産休手当てに関わる3つの制度を解説!支給条件や注意点とは?

出産・産休時に国からもらえるお金には3種類あるってご存知でしたか?健康保険・雇用保険に加入している人は正社員ではなくても産休手当てが支給される可能性があります。制度についてまとめたので参考にしてみてください。



産休手当てに関連する3つの制度

産休手当てに関する支給は、健康保険に加入していれば利用できる出産育児一時金・出産手当金と雇用保険に加入していれば利用できる育児休業給付金という3つの制度があります。それぞれ支給される目的が異なり、出産育児一時金は出産時の医療補助として・出産手当金と育児休業給付金は、産休・育休で会社を休む場合に支給される制度です。

育児アルバイトや派遣社員でもこれらの産休手当てが受けられるのか不安になっている人も多いようですが、産休手当てを支給されるかどうかは雇用形態よりも自分がその保険に入っているかどうかによります。それぞれの特徴をまとめました。



出産育児一時金(健康保険)

健康保険に加入していれば、一人出産するごとに約420,000円の出産育児一時金が支給される制度です。この制度は、あらかじめ自分が医療費を立て替えておき、あとで全国健康保険協会に支給額を請求する制度ですが、全国健康保険協会から直接医療機関に医療費を支払ってもらう「直接支払制度」を利用することもできます。

出産には高額な医療費がかかるものですが、一度も立替えることなく医療費を直接支払ってもらえるので助かりますね。また、医療費が420,000円に満たなかった場合の差額は被保険者に支給してもらえます。しかし、出産育児一時金を受給するにあたって数点注意点があります。

妊娠4カ月以上の出産であること

ここでいう出産には死産や早産も含まれますが、全ての出産にあてはまるわけではありません。妊娠4カ月(85日)以上の出産が対象となっています。

退職した場合も受給が可能

妊娠し、その後のライフプランを考えて一旦退職する人もいるかもしれません。出産育児一時金は退職後も受給ができます。しかし一定の要件がありますので注意が必要です。例えば、退職するまでに継続して1年以上の期間被保険者である期間があること。

既に退職している人の制度である任意継続は該当しません。また、退職日の翌日から6カ月以内の出産であることが条件となっています。

扶養でもOK

夫の健康保険に加入している妻、いわゆる被扶養者の場合でも、「家族出産育児一時金」として同様に支給されます。

利用は医療機関へ問合せを

出産育児一時金を利用する場合には、特にあらかじめの手続きは必要ありません。医療機関に医療費を支払った後、「健康保険出産育児一時金支給申請書」と添付書類をつけて全国健康保険協会に提出します。直接支払制度を利用する場合には、出産を予定している医療機関に問合せをしてください。

医療機関を退院するまでの間に「直接支払制度の利用に合意する文書」を出す必要があります。また、全国健康保険協会ではなく健康保険組合に加入している人の場合には、加入している健康保険組合に問い合わせしましょう。
 

出産育児一時金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月時点、著者調べ)

子どもが生まれたとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月時点、著者調べ)

出産手当金(健康保険)

出産から育児休暇中は、福利厚生のしっかりした会社であれば休暇中も給与が支給されることもありますが、基本的には働くことができないためにその間は無給になってしまいます。育児休暇は人によりますが長ければ半年や一年以上続く場合もあるため、この期間まったく妻の収入がなくなるのは家計に響くものです。

出産手当金は、被保険者が会社を休んでいる間に会社から給与が支払われない場合に支給される頼もしい制度です。支給金額は、1日につき標準報酬日額の2/3に相当する額と決まっています。例えば月額給与200,000円の人が、出勤すべき日数を通算で70日休んだ場合の出産手当金額はこのようになります。

・標準報酬日額:6,670円×2/3=4,447円
・4,447円×70日=311,290円

傷病手当金支給日額・出産手当金支給日額早見表
参照元:協会けんぽ(2015年12月時点、著者調べ)

出産が予定日より遅れた場合は?

出産予定日に予定通り出産しないことは多いものです。出産手当金は支給される日数に制限がありますが、その制限を超えて出産予定が先延ばしになった場合には、実際に出産した日までの期間も支給されます。

支給されない場合もある

出産手当金はあくまで、給与が出ない分の補てんという役割です。そのため、勤務先から何らかの報酬が支給される場合は手当金が減額され、場合によっては支給そのものがなくなることもあります。

出産手当金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月時点、著者調べ)

出産で会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月時点、著者調べ)



育児休業給付金(雇用保険)

出産後育児休業をした場合に雇用保険からもらえる産休手当として、「育児休業給付金」という制度があります。これは生後1歳、または1歳2カ月未満の子どもがいる被保険者が育児休業を取得した場合に支給される手当です。しかし雇用保険に加入してさえいれば支給されるわけではないようです。

休業する前の2年間の間に「賃金を支払われた日数が11日以上ある月」が最低でも12回ある人が支給対象となります。

支給額の計算方法

育児休業給付の算出方法は以下の通りです。
休業開始時賃金日額×支給日数の67%(給付から6カ月以降は50%)相当額

【例】毎月200,000円支給されていた場合
・200,000×0.67×6=804,000
・200,000×0.5×4=400,000
合計1,204,000円が育児休業給付として支給されます。

支給額には上限がある

育児休業給付金はあくまでも賃金が出ない期間のサポートです。そのため、育児休業中に支払われる賃金がある場合は、休業開始前の賃金の2割未満であることが必要です。例えば月200,000円の賃金をもらっていた場合、育児休業中に月40,000円以上もらっていると支給対象にはなりません。

その他にも育児休業給付には、【426,300円】という支給上限があります。算出したときに426,300円以上になったとしても、この金額以上は支給されません。

退職したら支給されない

支給対象者は、育児休業が終わった後職場に復帰する予定の人です。妊娠・出産を機に退職する場合には支給対象にはなりません。また、復帰する予定だったけれど育児休業の途中で退職した場合には、支給が打ち切りになります。

育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて
参照元:ハローワークインターネットサービス(2015年12月時点、著者調べ)

まとめ

出産・育児に伴う産休を取るのは、経済的に不安がのしかかるものです。しかし健康保険と雇用保険に加入して一定の条件を満たしていれば、産休手当てとして給付金や一時金が支給されます。これらの仕組みを理解して、賢く利用しましょう!