【日本学生支援機構】奨学金の保証人って?保障制度の基礎知識

大学での奨学金を申し込むときに、必ず保証制度を選択する必要があります。それは保証人が必要なのでしょうか?奨学金の保証人についてと、奨学金についての疑問を解消していきましょう。



日本学生支援機構の奨学金とは

「日本学生支援機構」とは「JASSO」という名で、大学や短期大学・高等専門学校や専修学校、そして大学院などで学ぶ学生を対象にした、国が運営する奨学金となっています。この奨学金は貸与型となっており、これまで多くの学生が利用しています。

奨学金は、学生本人に貸与して、卒業後は学生本人が返していきます。そして、学生が学ぶための支援として活用していくものですので、有効に利用をしていきましょう。

奨学金を貸与された学生が、卒業後に返還しているお金が、今の学生の奨学金として貸与されている形で、先輩から後輩へと奨学金のリレーをしているようなものになっています。

なお、奨学金については、在学している学校を通しての申し込みとなります。

JASSOの奨学金とは-JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)



国内の奨学金の種類

日本学生支援機構の奨学金には2種類あり、国内奨学金と海外留学奨学金となっています。ここでは、国内の奨学金についてみていきましょう。

国内の奨学金には、利息なしの「第一種奨学金」と、利息ありの「第二種奨学金」、そしてこの第一種と第二種の奨学金と合わせて貸与できる「入学時特別増額貸与奨学金」があります。これは利息がつくものになり、入学時の一時金として利用できます。

第一種奨学金(無利息)

第一種奨学金は、利息がつきません。その対象は、大学院や大学、短大、高等専門学校、専修学校に在学する生徒で、特に優秀な学生や生徒であり、経済的理由で就学が困難な人が選考対象となります。また、貸与月額については、所定の条件で決められています。

無利息で借りられるのは、特に優秀な学生ですので、一般的には少ない人数が対象となってきますね。

第二種奨学金(有利息)

第二種奨学金は、その貸与金に利息がつきます。対象は第一種と同じ学生となりますが、選考基準は第一種よりも緩和されています。また、貸与月額については、本人が5種類の中から自由に決めることができます。そして在学採用の場合、その年度を4月までさかのぼって借りることができます。

学校への在学中については無利息ですが、卒業後は年利3%を上限とした利息がついてきます。平成26年度では、利息固定の場合は年0.89%、利息変動の場合は年0.30%となっています。

入学時特別増額貸与奨学金(有利息)

入学時特別増額貸与奨学金は、入学のときの一時金として利用するための奨学金です。第一種と第二種と合わせて利用することができますが、入学前に貸与するものではないので注意してください。その貸与金額については、10万円・20万円・30万円・40万円・50万円の5つの中から、選択をします。

この奨学金は、日本政策金融公庫の国の教育ローンが利用できなかった場合に、その世帯の学生や生徒が対象となります。

奨学金の種類-JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)

奨学金の保証制度について

奨学金の保証制度については、奨学金を申し込むときに、「機関保証に加入する」もしくは「連帯保証人と保証人を選任する」のどちらかを選択しなければなりません。

この選択の意味がいまいちよくわからない、という方は思いのほか多いようです。この保証制度についてみていきましょう。
機関保証に加入する場合は、保証機関(日本国際教育支援協会)が連帯保証をすることになります。この場合、一定の保証料が発生します。その保証金については、毎月の奨学金から差し引いて支払う形となります。

連帯保証人や保証人については、保証機関が行いますので、不要です。 連帯保証人と保証人を選任する場合は、連帯保証人と保証人はそれぞれに選任をする必要があります。

連帯保証人については、父母もしくは、父母がいない場合については、父母の代わりになる人となります。また、保証人については、原則、4親等内の親族であり、連帯保証人とは生計を別にしている人となります。

4親等内とは、兄弟や叔父叔母、伯父伯母、いとこが対象になってきます。また祖父母も可能ですが、年齢的に無理な場合もあります。

保証制度について−JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)



機関保障と人的保証

奨学金を借りるのは、学生本人です。しかし、その返済を保証する人がいなければ貸すことはできません。その時に、日本学生支援機構では、その保障を「人的保障」と「機関保証」のどちらかを選びます。つまり、誰に返済の保証をしてもらうかを選ぶということです。

「人的保証」は保護者が連帯保証人となります。そして保証人は4親等内の親族になってもらいます。「機関保証」はその連帯保証人や保証人を、日本学生支援機構の指定している保証機関に保証してもらうということになります。

人的保証を利用する場合のメリットデメリット

人的保証を利用する場合は、まず、保証金という手数料がかからないことがメリットでしょう。

しかし、連帯保証人・保証人ともに、所得証明書や印鑑証明書が必要になります。また、保証人については65歳未満という年齢制限の条件があります。さらに、将来、お金をかりた学生が奨学金の返済ができなくなった場合に、連帯保証人や保証人がその返済を請け負うことになります。

つまり、返済責任については、奨学金とはいえ一般のローンと同じと考えてもいいということになります。

機関保証を利用するメリットデメリット

人的保証が連帯保証人や保証人が必要なのに対して、機関保証は、この連帯保証人や保証人が必要ありません。これが1つ目のメリットとなります。
なお、学生が将来、返済が出来なくなったとき、人的保証では親や親戚に迷惑がかかりますが、機関保証で保証をしてくれているため、そういった心配がありませんね。これは2つ目のメリットでしょう。

しかし、デメリットとしては、保証機関を利用した場合は、保証料を支払わなくてはならなくなります。

この保証料は実はそれほど安いものではありません。

例えば、奨学金月額50,000円に対して、月額保証料は2,246円、4年間を合計すると、107,808円もかかります。月額が80,000円に対しては、月額保証料は4,627円、4年間の合計は、223,536円にもなります。

もちろん借りる月額で違ってきますが、思った以上に高いと思いませんか?

奨学金の手取りが少なくなる

もう一つのデメリットは、保証料の支払い方法になります。この奨学金の保証料は、毎月奨学金から差し引いて受け取るという形になります。

つまり、80,000円の奨学金を借りた場合は、4,600円ほどの保証金が引かれるため、実際に受け取る金額は75,400円となってしまいます。1年間では55,000円程度の保証料となりますね。

機関保証制度について-JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)

人的保証と機関保証のどちらがいいのか?

では、どちらを選ぶのがいいのでしょうか?

「保証人をお願いできる人がいない」という人も多くなってきています。さらに、保証人になってもらう人は、65歳未満という条件もあるため、難しいという現実もあります。そのため、機関保証を選ぶ人も増えています。

どちらがいいのかという点では、保護者の経済状況・親戚との人間関係などがポイントとなってきます。

保護者の経済状況がよいのであれば、もし支払えなくなったとしても、返す力がありますので、保証料のかからない「人的保証」を選ぶのが良いでしょう。しかし、保護者が経済的に厳しいということである場合、親戚に迷惑をかけることになってきます。

この場合は、親戚との関係性が大きく関わってくるでしょう。もし迷惑をかけたくないということであれば、「人的保証」を選択することはやめて、機関保証を選択することをおすすめします。

もし、奨学金をかりた学生本人が破産という状況になった場合でも、保証機関での保証となるので、親や親戚には迷惑をかけることもありません。

それぞれの家庭の事情などを考えて、「人的保障」を選ぶのか「機関保証」を選ぶのかを選択すると良いと思います。

機関保証制度の申込み手続き

奨学金の申込みと機関保証制度の申込み手続きは、学校が窓口です。保証依頼も奨学金申し込みと同時となります。また、未成年者については、親権者もしくは後継人の自署と押印、また本人以外の連絡先も費用です。これは本人と連絡が取れないときの照会先となります。

奨学生制度に採用された場合は、保証依頼書と返還誓約書を提出します。これも学校の窓口となります。

人的保証制度の申し込み手続き

人的保証での奨学金の申込みについても、学校の窓口になります。奨学生制度に採用された場合は、返還誓約書を提出します。このとき、連帯保証人と保証人にも記入をお願いします。

また、連帯保証人の必要な書類は「印鑑証明書」と「収入に関する証明書」、保証人については「印鑑証明書」となります。

機関保証制度について-JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)

その他奨学金について

奨学金の振込みはいつ?

奨学金の申込みをし奨学生として採用されると、奨学金が振り込まれます。では、いつごろ奨学金は受け取れるのでしょうか。

予約採用での採用候補者となっている人については、入学後の手続きの時期によって、初回振込みは4月21日・5月15日・6月11日のいずれかとなります。入学後の在学採用での採用決定の場合は、初回振込みについては6月11日・7月10日のいずれかとなります。

また、金融機関の休日に振込み日が重なった場合は、その休業日の前営業日の振込みとなります。

また奨学金は、在学中から卒業するまで月に1回、本人口座に振り込まれます。これは本人の口座以外は振込みができませんので、注意してください。

予約採用の奨学金はできる?

進学前の奨学金の手続きを「予約採用」といいます。手続きについては、現在通っている学校を通してとなりますので、学校に確認をしてみましょう。また、高校卒業認定による進学の場合の予約採用については、直接、日本学生支援機構への申込みとなります。

初回振込みは、入学後となります。入学前には振り込まれませんので注意してください。

1年浪人後の採用候補決定通知は有効?

1年浪人後に、高校生のときにとった「奨学生採用候補者決定通知」については、使えませんので、新たに申込みをする必要があります。予約採用については、高校卒業後2年内の人であれば、出身の学校から申し込みができますので、確認してみてください。

また、進学後の申込みも可能になります。入学後すぐに大学へ問い合わせをしてみましょう。

急に奨学金が必要となった場合は?

家庭の事情などにより、緊急で奨学金が必要となった場合には、「緊急採用」または「応急採用」という奨学金の制度があります。「緊急採用」については無利息で、「応用採用」については利息がつきます。

この制度は、失業や破産・事故・病気・保護者の死亡、または災害や学校の廃止などによって、家計が急変し、家計状況が厳しくなり、奨学金が必要となった場合に申請が可能となります。

ただし、大学・短大などに在学中の場合が対象となりますので、予約採用ではこの制度は使えません。こちらの申し込みについては、学校の奨学金担当に相談してみてください。

奨学金Q&A〜これから奨学金を申し込む方〜-JASSO
参照元:日本学生支援機構(2015年12月、著者調べ)

まとめ

日本学生支援機構での奨学金制度は、国での運営となっていますので、他の奨学金との併用も可能となっています。そして、この奨学金制度は、当然のことながら卒業後は確実に返済をすることが大切です。なにより、返済をしたお金で、今の学生の奨学金を貸与できるようになっているからです。

足らないお金を奨学金で借りて、学ぶために使えるということはとても良い制度だと思います。しかし、基本的にはこれは一般のローンと同じものだと考えるようにしましょう。そして、遊ぶために安易に奨学金制度を利用してはいけません。

卒業後の返済は、結婚しても続くことがあります。これによって生活が圧迫するということもありえます。本当に必要な人が、この奨学金制度を利用することを考えましょう。

また保証人については、その保障制度によって違いますが、人的制度を利用する場合は、返済が滞った場合に、親や親戚に迷惑をかけます。自身が返すのだという意識が必要になります。

学生を終え、社会人になるころには、既に成人となっているでしょう。大人としての意識をしっかり持ってこの奨学金制度を上手に利用していきましょう。