〈NISAのリスク〉始める前に知っておきたい投資の心得とは?

NISA(少額投資非課税制度)が導入されてから、NISA口座開設数は着々と増加しています。また、2016年度からはその非課税枠が100万円から120万円に拡大され、ますますNISA熱が高まることが予測されますね。資産運用の一つとしてNISAを活用することはとても良いことだと思いますが、NISAのリスクをしっかり理解して、賢く制度を利用しましょう!



そもそもNISAとは?

NISAとは少額投資非課税制度といって、文字通り少額(2016年から毎年120万円)の投資が非課税となる制度です。通常の株式投資や投資信託では得られた利益に対して約20%の税金がかかってしまうのに対して、NISAで得られた利益に対しては税金が全くかからず、その非課税期間が最長5年間保証されます。

つまり100万円を投資して2年後に1,000万円になった場合、NISAでは900万円の利益が全て手元に入るのに比べ、通常の株式投資であれば利益の約20%の約180万円を税金として払わなければならないのです。

投資についてあまり詳しく知らない方でも、これだけ聞けばなんだかNISAって魅力的に感じてしまいますよね。

でも、この説明には前提があり、「NISA投資で利益がでた場合」のみとてもハッピーな制度になります。NISA口座を開こう!NISAを始めよう!という声は良く聞きますが、NISAのリスクについてはあまり語られていませんよね。ということで、NISAを始める前、NISAを始めている途中でも考えるべきNISAのリスクについてまとめてみました。

NISA(少額投資非課税制度)の手続きに関するQ&A
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)



2.NISAを始める前に考えるべきリスク

まだNISAを始めていない方が考えるべきリスクは、「買いたい株・投資信託商品が買えないこと」です。

NISA投資として「この会社の株、あのファンドの投資信託を買って投資したいな」と思っても買えなければ意味がありませんよね。実は、NISAで購入できる株や投資信託は、NISA口座を開設する証券会社や銀行によって全く異なるのです。そしてNISA口座は、一度開設すると4年間は新たに口座を開設することができないようです。

多くの証券会社や銀行から、様々なNISA口座開設キャンペーンが行われていますが、そのサービス内容で開設口座を決めるのではなく、まずはNISA口座で何に投資をしたいのかを決めてから、その目的にあった口座を開設しましょう。

もしも既にNISA口座を開設してしまい、希望の商品を買えずに困っている方、安心してください。NISAには、以下の3つの期間でNISA口座を新たに開設することが可能です。新しい口座をすぐには開設することはできませんが、次の開設可能期間の際に、自分の投資スタイルに合った口座を選択しましょう。

①2014年~2017年
②2018年~2021年
③2022年~2023年

3.NISA投資中に考えるべきリスク

NISAに不向きな投資商品を買ってしまう

NISAで投資信託を購入したい場合、その分配金が「普通分配金」か「特別分配金」のどちらかなのかを必ず確認することをお勧めします。

もしも購入予定の投資信託が「特別分配金」の場合、NISAで買わなくても非課税になります。従って投資信託を選ぶ際は、NISAの制度を有効に活用するためにも「普通分配金」の投資信託を選ぶようにしましょう。

SBI証券(旧SBIイー・トレード証券) 話題のNISAで分配金も非課税
参照元:SBI証券(2016年1月時点、著者調べ)

株・投資信託を買うタイミングを誤る

買いたい株・投資信託を決めた後、問題になるのは「いつ買うか?」ということです。

2014年~2015年はアベノミクスの影響もあり日本の主要な会社の株価はかなり高くなっています。そして2015年12月にアメリカの金利を1年かけて少しずつ上げていくという方針が決まりました。一般的に、アメリカの金利が上がると、日本の株価は下がる傾向にあると言われています。

今、あなたの買いたい株や投資信託は過去2~3年の株価の推移の中で最も高い状態であれば、アメリカの金利上昇の影響により今後株価が下がり、損をする可能性が高くなります。また、中国経済の懸念もあり、世界の株式市場全体が不安定になっています。よって、半年くらいは株価の動きを観察して、株価が下がったタイミングでNISA投資を行うことをおすすめします。

売る条件を決めていない

基本的に投資を行う場合は、買う条件とともに売る条件も決めることが大切です。

例えば、100万円分の投資が1年後に150万円に増えても、売ってしまわなければ利益にはなりません。150万円に増えても、その2年後に80万円に減ってしまう可能性もゼロではありません。NISAは利益が出ないと意味のない制度なのです。配当金目的の株でない限りは、「10~20%株価が上昇したら売る」などのルールを決め、確実に利益を得られるようにしましょう。



4. NISAで損失が出た場合のリスク

NISAは利益が出た場合のみハッピーな制度といえます。損失が出た場合、通常の株・投資信託であれば確定申告を行えば損益通算といって、3年間は損失した額分の利益を非課税にするという制度を利用して損失をカバーすることができるでしょう。しかし、NISAではこの制度は使用できないのです。

そのため、損失が出た場合「○%まで下がったら売る」というルールをあらかじめ決め、さらなる大きな損失にならないようにリスク管理をすることが大切です。大きな損失が出た場合、多くの人は「3年経ったら元に戻るかも」というような淡い期待を持ち、「何もしない」という選択肢を取ります。そして株価は3年後、さらに半値になってしまうということも可能性はゼロでは無いでしょう。

一つの株や投資信託でマイナスが出ても、他のものでその分の利益を得られれば良いといえます。そのためには大きな損失を出さないように、早めに損を確定させるという勇気が大切です。

5.非課税期間を過ぎてしまった場合のリスク

NISAは1口座に対し、最長5年の非課税期間があり、2023年までは新たに5年間の非課税口座が利用可能です。①2014年~2017年、②2018年~2021年③2022年~2023年の3つの期間でNISA口座を新たに開設することが可能です。しかし、それ以降は新たに設定することはできないため、2027年にはこのNISA制度は終了してしまいます。

1つのNISA口座での非課税期間が終了する前に、株・投資信託を売却するか、新しいNISA口座に移行させる必要があります。仮に、売却もせず、新しいNISA口座に移行させなかった場合、他の課税口座に自動的に移行させられます。

他の課税口座に移行させらると、仮に利益が出ていた場合でも約20%は課税されてしまいます。NISAの非課税期間内に必ず売却もしくは新しいNISA口座への移行を忘れずに行いましょう。

6.最後に

いかがでしたでしょうか。色々と考えるべきことを記載しましたが、大切なことは「利益を逃さない・大きな損失を出さない」ということです。

①配当金を狙う・投資信託で長期投資を行う」など自分の投資スタイルを決めて、そのスタイルにあった口座を開設する。
②「○%の利益が出たら/○%の損失が出てしまったら売却する」というルールを決める。
③非課税期間内に売却・別NISA口座に移行させる。

この3つのルールを作り、大きな損失を出さずに利益を手にいれましょう!