《母子家庭の補助》いざという時の為、知っておきたい9の補助金

もし今、あなたとあなたの家族に必要が無くても、ある日突然必要になる日が来るかもしれません。その時のために、頭の片隅に入れておいてほしい事があります。



母子家庭とは

母子家庭とは、ひとり親家庭、特に母と子の世帯のことを指してそう呼びます。未婚で子供を出産、育てている家庭や、配偶者との離婚や死別によって、どちらか片方の親が子供の養育をしている状況です。父親と子供の組み合わせでは「父子家庭(ふしかてい)」と呼び、母親と子供の場合は「母子家庭(ぼしかてい)」といいます。



母子家庭の補助とは

男性に比べると女性は経済的困窮に陥りやすいという考えから、母子家庭にはさまざまな補助や減免制度があります。この記事では、思に母子家庭への補助、減免制度についてご紹介したいと思います。

もしも離婚を考えているのならば、今から手続きをスムーズに進めるための準備ができます。また、もし離婚の予定が無くても、ある日突然の不幸が襲ったときに不必要な不安を抱えずに済むために、是非一度目を通しておいてください。

全てを完全に知っておく必要はないかもしれません。しかし、そういう補助があるという事を頭の片隅に入れておくだけでも、もしもの時に思い出せれば、少しでもあなたとお子さんとの生活の助けになるかもしれません。

補助は大きく二つに分けて、手当や助成金などと、減免制度との二つに分かれます。この記事では、主に手当・助成金についてをご紹介したいと思います。

母子家庭の手当と助成金

1.児童手当

中学校修了までの、国内に住所を有する児童に対して支給されます。受給資格者は観護生計要件を満たす父母等です。支給額は2015年12月現在以下の通りになります。

■0~3歳未満 一律15,000円
■3歳~小学校終了まで 第一子、第二子 10,000円、第三子以降15,000円
■中学生 一律10,000円
■所得制限以上(年収960万円以上)一律5,000円
※所得制限は、夫婦2人に子供が二人の家庭で960万円未満

児童手当は4カ月に1回の支給で、6月、10月、2月となっています。

児童手当について |厚生労働省
参照元:厚生労働省HP (2015年12月筆者調べ)

2.児童扶養手当

児童扶養手当(じどうふようてあて)とは、両親が離婚するなどして、どちらか片方の親からしか養育を受けられない、ひとり親家庭に対して地方自治体から支給されるものです。

受給対象になるのは、以下の要件に該当する者のうち、養育者の所得が一定の水準以下の場合の児童となります。

<児童扶養手当に該当する要件>
■父母の離婚
■父母どちらかが死別
■父母のとちらかが一定程度の障害状態にある
■父母のどちらかが生死不明の状態にある
■その他以下のような場合
・父母に遺棄されている児童
・父母のどちらかが1年以上拘禁んされている児童
・母親が未婚のまま懐胎した児童
・孤児など
この要件がどの自治体でも共通するものとなり、この要件に該当し、かつ養育者所得が一定水準以下である事が条件となります。

また、以下の場合は支給制限対象となりますので、こちらも注意しましょう。
■児童、または請求者が日本国内に住所を有していない
■児童が児童福祉施設などに入所している、または里親に委託されている
■児童が父母ともに生計を共にしている場合(規定の障害状態の場合は除く)
■児童が父・または母の配偶者(再婚相手や同性相手)に養育されている場合。

支給額は、2015年12月現在、東京都の場合を例にとりますと、児童一人の場合、制限所得内で全額支給される場合で月額42,000円となります。一部支給の場合は、所得に応じて月額9,910円から41,990円までの間で10円単位で変動します。児童が二人以上の場合は第二子5,000円加算、第三子以降一人につき3,000円加算となります。

児童扶養手当は、居住する市区町村の窓口で手続きをする事で初めて受給されるものですので、必要書類などは早めに窓口に問い合わせましょう。

児童扶養手当は物価の変動などにより毎年見直されます。

児童扶養手当 東京都福祉保健局
参照元:東京都福祉保健局 (2015年12月筆者調べ)

3.特別児童扶養手当

20歳未満の精神または身体に障害のある児童を家庭で観護・養育している父母等に支給されます。扶養義務者の前年所得が一定以上になると受給はできませんので、突然の離婚や死別の場合、前年度は収入が規定を超えている可能性が高いので、翌年以降受給対象になる可能性があります。

支給月額は、1級で51,100円、2級で34,030円です。4カ月分をまとめて年3回受け取ることになりますので、受給資格がある場合は早めに手続きをしましょう。手続きは居住する市区町村の窓口にて行います。

特別児童扶養手当について|厚生労働省
参照元:厚生労働省HP(2015年12月筆者調べ)

4.児童育成手当

死別や離婚などで父または母のいない児童を養育している人に対して支給されます。地方自治外からの支給ですので、居住する市区町村の窓口で手続きが必要です。ここでは東京都を例にとってご紹介します。

<支給対象>
受給する市区町村に住所を有することを前提条件として、
■父または母が死亡した児童
■父または母が重度の障害を有する児童
■父母が離婚した児童
■父または母が生死不明の児童
■父または母に1年以上遺棄されている児童
■父または母がDV保護命令を受けている児童
■父または母が法令により1年以上拘禁状態にある児童
■婚姻によらないで生まれた児童
■父母ともに不明の児童

また、以下の場合は支給対象となりません。

■児童が児童保護施設に入所している
■父および母と生計を共にしている児童
■父または母の配偶者と生計を共にし、養育されている児童

支給額は児童一人に対して月額13,500円です。ほかの手当と同じく、前年度所得が一定基準以上ある場合、受給対象にはなりません。

児童育成手当(東京都制度)|東京の福祉オールガイド|福ナビ
参照元:とうきょう福ナビ(2015年12月筆者調べ)

5.遺族年金

遺族年金は、亡くなった人の生前の職業によって「遺族基礎年金」、遺族厚生年金などと呼び方が変わります。遺族年金を受け取れる遺族の範囲も金額も、年金の種類によって違います。生前加入していたのが国民年金の場合、「遺族基礎年金」をうけとることになりますが、こちらは遺族に18歳未満の子供がいなければ受給することはできません。

一方、亡くなった人が生前加入していたのが厚生年金の場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給することが出来ます。ただし、遺族基礎年金の分に関しては、遺族基礎年金の要件である18歳未満の子供の有無により受給できるか否かが変わります。

受給できる年金の額は、亡くなった人が生前加入していた年金の種類、子供の人数によって変わります。また、遺族基礎年金も遺族厚生年金も、すべての子供が18歳以上になった段階で、「18歳未満の子供がいない」状態にあることになりますので、受給資格は喪失、または減額となります。

公的な遺族年金の仕組みについて知りたい|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人生命保険文化センター(2015年12月筆者調べ)

6.母子・父子家庭のための住宅手当

各自治体によって額は変わりますが、ひとり親家庭のための住宅手当があります。
例えば、東京都多摩市や清瀬市の場合、月額10,000円以上の家賃を支払っているひとり親世帯に対して、助成を行っています。

東京都東久留米市のHPが詳しく書かれていたので、ご参考までに紹介します。東久留米市でのひとり親家庭への住宅手当を受けるための要件は、以下のようになっています。

18歳未満の子供と同居するひとり親家庭であり、かつ以下の要件を満たす場合

■自らが居住する民間の賃貸住宅を契約し、その賃借料を支払っている
■児童育成手当所得制限未満である
■その他から住宅手当を受けていない

ここでいう「民間賃貸住宅」とは、公営住宅、社宅、官舎、寮、UR賃貸住宅、元配偶者や親族の所有する住宅を除く、市内に所在する賃貸住宅を指します。支給される手当額は月額3,500円です。

ひとり親家庭住宅手当(市の制度)|東久留米市ホームページ
参照元:東久留米市HP(2015年12月筆者調べ)

育児・子育て情報 | 制度登録日本一の育児助成金白書
参照元:育児助成金白書(2015年12月筆者調べ)

7.生活保護

どんなに頑張っても、1人で子供を抱えて生きていくというのはとても大変なことです。持ちうる限りの能力、資産を活用してもなお生活に困窮する場合、国の制度として「生活保護制度」があります。最近何かと不正受給などが騒がれていますが、ひとり親家庭など、本当に必要としている人こそこうした制度を利用するべきですので、是非自治体の窓口で相談をしてみましょう。申請窓口は、居住する地方自治体の福祉事務所・生活保護担当です。

生活保護は世帯単位で行い、最低限の生活を維持するために活用することが前提であり、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。つまり、親戚などで助けを求めることが可能な人がいるのならば、そちらへ助けを求めるのが先で、それでもだめなら最後の手段として生活保護を使え、ということです。

生活保護の内容には、日常生活に必要な費用などが含まれますが、そこに母子加算というものが母子家庭では加算されますので、一般的な生活保護よりはほんの少し額が増えます。また、生活保護を受けることで医療機関での自費負担がなくなりますので、子供が体調が悪くなっても臆することなく、早めに診療を受けさせてあげることが可能になります。

生活保護制度 |厚生労働省
参照元:厚生労働省HP(2015年12月筆者調べ)

8.ひとり親家庭等の医療費助成制度

ひとり親家庭には、地方自治外が独自に支給する乳幼児医療制度とは別に、医療費の助成制度があります。助成の対象となるのは以下の場合です。

■児童を観護しているひとり親家庭の父または母
■両親がいない児童などを養育している者
■ひとり親家庭の児童、または養育者に養育されている18歳に達した年度の末日までの人

但し、ひとり親であっても収入が規定を超えていたり、生活保護を受けていたりすると対象外になります。助成される範囲は、国民健康保険や健康保険の自己負担分から一部負担金を差し引いた額となります。住民税課税者は自己負担1割、住民税非課税者は医療保険の自己負担分を助成し、負担金ゼロになります。

助成されるのは、医療保険でカバーされる医療費、薬剤費などになります。予防接種や薬の容器代、健康診断などは含まれません。ほかにも、学校管理下での傷病で、日本スポーツ振興センター法に基づく災害共済給付制度対象の場合なども対象外です。

住民税非課税世帯ならば窓口負担がゼロですが、住民税非課税世帯でない場合は、自治体で乳幼児医療費助成制度などを利用すると窓口負担がゼロという場合もありますので、どちらがより負担を軽くすることができるか、窓口に問い合わせをしてみましょう。

ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親) 東京都福祉保健局
参照元:東京都福祉保健局(2015年12月筆者調べ)

9.小児医療費助成制度

各自治体が行う助成で、その自治体に居住し、健康保険に加入している小児に対して、それぞれ医療機関の受診時や、投薬を受けた際などに薬局での窓口負担金を助成するものです。居住する自治体により内容がまちまちで、例えば2015年12月現在、横浜市ならば小学校3年生までは通院・入院ともに保険診療の一部負担金が対象となり、医療機関での自費負担ゼロですが、小学校4年生から中学卒業までは入院時の保険診の一部負担金のみになります。

これが隣の川崎市になると、小学校2年生までは通院・入院ともに保険診療の自己負担額が全額助成されますが、小学校3年生から中学生までは、入院のみ保険診療の自己負担分が助成されるようになり、いったん支払いをした後に市役所の窓口などで申請するという方法になります。

横浜市も川崎市も、所得制限があり、所得と子供の人数により医療費の助成が受けられない場合もあります。一方で、窓口での負担は上限を500円にとどめる代わりに、所得制限を設けないという自治体もあり、その内容は自治体によりかなりばらつきがあります。

全国どの自治体にも共通するのは、生活保護を受けていたり、ひとり親家庭等の医療費助成を受けている場合は、この小児入用費助成制度を受けることが出来ないということです。住民税課税対象になっていて、健康保険に加入をしているのであれば、ひとり親家庭等の小児医療費助成制度をりようするか、自治体の小児医療助成制度を利用するか、お子さんの医療機関の利用頻度などを考慮して選択をする必要がありそうです。

横浜市 健康福祉局 小児医療費助成
参照元:横浜市福祉局(2015年12月筆者調べ)

川崎市:小児医療費助成事業
参照元:川崎市HP(2015年12月筆者調べ)



母子家庭の割引と減免制度

母子家庭には、前項でご紹介したような助成以外に、自治体によって様々な割引や減免制度があります。例を挙げると以下の様なものがあります。

1.所得税・住民税の減免
2.国民年金・国民健康保険料の免除・減額
3.交通機関の割引制度(児童扶養手当を受給している場合)
4.粗大ごみ等処理手数料の減免制度
5.上下水道の基本料金減免制度
6.預金利子非課税制度
7.保育料の免除・減額

これら制度の割引や減免を受けるためには、各自治体が設ける条件をクリアする必要があります。また、受けられる減免内容も自治体によりさまざまですので、自治体の窓口に相談をしてみるのが一番でしょう。

知っている人だけ

こうしていろいろな助成や減免をご紹介していて思うのは、法律や制度は知っている人ほどその恩恵を受けられるのだ、ということです。母子家庭に何かしら手当はあるだろう、程度の知識だと、もしかしたら制度をきちんと知っている人とでは受けられる助成や減免に大きな差があるかもしれません。

助成や減免の多くは、自分から窓口で申請や手続きをして初めて受給対象になるものです。つまり、自分から「私は困っている」という申し出をしない限り、助けてはもらえないということです。

私自身、上下水道の基本料金が減免されるというのは、今回この記事を書く際に調べて初めて知ったことです。保育料の免除や減額くらいはなんとなくありそうだと想像はできますが、交通機関の割引制度なども初耳でした。「自分には関係ない」などと思わず、日ごろからアンテナを張っておく必要があるのだと改めて感じました。