日本の「子どもの貧困」をなくすために今できること

日本の子ども貧困率は先進国でもかなり高く、2012年の調べでは16.3%と実に6人に1人の子供が貧困状態にあり、特に一人親世帯の貧困率は54%以上を占めているそうです。お腹を空かせてティッシュペーパーを口にしたり、野草を食べたりして飢えを凌ぐ子供も…。貧困世帯の人も、支援したい人も何かできることはないか考えてみました。



日本の子どもの貧困

子どもの貧困の背景

日本の子どもの貧困率は高く6人に1人の割合だと言われています。中でもひとり親世帯の半数以上、特に母子世帯の6割以上が貧困状態にあると言われており、その多くがパート・アルバイト雇用であるといわれています。

私も知人にも子供が年中と小1の頃に母子世帯になった人がいましたが、寝る暇もないほど働いてもカツカツの暮らしだったようです。日中はパートで働き、夕方帰って食事の支度、子供に食事をさせ入浴させ、寝かしつけた後で夜間アルバイト。聞いただけでも体を壊しそうな暮らしです。

朝日新聞紙上でも「子どもと貧困」の特集が組まれており、ご飯にサラダ油としょうゆをかけて食べるだけの子供、ティッシュペーパーを口にする子供、高熱が出ても薬も買えない、そんな生活を強いられている子供が今もいると考えると涙が止まりません。

母子世帯に限らず貧困の背景には、非正規雇用の拡大という社会的な問題が常にあると思われます。

子供の貧困の具体的な対策

2015年12月、政府による子どもの貧困対策の政策パッケージが発表されました。2人目以降の児童扶養手当が2016年8月分(12月支給)より所得に応じて最大2倍まで引き上げになるということです。具体的には、一人目の支給額は最大月42,000円のまま据え置き、2人目が5千円→最大1万円、3人目以降を3千円→最大6千円となるということ。

内閣府では2015年10月、子どもの未来応援プロジェクトというサイトを立ち上げ、そこから寄付も募っています。国の予算での支援は特定の地域や分野に偏って行うことができないため、柔軟に用いることのできる民間の基金を集めるほうが建設的であるという視点のようです。

実際、NPO法人による子どもの貧困対策は、子ども食堂や学習教室など直接的ですので、そのほうが役に立つという考えもあながち間違いではないのかもしれません。しかし、一人親でなくても土日が休み・残業はできないなどの条件を連ねると正規雇用されるのは難しいのが現実です。

日本の一人親世帯の貧困率は50.4%でOECD諸国の平均以下ですが、そのうち「親が就労している場合の貧困率」は50.9%とかえって上昇しているのだそうです。つまり、日本は働いても貧困から抜け出せる人が少ないという世界でも例の少ない国だということです。

実際、子供だけで留守番をさせるなどして労働時間を無理して増やさない限り低収入から脱出するのは厳しいでしょうから、貧困世帯の医療費無償化や、保育料無償化など自治体ごとに限定されない国の支援をさらに充実させないことには貧困化の解消は難しいのではないかと考えられます。

児童扶養手当、来年8月分から増額 子どもの貧困対策:朝日新聞デジタル
参照元:朝日新聞デジタル(2015年12月時点、著者調べ)



子どもの貧困で悩む方へ

利用できる制度

一般的な児童手当や子供医療費助成制度のほかに、児童生徒医療費助成制度という感染しやすい病気にかかった場合の医療費が無料になるという制度があるそうですが、自治体によって異なるということです。また自治体によっては、経済的理由で適切な診療を受けられない場合、無料低額診療を実施している医療機関がある場合も。

教育費面では、奨学金制度とは違って返済義務のない、義務教育期間の学用品費や給食費、修学旅行費などを援助してもらえる就学援助制度もあります。生活苦であることを学校側に知られたくないなどの事情はあるかもしれませんが、そのために生活に必須の費用を削るのは子供の成長に良くありませんので相談しましょう。

また、一人親家庭の場合は、児童扶養手当制度やひとり親家庭医療費助成制度などが受けられる場合がありますが、こちらも条件などは自治体によって異なります。どうしても厳しい場合は、生活保護を受けることも視野に入れましょう。

テーマから探す | 支援制度を探す | 「子どもの貧困」サポート情報提供ホームページ
参照元:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク(2015年12月:著者調べ)

相談できるところ

悩んだらまず相談できるところがあることを思い出しましょう。電話でもメールでもいいので、まず誰かに話してみることから始めましょう。だれにも頼ってはいけないと耐えるのはいけません。子供さえ食べさせられれば、と親が極限まで我慢するのもいけません。子供は親の幸せを願っているのです。

相談すれば、知らなかった支援制度などがあるかもしれませんし、民間でも無料で受けられるサービスがあるかもしれません。すべて調べて載せたいのですが、自治体によって様々なためそうもできないのです。まず困っているあなたが羞恥心を捨てて誰かに相談することが一歩です。

下のリンクにもいろいろな相談窓口がありますが、さしあたっての資金が必要な場合などは、お住まいの自治体の社会福祉協議会に小口資金貸付の相談をしてみるのも一手です。手を差し伸べてくれる人や団体は必ずあります。子供を守るためにも立ち上がりましょう!

お役立ち情報 テーマ:貧困 NHK福祉ポータル ハートネット
参照元:NHK福祉ポータル ハートネット 生活に困ったときに相談できるところのリンク集です。

社会福祉の制度 – 生活福祉資金について –
参照元:全国社会福祉協議会(2015年12月:著者調べ)

生活困窮者自立支援制度の紹介 |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月:著者調べ)

(財)全国母子寡婦福祉団体協議会–就業支援施策
参照元:(財)全国母子寡婦福祉団体協議会(2015年12月:著者調べ)

子どもの貧困を支援したい方へ

子どもの貧困のニュースなどを見聞きして、自分にも何かできることはないかと考えられる方は多いと思われます。確かに浪費などで生活苦という家庭もあるかと思われますが、一所懸命働いても貧困から抜け出せない家庭もあるのです。

非正規雇用で正規職員の半分以下の収入で同じ内容の仕事をこなし、時間的余裕もなく経済的余裕もない、そんな状況にただ耐えているだけの人も多いようです。もしあなたの周りにそんな人がいると気づいたときは、できることはしてあげてほしいと願います。

お父さんやお母さんが残業の日だけ預かる、などそういったことだけでも十分だと思うのです。私も今までは一方的に利用されているようで嫌だと思う気持ちも分かりましたが、最近ではその子がいつか同じように困った人を助けることをしてくれればそれでいいと思っています。

直接的に支援できない場合は、財団の基金やNPO法人などに寄付や活動で協力するのもいいと思われます。

子どもの貧困対策センター あすのば: ご寄付のお願い
参照元:子どもの貧困対策センター あすのば

あなたにできること | KID'S DOOR | NPO法人 キッズドアは日本のこどもを支援しています!
参照元:NPO法人キッズドア(2015年12月:著者調べ)

基金ページ – 子供の貧困対策 子供の未来応援プロジェクト
参照元:子供の貧困対策 子どもの未来応援プロジェクト(2015年12月:著者調べ)

www.kodomohinkon.go.jp

働きながら、社会を変える。
※こちらの本は、税金を除いた全額が児童養護施設「筑波愛児園」に寄付されるということです。



日本の子どもの貧困まとめ

このように、日本の子どもの貧困の背景には、子育て世代の親の働きにくさや働いても所得が増えないというこの国独特の特徴があるようです。当事者であればどこかに相談して、知らなかった情報を得るなどして乗り越えられる壁もあるかもしれません。

社会全体を変えることは難しくても、一人一人が今できることを考え助け合う世の中になれば、目の前の誰かの未来はいいほうに転がるかもしれません。いつかすべての子どもが平等に明るい未来を手に入れられる世の中になることを切に願います。