【扶養手当】公務員はおいくら?ぶっちゃけ知りたい世間のお金事情

公務員のご主人がいる方は、まず扶養手当が気になるものです(お給料自体はもちろんのこと!)。「いくらもらえるの?」「条件は?」「パートしてもOK?」と、疑問は尽きませんね。本記事では、公務員の扶養手当のあれこれについてご紹介したいと思います。ちょっと難しい部分もありますが、簡単にかみ砕いて解説していきますね!



扶養手当ってそもそも何?

何のための扶養手当なの?

扶養手当とは、職員の配偶者や子どもなど、「他に生計の途がなく,主としてその職員の扶養を受けている」扶養家族に対して支給される手当のことです。家計を補助し、職員が安心して働けるようにとの意味があります。

扶養手当は、終身雇用が当たり前だった高度経済成長期の名残です。長い目で見れば、労働者の家族を手厚く扱うことは労働者、ひいては企業のメリットになったんですね。

反対に、家族がそれぞれ十分な収入を得て自立していれば、扶養手当は必要ないということになりますね。職員は自分の食い扶持のみを気にすればいいわけです。

扶養手当と法律の関係

民間企業の扶養手当は法律で規定されたものではありません。労働者が属している会社や団体が独自に設定しているものなので、その規定に従う必要があるのです。しかし、国家公務員の扶養手当については法律で金額や要件が定められています。

公務員の給与水準は、民間企業の従業員給与と均衡するように常に調整されています。民間企業の扶養手当に大きな改革でも起きない限り、金額のUPは基本的に見込めないと思っておきましょう。

国家公務員の扶養手当、廃止される?

2014年の6月には、政府の経済・財政運営の指針である骨太方針に、“国家公務員の扶養手当(配偶者に対してのみ)の廃止”が盛り込まれると報道がありました。

しかし、それが一転、2015年8月には「時期尚早」として廃止の見送りが決定されました。公務員の扶養手当がすぐに廃止されるということはないようですね。

国家公務員の配偶者手当見直し、見送りへ 「時期尚早」:朝日新聞デジタル
参照元:朝日新聞(2015年12月時点、著者調べ)



公務員の扶養手当、金額や条件は?

国家公務員の扶養手当額・支給要件

まずは、国家公務員の扶養手当について見ていきましょう。扶養家族のうち、以下の条件を満たす扶養家族全員に対して手当てが支給されます(支給要件)。

・配偶者(事実婚と同様の関係にある場合も含む)
・子、孫:満22歳に達する日以降の最初の3月31日まで
・父母、祖父母:満60歳以上
・弟妹:満22歳に達する日以降の最初の3月31日まで
・重度心身障害者

扶養家族が職員から見て上記のどの続柄であるかによって、扶養手当の金額も異なります。

・配偶者:13,000円
・それ以外:6,500円(配偶者がない場合は、1人に限り11,000円支給)

さらに、子が16歳年度初め~22歳年度末の期間にあるときは1人につき5,000円加算されます。おそらく、これは教育費を考慮した加算かと思われます。

国家公務員の扶養手当の詳細を知る|給料.com
参照元:給料.com(2015年12月時点、著者調べ)

地方公務員の扶養手当額・支給要件

地方公務員の扶養手当についても、支給要件は国家公務員に準ずると考えていいでしょう。金額は各地方自治体によってまちまちですが、これも国家公務員から大きく離れた金額ではありません。

・配偶者:13,000円前後
・それ以外の:6,500円前後(配偶者がない場合は、1人に限り11,000円前後支給)
・16歳年度初め~22歳年度末にある子:5,000円前後の加算あり

大まかにはこのように把握しておけばいいでしょう。地方自治体のHPに職員の手当が公表されているケースが多いので、ネットで検索すると見つかるかもしれません。

扶養手当、できれば欲しい!

働きたい、手当も欲しい

公務員は「勤め先が倒産しない」「高給」と言われ人気の職業ですが、他の職業に比べ飛びぬけて高給というわけではありません。それもそのはず!公務員の給与は民間企業の平均給与に準じて決められているのですから、平均的な収入と言って差し支えないでしょう。

何が言いたいかというと、公務員妻も民間企業社員の奥様同様、家計の足しに働きたがっている人が一定数いるということです。子供がいない、または子供に手がかからなくなってバリバリ働ける女性は別ですが、フルタイムで働くことが難しい女性にとっては扶養手当がもらえるかどうかは大きな違いなのです。

扶養手当がもらえなくなるライン

国家公務員の扶養手当を受けられる扶養家族には、「年額130万円以上の恒常的な所得があると見込まれる者」は含まれないとされています。配偶者であれば、扶養手当の支給要件を欠くと13,000×12=156,000円分の手当てがもらえなくなってしまうことに!

所得が130万円を大きく超え、年額15万円“程度”の扶養所得が気にならないくらい稼げるのであれば別ですが、これは、限られた時間でパートをしている人にとっては大きな金額でしょう。見込める所得が130万円前後の場合は、扶養手当の支給要件を欠かないように所得を調整する方がベターです。次で詳しく見ていきましょう。



要注意!扶養手当がもらえない事態

“所得”130万円とは?

上述の通り、配偶者の所得が130万円を超えてしまう見込みになると扶養手当はもらえなくなります。ここで注意していただきたいのが、この所得には交通費や諸手当等も含まれてしまうということです。「130万円は超えていないから大丈夫♪」と思ったら、実は…なんて事態は絶対に避けたいところですね。

こんな手当、実は支給されていませんか?

・交通費
・雇用保険の失業等給付
・公的年金
・傷病手当金(健康保険)
・出産手当金(出産一時金は含みません)

これらの手当ての金額も含めて、年間所得見込みを計算しましょう。

所得“見込み”の計算

扶養手当の場合「むこう一年の所得が130万円を超えそうだ!」となると支給要件を欠くことになります。そう、あくまで見込み金額なんです。気を付けて欲しいのは…

・月に関係なく、現時点から1年間を考える
・見込み金額で考える

ということです。具体的には、4カ月以上働く場合は直近3カ月の平均が月額108,334円以上(130万円÷12カ月≒108,333)を超えた時点でむこう1年間の所得が130万円を超えるとみなされます。反対に、3カ月の平均が108,334円を下回ると再び扶養手当の支給を申請することができます。例えば、それまで無職だった人が1月から月20万円の仕事を6カ月だけ続けるとしましょう。各月の収入と3カ月収入は、以下のように算出できます。

・1月:20万円 (0+0+20万)÷3≒66,666円<108,334円、扶養手当支給
・2月:20万円 (0+20万+20万)÷3≒133,333円>108,334円、扶養手当認定取消
・3月:20万円 (20+20万+20万)÷3=20万円>108,334円、扶養手当なし
・4~6月:同上、6月末で退職
・7月:0円 (20万+20万+0)÷3≒133,333円>108,334円、扶養手当なし
・8月:0円 (20万+0+0)÷3≒66,666円<108,334円、扶養手当の申請OK

といったように、8月には再びご主人の職場に扶養手当の申請をしてOKということになります。

所得税における扶養

ということで、「数カ月シフトを多めに入れて働きすぎちゃったけど、年末に働く時間を減らして年収130万円未満に抑えれば扶養手当をもらってもOK!」という考えは的外れだということが分かりますね。扶養手当の支給要件を欠いてしまった時点で、ご主人の職場に申請をしなければいけません。

これとは別に、所得税での扶養に関しては「1年間(1~12月)の所得金額が103万円を超え“た”かどうか」が判定基準となるので、これと混同してしまいやすいんですね。年末にご主人の職場に被扶養者の年収を申請しなければいけないのは、このためです。ハッキリ言って、まぎらわしい!

明らかに見込みが立った場合は…

ここまででご紹介したのは、収入月額が10万円前後の方で、130万円を超えるかどうか見込みが立てがたい場合です。むこう1年、明らかに所得限度額130万円以上の所得が見込まれることになった場合は、その時点で扶養の取り消しを申請しなければいけません。

●不動産を相続し、収入増見込みが判明した日
●年金改定通知の受領日
●時給が増額された日
●労働日数・時間数の変更があった初日
●複数の仕事に就いた日等

以上のような場合で、明らかに130万円を超える収入見込みが分かった場合は、早めに申請を済ませましょう。

事業所得がある場合の扶養判定

また、ネットショップを経営しているなどして事業所得があるという方も注意が必要です。確定申告をする際は、事業に必要な多くの費用が経費として計上でき、所得から控除することができますね。しかし、扶養手当がもらえるか否かを判定する場合は、そのうちの多くを所得に含めて計算しなければならないんです!

ただし、事業所得、不動産所得等で、当該所得を得るために人件費、修理費、管理費等の経費の支出を要するものについては、社会通念上明らかに当該所得を得るために必要と認められる経費の実額を控除した額によるものとする。

出典:

www.jinji.go.jp
この規定に無条件で含まれる経費は、なんと売上原価と地代家賃のみなんです!

所得に含めなければならない費用は…

・租税公課
・旅費
・交通費
・広告宣伝費
・接待費
・損害保険料
・減価償却費
・福利厚生費
・利子割引料
・設備投資

と、かなり多くの費用が該当します。そのほか、以下の費用はケースによって必要経費と認められたり、認められなかったりされるようです。

・荷造運賃
・水道光熱費:事業所と生活の本拠地が全く別棟の場合で、費用が別計算の場合はOK
・通信費:事業所と生活の本拠地が全く別棟の場合で、費用が別計算の場合はOK
・修繕費
・消耗備品費
・給料賃金
・研修費
・会議費
・図書費

事業所得を得ている人には、厳しい基準です。個人的には「事業を営んでいる=自活している」というイメージがあるので、分からなくはないのですが…。こういった方は、扶養手当に頼らず事業の拡大を頑張った方がいいのかもしれません。

扶養手当の運用について
参照元:人事院(2015年12月時点、著者調べ)

共済組合の被扶養者と、扶養手当

共済組合の被扶養者って?

「共済組合の被扶養者」と「扶養手当における被扶養者」は、ほぼイコールとみてOKです。しかし、これらが重ならない場合があるので注意しましょう。

共済組合の被扶養者とは、共済組合から短期給付を受けることができる、組合員の被扶養者を指します。短期給付とは、組合員と被扶養者の病気やケガ、出産、死亡、休業、災害などに対して給付される一時金を指します。

・家族出産費
・家族療養費
・家族訪問介護療養費
・高額療養費
・家族埋葬料
・家族移送費

この共済組合の被扶養者は、共済の健康保険から給付を受けることができたり、第3号被保険者として、ご主人の職場を通して国民年金を納めることになります。この要件を欠くと、第1号被保険者(自営業者)や第2号被保険者(サラリーマン)として年金を納め、今まで支払い必要のなかった国民健康保険料も支払わなければならなくなります。

被扶養者の認定・取消|地方職員共済組合
参照元:地方職員共済組合(2015年12月時点、著者調べ)

被扶養者が重ならないケースいろいろ

あまり頻繁にはないことかもしれませんが、以下のようなケースでは、「共済組合の被扶養者」か「扶養手当における被扶養者」のどちらか一方にしか該当しないことになります。

・年金収入を含む収入が年130万円を超えた(180万円未満):共済○、扶養手当×
・勤務先の健康保険組合に加入したが、収入は年130万円以下:共済×、扶養手当○

扶養手当の給付を受けるためには、年金収入を含む収入が130万円を超えないことが条件になっています。しかし、共済組合における被扶養者は、180万円までOKとされています。また、他団体の健康組合に加入した時点で共済組合では被扶養者の資格を失いますが、年収が130万円未満であれば扶養手当をもらうことが可能です。

どちらか一方でも、被扶養者になれていればかなり助かります。健康保険や年金の支払い、または扶養手当の支給と、どちらも有難いですね!

130万円の数え方

1)共済組合の被扶養者と、2)扶養手当における被扶養者の要件には、どちらも「年収130万円を超えない者」と定められています。しかし、認定取消の判定方法が微妙に違ってくるんです。

1):108,334円以上を4カ月連続で支給された場合、4カ月目の初日に認定取消
2):3カ月の平均収入が108,334円以上になった場合、翌月から認定取消

共済組合の被扶養者の場合は、3カ月平均ではなく4カ月連続で108,334円以上の月収を得た場合に要件を欠いてしまうんですね。ちょっとした違いではありますが、もしものときに混乱しないように覚えておきましょう。

公務員の扶養手当、どうなる?

本記事では公務員の扶養手当についてご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。家庭によって、共働きの必要性や就労可能な時間はまちまち。フルタイムで働くのが難しいという場合は、扶養手当も最大限活用して“お得に”共働きしていただきたいと思います。

そして、冒頭でも述べた公務員の配偶者に対する扶養手当の廃止というのも、配偶者の就労を促進するための改革を目的として打ち出されたもののようですね。扶養手当が廃止されるとしても、働く女性にとってプラスの改革となることを願ってやみません。共働き家庭のみなさん、頑張りましょう!