三大疾病の危険度とかかる医療費は?保障は必要なのか?

CMなどをみていると、三大疾病という言葉をよく聞きますが、その内容はご存知ですか?若いからといって油断は禁物です。そんな三大疾病の危険度とそれに伴う医療費から、保険の必要性を考えていきましょう。



三大疾病とは?

三大疾病とは「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」のことをいいます。この三大疾病は日本人の死因の約半数以上を占めています。そして、全体の約30%近くが「がん」を原因とする死亡となっています。この三大疾病の要因は、日頃の食生活やストレスが大きな原因となっているといわれます。

この「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」は、初期の自覚症状が少なく、日頃の生活の積み重ねにより、長い期間を経てから症状が現れるのが特徴です。

三大疾病とは?保険に入る前に知っておきたい基礎知識と参考データ
参照元:保険の教科書(2016年1月時点、著者調べ)



三大疾病のリスクとは?

この三大疾病におけるリスクは年々高まっています。最近は、三大疾病での年齢調整死亡率(人口の高齢化の影響を除した死亡率)については、減少傾向にあるそうです。しかし、がんにかかる人は増加傾向にあるのです。これは、高齢化が原因といえると思います。

また、心筋梗塞・脳卒中での死亡率も、がんと比べて大きく減少傾向にあります。しかし、心筋梗塞や脳卒中となる人の割合は変わらないということは、早期の治療によって治る確立が高くなってきたということが考えられます。

死亡率が高いのに、その「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」にかかる人の割合が変わらない、または増えているというのは、やはり日頃の生活習慣の積み重ねなのでしょう。そして医療は進歩していますので、最悪の事態になることは減っても、かかる人は増えていくのが現状です。

最新がん統計|がん登録・統計[がん情報サービス]
参照元:国立がん研究センターがん対策情報センター(2015年12月、著者調べ)

がんのリスク

一般的に「がん」にかかった場合、健康保険が適用される治療(外科手術・抗がん剤治療・放射線治療)を受けることが多いですね。その他にも、先進医療や未承認の抗がん剤などによる治療・また緩和ケアなどの治療もあります。

がんは現在、2人に1人がかかるといわれています。いつ誰がかかるのかもわからないのです。特に女性ががんにかかる確率は、20代や30代では男性の2倍となっています。これは、女性特有の子宮頸がんや乳がんなどのリスクが、若いうちから高いということになります。

しかし早期発見により、がんと診断されてから5年間治療を継続した後の生存率は、90%を越えます。とはっても、子宮頸がんなどは、35年前に比べると2.6倍に増えており、低年齢化が進んでいる状況です。

また、抗がん剤などの治療を始めると、その副作用がありますので、治療費はもちろんですが、ウイッグなどの費用などもかかってきます。さらに、これは男性にも言えることですが、治療中は副作用などで仕事ができないなどのリスクも出てきます。

がんと診断されてから治療がすすんでいく中で、どうしても仕事を休まなければならないなど、その後退職や異動などをすることで収入の減少を感じている人は、がんにかかった人の半数近くとなっています。治療費も高額になるのに、収入が減るということは、家庭を持っている人は特に大きなリスクとなってきますね。

心筋梗塞のリスク

「心筋梗塞」とは、心疾患のひとつで他に「狭心症」などもあります。これは、心臓への血管が詰まることで、心臓に流れる血液が止まってしまい、強い胸の痛みや息苦しさを感じるなど、症状が出たときは緊急を要する病気です。

これは、高齢の人の病気なのではと思いがちですが、有名人などでも「心筋梗塞」で入院や死亡などの報道がされていることがありますね。実は、20代後半や30代でも増えてきているのがこの「心筋梗塞」などの心疾患なのです。

治療には、緊急の手術が最も効果的で、血管が細くなっている、または詰まっている部分を広げるような処置をすることが多いようです。やはりこうした心疾患の低年齢化については、食生活の乱れなどが大きいのではないかと思います。

低年齢化しているとはいえ、「心筋梗塞」は、やはり高齢の方がなりやすい疾患ではあります。血管の老化によるものも考えられますね。

脳血管疾患(脳卒中・脳梗塞)のリスク

脳血管疾患とは、「脳卒中」や「脳梗塞」のことになります。脳の血管が詰まってしまい、血液が流れなくなったり、血管が破裂したりするなどの症状が起こります。以前は死因の原因の第1位でしたが、医療技術の進歩により、死亡率は減少しています。

しかし、脳血管疾患については、ほかの病気と比べて入院日数が長期化する傾向があります。また、その状態によっては、介護が必要となる危険性もあるのです。脳血管疾患では、退院してもその障害の程度により、家庭に戻れる割合が他の病気と比べても低く、1~2割の人は療養施設や介護施設へ入所することになります。

リハビリが最も重要になってきますが、障害が残ってしまうことも多いのが、脳血管疾患なのです。このような事情により、治療も長期化することが多く、仕事への復帰も遅くなり、また元の業務には戻れず、収入の減少のリスクと治療費のリスクが大きくのしかかってきます。

介護状態になった場合は、その介護にかかる費用も大きなリスクのひとつになりますね。

最新がん統計|がん登録・統計[がん情報サービス]
参照元:国立がん研究センターがん対策情報センター(2015年12月、著者調べ)

がんを含めた三大疾病のリスク|がん保険ナビ|保険相談サロンF.L.P|無料の保険相談・保険見直し相談は、保険相談サロンF.L.Pへ
参照元:保険相談サロンF.L.P(2016年1月時点、著者調べ)

家族への負担は意外に大きい

こうした三大疾病になってしまったときは、もちろん本人も治療や副作用、後遺症などで苦しい思いをしますが、実は周りの家族への負担も少なくありません。入院することになれば、看病などのために病院へ通うための時間やその費用、そして看護も実は体力的に大変なものなのです。

そして仕事ができない状態となってくると、収入の面での不安がのしかかってきます。小さな子供のいる家庭などでは、子供を預けて仕事に行く必要も出てきます。これは女性が三大疾病になった場合も同じで、夫は幼い子供の面倒から保育園などへの送り迎えも必要になってきたりしますね。

そうなると、残業ができずに早く帰るような日々が続く可能性もあります。また、家事などの負担もありますし、家政婦などを雇おうと思うと、更に負担は増える一方です。収入は減少するのに負担は増えるといったアンバランスが生まれてくる可能性があるのです。

働きたくても働けない?

やはり後遺症や副作用などで、働きたくても働けない状況になると、じつは周りの家族の負担が大きくなるということです。お金が必要なのに「働きたくても働けない」という状況に焦りを感じ、心の不満が積もって、家族関係が悪くなるということもあるのです。

子供への負担は?

子供にとっては、親が重い病気になってしまった場合、もちろん気持ち的に寂しいといった辛い面もありますが、もっと先をみてみれば、仕事ができない、または収入が減ったという面で、子供が希望する進学をさせてやれない状況も考えられます。

収入がないから、お金がないから…という理由で、子供の夢をかなえてやれないといったことは、親にとってもとても辛いものですね。しかしそれは有りえることなのです。



三大疾病の治療費は?

では、実際に三大疾病に罹った場合の治療費などは、どれくらいかかるのでしょうか?

がん(悪性新生物)

初期のがんの場合、外科的手術にて取除くことが多いのですが、現在は技術の進歩で、身体の負担を少なく行えるようになり、入院日数も少なくなっています。その費用については、さまざまな手術の方法がありますが、胃粘膜の内視鏡などでの手術の場合は30万円程度、また、胃の一部切除となると130万円程度となります。

また、抗がん剤治療などでは、投薬と休止のサイクルで効果を見ながら何度か進めていきます。1つのサイクルは1ヶ月半ほどかけて行います。その費用は100万円程度の平均額となるそうです。

そして放射線治療の場合は、外部照射と内部照射の方法があり、放射線を浴びることにはなりますが、治療そのものには痛みはないため、抗がん剤よりも負担は少ないようです。この費用は、60万円程度となるそうです。

しかしこれらの治療費は健康保険が利用できますので、実質3割負担となります。それでもある程度のまとまった治療費が必要になりますし、治療中は仕事ができないということも考えられますので、収入の減少も合わせると、さらに費用が増すと思われます。

もう一つ、先進医療といわれる放射線治療は、重粒子線治療・陽子線治療などがあり、これらの先進医療については健康保険の適用外となるため、費用は約300万円と高額となり、すべて自己負担となります。がんのみに放射線をあてる治療方法になるため、その技術は素晴らしく、身体の負担はほとんどないぐらいです。

受けられるのであれば受けたいと思いますね。しかし、高額なのがネックとなります。このように、がんの治療には高額な治療費がかかります。

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞での治療費は、平均14~16日程度の入院となり、その平均治療費は約180万円程度となります。これは手術費用なども含めての平均額となります。もちろん健康保険などを適用した場合、約45万~55万円程度の実費となることがあります。

脳卒中

脳卒中での平均入院日数は26日程度ですが、障害が残ったり介護状態になったりした場合は、更に長期の入院になることも少なくありません。発症してからできる限り早い治療が必要になりますが、多くは外科的治療となります。

入院と手術費などを合わせた医療費の総額は平均約190万円程度で、もちろん健康保険が適用されますのでこの3割負担の60万円程度の費用がかかります。しかし、これも入院と手術の費用の平均となりますので、仕事ができない状況などを考えると、収入の減少についても考えていかなければなりません。

また長期化する場合には、更に費用がかかることも予想されます。リハビリ施設への入所や介護施設への入所となると、高額な費用がかかることが考えられます。

三大疾病での準備したい費用

がん・急性心筋梗塞・脳卒中の三大疾病になった場合に、ある程度の費用がかかりますね。しかし、健康保険には「高額療養費」があります。1ヶ月の入院手術などの医療費の負担は約8万円程度で抑えることができます。

1ヶ月8万円ですので2ヶ月でも16万円の費用で済みますね。しかし、やはり考えたいのは収入減少のリスクです。治療は長期化することも考えられますし、上限が8万円程度とはいえ、毎月8万円ほどの支出が続くということは、かなり厳しい経済状況となるのではないでしょうか?

やはり総合的に考えると、三大疾病に備える金額は、治療費や収入減少なども考えて、自身の年収分ぐらいは準備しておくのがおすすめです。たとえ、しばらく仕事ができない状態であっても、年収分ぐらいの備えがあれば、安心して治療に望めるのではないかと思います。

三大疾病に備えたい | ソニー生命保険
参照元:ソニー生命(2015年12月、著者調べ)

三大疾病保険の支払い条件の注意点

三大疾病に備える保険の種類には「特定疾病保障保険」「三大疾病保障保険」などの名称があります。内容については、細かい違いはあるものの、おおよそ似たような内容のものが多いようです。

一時金で支払われるタイプの三大疾病保険の内容は以下のようになります。

【がん(悪性新生物)】
被保険者が責任開始以降に初めて「がん」と診断された場合に給付金が受取れます。上皮内がんの場合は、保障されるものと保障されないものがあります。通常、90日間の支払の免責期間があり、責任開始日から90日間に「がん」と診断された場合は保障されません。

【急性心筋梗塞】
被保険者が責任開始以降に初めて「心筋梗塞」を発病して、その診断を受けてから60日以上の労働制限を必要な状態が続いた場合に、給付金が支払われます。

【脳血管疾患(脳卒中・脳梗塞)】
被保険者が責任開始以降初めて「脳血管疾患」を発病して、その診断を受けてから60日以上の労働制限が必要な状態が続いた場合に、給付金が支払われます。

※保険会社により異なりますので注意してください。

がんの場合は、がんと診断された場合に給付金を受取れますが、心筋梗塞や脳血管疾患の場合は、60日以上の労働制限がなければ支払われないという条件がついていることが多いのです。60日もの労働制限をされる状態とは、かなり重い状態と判断できますね。しかし、最近の保険は手術をしたら受取れるなどの要件となっている保険もあります。

保険金などについてのご説明|日本生命相互会社
参照元:日本生命相互会社(2015年12月、著者調べ)

がん保険について

いわゆる「がん保険」と呼ばれるタイプの保険では、原則として、がんになったときの一時金・入院・手術・通院・死亡保障などの保障がついています。それに加えて、先進医療の保障もあるものもありますが、この先進医療に関しては実際にかかった治療費を支払うという形になっています。

一昔前の「がん保険」には、この通院保障というものがついていませんでした。最近は通院治療での抗がん剤投与も多くなっているため、こういった治療の進化とともに保険も新しく変わっています。逆に、がんでの入院日数は少なくなっている傾向にあります。加入を検討するときは、通院の保障がついているかを確認しましょう。

新 生きるためのがん保険Days: 特長|アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
参照元:アフラック(アメリカンファミリー)(2015年12月、著者調べ)

三大疾病保険は必要なのか

こうした医療保険は本当に必要なのかどうかと思われる方も多いと思います。がん家系じゃないから必要ないといわれる方もいますよね。がんは遺伝ではなく、細胞の故障だと考えてください。その小さな細胞の故障が増え続けることで、「がん」として認識できるまでに大きくなるのです。これは誰にでも起こり得ることです。

健康保険の高額療養費も利用できるので、そんなに大きな保障は必要ないのでは?と思われる方も多いでしょう。しかし、月8万円の負担が長く続いたら…仕事ができない状態が長く続いたら…ということを含めて考えると、やはりある程度の保障は必要になると思います。

年収分ぐらいの一時金を受取れることができれば、治療が長引いても安心感は増しますし、収入の減少による不安も少なくなりますね。しかし、金額が高くなれば、当然保険料も高くなります。また、年齢が高くなれば、同じように保険料も高くなります。もし考えているのであれば、早めに準備しておくのが良いと思います。

不安を解消するために

三大疾病の保障については、やはり不安を解消するために入るものだと思います。最低限の保障でも構わないので、ある程度のまとまった一時金が出るタイプがおすすめです。がんだけでなく、心筋梗塞や脳血管疾患なども、若い人がならないとは限りません。

そして特に女性の場合は、若いうちのがんのリスクが男性よりも高いのですから、健康なうちに早めに検討していくと良いでしょう。

まとめ

三大疾病は、誰でも起こり得るものです。特にがんについては2人に1人がかかる時代です。なにかしらの保障を持っておくと良いでしょう。その選ぶポイントは、保障の内容も必要ですが、自身が支払える保険料はいくらなのかという点です。

保険は続けていてこそ、いざという時に役に立ちます。あれもこれも必要だからと、保障を大きくしすぎて保険料が支払えなくなったということになると、いざという時にその保険の効力が無くなっている可能性もあります。

自身の可能な支払える保険料の予算内で入れるもの、そしてその中でも保障の大きなものを選んでいくと良いでしょう。