みの深い事柄になるのではないでしょうか。

時期。つまり、冬から春にかけて行われる確定申告シーズンです。

会社に勤めており、特に確定申告をする必要のない人もいますが、ふるさと納税に代表される寄付金控除や、少し前に計算方法が変わって多くの方が会社で頭を悩ませたであろう保険料控除、病院にかかった時以外でも、薬局で薬を買い求めたことによりお世話になることのある医療費控除などがあります。

さらに、念願のマイホーム購入により初年度だけは確定申告の必要性が生じる住宅ローン控除、台風や地震、盗難、水害などで自分の財産に被害が出た時に使える雑損控除、会社で最もお世話になる人的控除など、控除を使うために確定申告をする人も増えているのではないでしょうか。

特に、ふるさと納税は人気があり、ワンストップ特例(条件にあてはまる人が申請書を提出することにより確定申告をしなくて済む特例)が2015年4月1日から始まったとはいえ、未だふるさと納税をするには確定申告がワンセットという状態です。しかし、ふるさと納税をする時だけでなく、日常の中で税金に関わることは多いのではないでしょうか。

所得金額から差し引かれる金額(所得控除)|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

総務省|ふるさと納税ポータルサイト|トピックス|制度改正について(2015年4月1日)
参照元:総務省(2016年1月、著者調べ)

日常の中の税金

日常の中で関わりの深い税金といえば、何と言っても消費税でしょう。買い物をすれば当たり前のように課税され、店が取りまとめて申告して納付するという形になっています。中には「何を消費しているのだろうか……」なんて疑問に思うものにまで消費税が課税されており、買い物の時にふと疑問に思ったりはしないでしょうか。

他には、温泉入浴の際も税金が課税されていますし、国のサービスを利用する時も印紙税という形で手数料を納付しています。ガソリンを詰めればそこにも課税され、当たり前のように税金を払う。電気やガス、水道もそう。私たちの日常は、何をするにも税金が課税されています。

意外に必要になる納付証明書

また、税金を払うという行為だけでなく、払った後の税金の証明書を使う機会は多いのではないかと思います。控除を使うために確定申告をする時も納付書を確認してもらうことがありますし、車検をお願いする時も自動車の税金をきちんと支払っているか、納付した証明書を提示することになるかと思います。その他にも、税金の額に違和感があれば、税金の納付書や請求書を提示して還付や訂正をお願いすることでしょう。

税務に従事していなくても、私たちは普段当然のように「請求される」「払う」「納付書をもらう」「税金を大まかに計算する」「納付書を使う」という行為を行っています。税務という大層な名前がついていなくても、私たちが納税者である以上、普段の生活そのものが税務であるに違いありません。

税金が変わると窓口が変わる?

日常生活そのものが一種の税務です。

時に、税金に関する何らかの手続きをしなければならないことも起きるでしょう。例えば、車検の申し込みをしたのに、自動車税の支払いをした時の証明書を失くしてしまってどうすればいい?と慌ててしまったり、固定資産税の評価額が改正されたわけではないのに今年だけ異様に固定資産税が高かっただとか、そんな時は基本的に税金を支払った時の証明書(記録など)を提示して問い合わせるか、または失くしたと申し出て新たに取得することになるでしょう。

しかし、相談窓口を間違えると、「うちでは扱えませんので」と途端にたらい回しされることになります。税金だから管轄は税務署?と思って電話をかけてみても、実は税務署は確定申告などを司っているところで、税金の払い込みは別ということが基本です。税金それぞれの担当を全て把握しておければ楽なのですが、税金は知識や窓口を常に把握しておくことがとても難しいのです。なぜでしょう?

税金知識を深く学ぶことは難しい

税金の知識を常に最新のものにしておけるのは、それこそ国税庁や税務署に勤めている方や、税理士、公認会計士くらいではないでしょうか。税金が好きで好きでたまらないという方は税金それぞれの窓口は覚えていても、税金の知識を最新にしておくことは難しいのではないでしょうか。そんなこと、きちんと勉強すれば覚えるでしょう?ああ、確かに税金の勉強は難しそうだから覚えてもすぐに忘れそう!と思われることでしょう。いえいえ、違うんです。

確かに税金の知識は難しいですし、細かな税率の数字まで暗記しておくことは、不可能とまでは言いませんが、かなり難しいものがあります。会社の税務を担当している人や、それこそ行政官庁にお勤めの方も、細かな税率の部分は資料を確認しながら計算することも珍しくありません。しかし、それだけではないんです。税金は「いきなり課税されることもある」んです。

税金の専門家が4月23日まで「ああ、これは課税対象ではないですよ」と言っていたはずが、4月24日からいきなり課税対象になることがある。税金とは、こんな不意打ちがあり得るのです。いきなり通達で「Aという物に課税してください」となる場合があり、実際にそれって卑怯じゃないの?と裁判で争われたケースまであります。

通達は、現在も有効なものは専門書にきちんと記載してありますが、不意打ちで出てしまったものは専門書には記載しようがありません。次の版で改訂されるかどうかです。ですから、税金の専門家は、常に通達がないか、変更がないか、とても敏感に目を光らせています。しかし、税務が専門である人たちならともかく、日常という名の税務をしている一般市民には、そこまでぎんぎんと目を光らせておくことなんてできませんよね。それに、通達が出ても専門的すぎて意味が分からないということも有り得ると思います。

税務訴訟資料 第261号-82(順号11672)
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

基礎を覚えれば問題は解決

税金分野は難しいです。

普段確定申告をしている人でも、それは自分の分だから何となく「去年の分を見て書けばなんとかなるだろう」と過去の資料を掘り返し、自分の関係のある範囲を把握し、基礎を頭に入れているからこそどうにかなっているのです。しかし、他人の確定申告にアドバイスすることは、確定申告慣れしている人でも難しいことだと思います。

じゃあ、勉強すればいいのかという話ですが、それも、常に情報が更新され、税金分野は広大で難しいからこそ、そう簡単にはいきません。だったらどうすればいい?という話です。

それだったら「分かる人に手軽にきいてしまえ!」これが答ではないかと思います。

質問するためにも基礎知識が必要になります。もちろん、時間を無駄にしないため、たらい回しされないためにもそれぞれの税金の窓口くらいは覚えておいたら良いでしょう。自分で「税渇するための税務」を覚えるためには難しいところに足を踏み入れる必要はないと思います。とりあえずやってみて分からないところをきく。

きく際には適切な窓口を知っておいた方がいいし、基礎知識を頭に入れておいた方が分かりやすい。これに尽きます。



生活のための「税務」は基礎の基礎!

■確定申告や控除、車検など、日常の手続きの範囲でも税金の基礎知識が必要(支払いの証明書を使うことがある)
■手続きの中で分からないことがあっても、自分で判断するには税務は難しい。また、常に情報が更新されている可能性があるので、勉強するのも難しい。
■基礎を押さえ税金ごとの適切な窓口を理解していれば、分からないところをきけばいいだけ。
■そのためには基礎だけはきっちり押さえる

基礎を押さえれば自然と問い合わせ窓口も定まります。まずは、これだけは知っておくべき税金知識を確認します。

税金には種類がある!

何を当たり前のことを!と思われるかもしれません。消費税、自動車税、固定資産税、住民税、所得税、etc、ちょっと税金の名前を挙げてくださいと言えばかなり色々な税金の名前が出てくるのではないでしょうか。

確かにこれら税金は名前ごとに別々のものを課税対象にしていますし、中身も別物です。同じ税金ではありますが、税率から取り決めまでまったく異なっていると言えるでしょう。しかし、個別の種類の他にも税金には「種類」があることはご存知でしょうか。

この、個別の税金の他の税金の分類を知っておくことがとても大切なのです。なぜかと言うと、分類ごとに問い合わせ先がまったく異なるから!

諸手続きの時に困ったら基本は問い合わせです。税金の手続きは税額を間違えば足りない分を追加で納めなければいけませんし、間違って手続きしてしまって納入期日に間に合わなければ、DVDレンタルの如く延滞料金が必要になります。延滞料金は税金の種類によってまちまちですが、消費者金融からお金を借りる時の利息と同じくらいかちょっと安いくらいと覚えておくと分かりやすいと思います。手続きミスはいらぬ損失のもと。問い合わせを利用して確実に決めておきたいところ。

かといって、多く支払った場合も手続きが面倒です。基本的に税金を多く納めてしまった時は、こちらから申し出なければ返還されません。「多いですよ」という連絡は、まず、ないです。明らかに多い場合はその場でささっと返してくれればいいじゃないと思うかもしれませんが、適切な窓口で適切な手続きを踏んで初めて「では、一週間から一カ月くらいで還付されますから」という話になります。

手続きをするにも、ミスを防ぐために問い合わせをするためにも、窓口の把握は重要です。

3つの税金の違いを押さえよう!

税金には色々な分類方法があり、それらの分類により会社内、官公庁で管轄が変わることもよくあることです。私たちは具体的に管轄部署と担当者名をそれぞれの税金ごとに控えておく必要はないと思われますので、ざっくりと、この税金はこんなところに問い合わせを行うという把握で十分と思います。

問い合わせ先を判断するには、「国税」「都道府県税」「市町村税」の知識が必須です。

[税のしくみ] 税の種類と分類 | 税の学習コーナー|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

よくある質問|福岡国税局間税会連合会
参照元:福岡国税局間税会連合会(2016年1月、著者調べ)

国税とは?

国税とは、国に納め、国が管轄する税金のことです。所得税、法人税、相続税、登録免許税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、石油ガス税、自動車重量税、地方道路税、電源開発促進税、日本銀行券発行税、印紙税などがこの国税という分類にあてはまります。国に納める税金で国の懐に入るものですから、問い合わせは国に行います。

地方ではそれぞれ相続に関する相談窓口や税金で関する窓口を置いていることもありますのでちょっとした相談自体は可能ですが、詳しい事を知りたい、金額が間違っているのでは?、税金を還付して欲しい、といった直接的な事柄の問い合わせは税務署や国税庁が管轄になります。役場の税金の担当の人ではこれらの税金に関して答えられないということもありますから、やはり、税務署や国税庁に問い合わせを行った方が話が早いと思います。

これら国税はあまり個人には馴染みのないものも多いのですが、所得税は皆さん日常の中で何らかの関わりがあると思います。また、個人は直接支払うことはありませんが、たばこ税や酒税、消費税などは日常の中で馴染みの深いものかと思います。

国税・地方税の税目・内訳 : 財務省
参照元:財務省(2016年1月、著者調べ)

都道府県税とは?

事業税、自動車税、地方消費税、不動産取得税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税、自動車取得税、軽油引取税、鉱区税、道府県法定外普通税などが都道府県税に分類されています。都道府県に住んでいる住民に課される税金であることから、都道府県税と市町村税を合わせて住民税とも呼びます。

都道府県税は県が課税し、主に県の懐に入る税金と考えれば分かりやすいと思います。ですから、管轄は県になります。何か分からないことがあったら県の税務担当に確認を取ることになります。市町村役場では分からないことも多いですし手続きは基本的にできませんから(市町村税窓口の側に県税窓口があれば話は別です)、こういった税金の名前が出てきたら県に問い合わせを行うようにしましょう。

特にややこしいのが自動車税です。車検シーズンに自動車税の納入証明書を提出することになったけれど、失くしてしまった。こんな時は再発行をしてもらうことになるのですが、普通自動車の税金の管轄は県で、軽乗用車の税金の管轄は市町村なのです。自分の家の車検を希望する自動車がどちらに属するかによって再発行の窓口が変わりますので注意が必要です。

前に筆者が市町村税の問い合わせに窓口に足を運んだ時、実際に「この自動車の税金納付の証明書は県税の窓口じゃないと……」と言われている方を見かけたことがあります。

市町村税とは?

市町村が集め、主に市町村が計算を行う税金です。市町村民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、市町村たばこ税、鉱産税、特別土地保有税、入湯税、事業所税、宅地開発税などが市町村税に該当します。これらの税金に関する問い合わせは市町村役場の税金窓口に行います。

前項で車の税金がややこしいという話をしました。他にややこしいと言えば、土地に関する税金です。

固定資産税はこのように市町村税ですから、市町村役場に問い合わせをすることになります。ですが、土地に関する税金のことを一緒にきいてしまえ!と考えると、途端に「それ、管轄はうちじゃないです」という話になってややこしいのです。土地関係の税金の分かりやすい覚え方は、「毎年あるか」「たまにしかないか」です。固定資産税は毎年請求が来ますから市町村税、不動産取得税は不動産を取得したというたまにしかないケースだから県税と覚えましょう。

納入証明書が欲しい場合は

車の車検に使うのに納入証明書を失くした!手続きに使うから寄せておいたのに見つからない!そんな時は税金の納入証明書を再発行してもらうことができます。ただし、国税、都道府県税、市町村税それぞれで再発行場所が異なります。

ただし、ほとんどの県は都道府県税でも特定の市町村の建物に窓口を用意していることが多く、わざわざ県庁所在地に出向かなくても再発行が可能でしょう。「県庁所在地の他に同県A市役所の中に県税の窓口がありますよ。そちらですぐに再発行してもらえます」と案内してもらうことができます。ちょくちょく失くす方はA市役所内の窓口の直通連絡電話番号などを教えてもらいメモしておくと便利です。

国税は話が別です。県税の場合は県庁所在地以外にも幾つかも市町村に窓口を設けている場合が多いので最寄りの窓口でほとんどの手続きができてしまうのですが、話が国税になりますとそうはいきません。県と市町村は同じ地域としての繋がりもありますが、国は市町村や県とは性質の異なるものです。

市町村や県の税金担当の方に簡単なアドバイスをもらうこと自体は可能ですが、証明書の発行や具体的な手続きになると「税務署にお願いします」という話になります。税務署は全ての市にあるわけではないので、遠い方は大変です。

最近はオンラインで請求する方法もありますので、オンライン申請で手間が少しでも省かれるなら是非とも活用したいところです。

[手続名]納税証明書の交付請求手続|納税証明書及び納税手続関係|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

[手続名]納税証明書の交付請求手続|納税証明書及び納税手続関係(オンライン交付)|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)



最後に、役立つ○○のススメ

近年、ほとんど全ての都道府県で毎年出すようになった○○。実は、これが税金の問い合わせにとても役立つのです。○○とは……「県民手帳」です。

毎年、手帳が雑貨屋さんや文具屋さんにずらりと並ぶ頃になると、ほとんどの都道府県も県内の各所で配布を開始するのではないでしょうか。多分、年末年始でも買えます。値段は500円から1,000円くらいです。手帳だったらお気に入りのメーカーのものを毎年買うからという方でも、数年に一度この県民手帳を購入するメリットがあります。手帳ではなく、手続きの手引きや電話帳として利用します。

県民手帳にはその県の主要窓口、主要機関、年間の予定や、県によっては色々な手続きの方法が記載されています。税金の問い合わせをする時もインターネットで連絡先を調べるより、主要機関一覧を確認する方が早く済むことも多いですし、そうそう県や市町村の機関の連絡先は変わりませんから、一冊お手元に置くことをお勧めしています。

税金の大まかな分類を覚えてしまえば、後は適宜連絡先を確認して問い合わせを行うだけです。しかし、じゃあ、連絡先はどこなの?という話になりますよね。電話帳で調べるという手もあるのですが、この県民手帳は、ほとんどの県のものが主要機関の住所や電話番号を一覧でとても使いやすい形になっていますので、自分でよく使う連絡先にはチェックを入れておけば、問い合わせもスムーズに済みます。

参考までに和歌山県の手帳をご紹介します、各都道府県ごとにあります。自分の住んでいる県、手続きで必要になる県の分を所持していると問い合わせがぐんと便利になりますよ!

「2016年わかやま県民手帳」販売のお知らせ
参照元:和歌山県(2016年1月、著者調べ)