相続税・贈与税の対策をするとこんなにお得!!

一般的に相続税、贈与税の対策というのをしておいた方がいいよと言われるけれども、対策をしないとどのくらい税金がかかるか考えてみました。対策については自分から情報を収集しなければ入ってこない情報なので知っておくだけでもお得だと思います。



【相続税】について

被相続人の亡くなった時が相続税の課税のタイミングとなります。生きている間に対策をとっておくことで、相続税の負担を減らすことが出来ます。

今回は現金や預金の一部を不動産の投資に充てて節税ができる例を紹介しています。不動産の相続税法上の評価額は現金よりも低くなるので、節税に使われているものです。ただし年数を経て不動産の価格が下がる可能性もありますので注意が必要です。 別の例として資産のほとんどが不動産である場合は、不動産を売却する必要に迫られたり、生命保険の活用などで現金を用意することができます。相続税は原則として現金で一括納付になっています。生前に納税資金を用意しておいて、相続した人が安心して納税まで済ませられるようにしておくことも重要な対策です。

あるケースでは財産が不動産しかなくて、兄弟3人で分割するのにトラブルになったというケースもあります。被相続人が持っている財産の種類によって相続税対策は異なってくるのですが、共通して言えることは早くから相続対策をすること有効だと個人的には思います。



相続税の計算方法

相続税の計算方法は複雑そうですが順番やコツをしっかりつかめば電卓で計算ができます。
・まず遺産額を計算します
・遺産額から基礎控除額をひきます
・法定相続分で分割したものとして按分します
・相続税の総額の計算をして、各人の相続税額を出します(相続税の速算表を使います)
・各人の納付税額の試算をします

相続税の税額についてはこちらになります。(相続税の速算表です)
取得金額1,000万円以下/税率10%/控除額0円
3,000万円以下/15%/50万円
5,000万円以下/20%/200万円
1億円以下/30%/700万円
2億円以下/40%/1,700万円
3億円以下/45%/2,700万円
6億円以下/50%/4,200万円
6億円を超すもの/55%/7,200万円

No.4155 相続税の税率|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

相続税対策をしていない場合

前提条件は妻、長男、次男が相続人

それでは実際に具体的な数字で見てみましょう。前提条件として、相続人は妻、長男、次男の三人で財産は現金や預金が1億円、自宅の土地と建物4,800万円合計で1億4,800万円のケースです。

基礎控除額と課税遺産総額の資産を出します

まず基礎控除を引きます。基礎控除は3,000万+600万×法定相続人の数となります。つまり1億4,800万-(3,000万+600万×3)で1億円となります。残りの1億円に対して計算してみましょう。法定相続割合で計算した場合は、妻が1/2、子供が2人合わせてとなるので、長男次男ともに1/4となります。

つまり1億円を分けてみると妻は1億円×1/2=5,000万、子供1人につき1億円×1/4=2,500万が各人の法定相続金額となります。

No.4132 相続人の範囲と法定相続分|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

相続税の総額の資産を出してみましょう

先に出た金額に税率と控除額を差し引きます。つまり妻は5,000万×0.2-200万で800万、子供たちは2,500万×0.15-50万で325万円がそれぞれ相続税額となります。合計800万+325万+325万で1,450万となります。

No.4152 相続税の計算|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

最後にそれぞれの納付税額の計算をします

3人は相続税の総額を各相続人が実際に取得した割合で案分して納税します。妻の取得割合は1/2、子供たちはそれぞれ1/4です。妻は1,450万円×1/2で725万円、子供たちは1,450万×1/4で362.5万円です。妻は配偶者の税額の軽減から1億6000万までは相続税がかからないことから、725万円はゼロとなります。

残りの子供たちは一人362.5万円の相続税の負担となるわけです。つまりこの家族のこのケースの場合は362.5万+362.5万で725万円が相続税額となるわけです。

このように、自分で計算することもできますが計算がややこしい場合は、相続人と財産が分かっていた場合に入力するだけでシミュレーションを行うこともできますのでご参考にしてみてください。

No.4158 配偶者の税額の軽減|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)



相続税対策をした場合

今回何もしていなかった場合は725万円の相続税を払うことになりますが、持っていた現金や預金のうち4,000万円を現金で残して、残りの6,000万円で賃貸のアパートを購入した場合はどうなるでしょうか。

先ほどのように相続される財産が現金や預金であった場合相続税は100%、つまり1億円は1億円の価値というようにそのままの額で評価されます。しかしこの現金を建物に変えるだけで大きく納める税金は変わってきます。

今回の場合6,000万円をアパートを購入したとすると、相続税の評価額は30%~70%にまで下がるのです。さらに他の人に貸した場合にその評価額からさらに20%~30%の評価額になるといわれています。今回6,000万でアパートを購入して、その評価額は2,500万円となった場合のケースで計算をしてみましょう。

相続の基礎知識:節税対策 | 三井のリハウス
参照元:三井のリハウス(2015年12月時点著者調べ)

課税遺産総額が先ほどと違うので注意しましょう

まずは遺産金額ですが、現金4,000万+土地家屋4,800万そして、アパートの評価額2,500万の計1億1300万円で計算をします。まずは基礎控除を引くところからですね。1億1,300万-(3,000万+600万×3)で6,500万円となります。

それでは6,500万円について相続税の総額の試算結果を見てみましょう。法定相続割合で計算した場合は、妻が1/2、子供が2人合わせてとなるので、長男次男ともに1/4となります。

つまり6,500万円を分けてみると妻は6,500円×1/2=3,250万、子供1人につき6,500万円×1/4=1,625万が各人の法定相続金額となります。

相続税の総額の資産を出してみましょう

先に出た金額に税率と控除額を差し引きます。先ほどの表を参考にしてみると妻は3,250万×0.2-200万で450万、子供たちは1,625万×0.15-50万で193.75万円がそれぞれ相続税額となります。合計450万+193.75万+193.75万で837.5万円となります。

最後にそれぞれの納付税額の計算をします

3人は相続税の総額を各相続人が実際に取得した割合で案分して納税します。妻の取得割合は1/2、子供たちはそれぞれ1/4ですので妻は837.5万円×1/2で418.75万円(四捨五入して419万円)、子供たちは837.5万×1/4で209.375万円(四捨五入して209万円)です。妻は配偶者の税額の軽減から1億6000万までは相続税がかからないことから、419万円はゼロとなります。

残りの子供たちは一人209万円の相続税の負担となるわけです。つまりこの家族のこのケースの場合は209万+209万で418万円が相続税額となるわけです。

相続税シミュレーション – 資産承継・相続 | 新生銀行
参照元:新生銀行(2015年12月時点)

2つのケースを比べてみると

何も相続税対策をしない場合は725万円の相続税額となり、アパートを建てて対策をした場合は418万円となりました。金額だけ考えたらアパートを建てた方が税金を安くすることができます。対策をするかしないかで、約310万円もの差が出てくるわけです。

今回は4,000万円を残して6,000万円を不動産購入のために使ったわけですが、資産が不動産だけだった場合には注意が必要です。相続税は原則として現金で一括納付することになっているので、すべてを不動産に変えてしまうと納税が出来なくなってしまう恐れがあります。

例え相続税が多少節税できたとしても今回のアパートのように常に満室の状態でなかったりするとあまり効果がない場合もあるので十分に考慮してから行った方が良さそうです。

【贈与税】について

贈与税は相続税に比べて基礎控除の額が低く、低い金額に対しても高い税率がかかります。そのため、対策をするかしないかによって贈与税額に大きな違いが出てきます。

それでは生きている間に親から子へ贈与するパターンはいかがでしょう。こちらは親から子供一人(20歳以上)に3,000万円贈与するというケースでご紹介してみます。

贈与税の計算方法

贈与税の計算の仕方は、贈与を受けた財産の合計額-基礎控除額110万円=課税価格となります。課税価格が求められたら、贈与税の速算表から当てはまる金額の税率と控除額を探します。課税価格に税率を掛けて控除を引くと贈与税を求めることが出来ます。

0~200万円以下/10%/控除額0円
400万円以下/15%/10万円
600万円以下/20%/30万円
1,000万以下/30%/90万円
1,500万以下/40%/190万円
3,000万円以下/45%/265万円
4,500万円以下/50%/415万円
4,500万円を超すもの/55%/640万円

No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

贈与税対策をしていない場合

贈与税の税率というのは決まっているので表を見ながら計算をしてみましょう。贈与税の税率表には2種類あって一般の贈与のものと特例贈与財産のもので税率が変わってきます。今回は20歳以上の子で親から贈与を受けた場合なので特例贈与財産の税率と控除額で計算をします。

実際に贈与税の計算をしてみましょう

まず贈与税対策を何もしていない場合は、一括で3,000万円の贈与ということですので、計算方法は3,000万-基礎控除分110万=課税価格は2,890万となります。年間110万円までの贈与には贈与税がかからないのでまずは基礎控除で110万円を引きます。

2,890万になったところで、表を見てみると3,000万円以下の場合は税率が50%で控除額は250万円となります。そのため2,890万×0.45-265万=贈与税額は1,035.5万円となります。贈与税額はそれぞれの贈与の額に税率を掛けて控除額を引くと計算できます。

こちらも入力するだけでシミュレーションができるものがありますので計算が合っているかどうかの確認をしてみてもいいかもしれませんね。

贈与税シミュレーション|全国相続サポートセンター
参照元:全国相続サポートセンター(2015年12月時点著者調べ)

贈与税の対策をした場合

次に贈与税の対策をした場合ですが、こちらも合計3,000万円のお金を300万円を10年にわたって贈与をした場合です。贈与税の基礎控除額110万円が使えるのは1月1日から12月31日までの分になりますので、300万-110万=課税価格は190万円となります。

前回は一度しか控除ができませんでしたが、今回は10年間に分けて贈与をするので毎年控除ができるということなのです。そこが対策をした場合のポイントになります。それでは一体贈与税はいくらになるのか見てみましょう。

贈与額の税率は200万円については20%で控除がないことから、190万×0.1=19万となります。それが10年間続くので合計190万円となります。

贈与した2つのケースを比べてみると

同じ額でも一括で贈与した場合は1,035.5万円で、10年間毎年贈与をした場合は190万円で約850万円の節税になるのです。基礎控除額の110万円は贈与を受けた人の1年あたりの金額なので、長い期間にわたって贈与を受ければその年数分の基礎控除額が課税対象から差し引かれることになります。

一度に贈与を行うと贈与税率が高くなってしまうため、長期間に分けて贈与する方が有利になることが分かりましたね。

また新しい制度として教育資金や結婚、子育ての資金の一括贈与に対する非課税の制度があります。金融機関に専用の口座を作ることや、使い道も限定されているので利用する場合は十分に注意が必要です。そして贈与された人が一定の年齢になるまで使い切れない場合は、その残額に対して贈与税がかかることもありますのでそこには気をつけましょう。

No.4402 贈与税がかかる場合|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

贈与税の非課税制度のあらまし
参照元:国税庁(2015年12月時点著者調べ)

最後に

いかがでしたでしょうか。相続税や贈与税に関して細かく計算をしてみましたが、対策をしていた場合としていなかった場合の効果は歴然だったと思います。

生前贈与による対策は行いやすいこともあり、多くの人がとっている対策だと思いますが、対策の方法ややり方を間違ってしまうと反対に税の負担が大きくなってしまうこともあるので、きちんとした対策を身につけることが必要ですね。

さらにそれぞれが保有している財産の種類によって取った方が良い対策は違ってくると思いますが、共通して言えることは目先のものにとらわれずに早くから準備をして対策をすることが重要になってくるということです。

そしていくら税金を持って行かれると言って子供や孫に対策をしたからといって自分の人生が窮屈になっては意味がないと思います。もちろん贈与をされた人は感謝の気持ちを忘れずにその都度ありがとうと顔を見せに言ったり、手紙を書くのもいいかもしれませんね。

まずは相続する人もされる人も自分達の人生をより豊かに過ごせるようにできればみんなが幸せになれると思います。