私立〈医学部〉の学費は最低2,000万?!ため息ばかりの驚異の数字!

子どもが大学に行くとかかる学費。公立でも私立でも、普通の学部なら安くても年間数十万円で、100万円以上はかかるところもザラにあります。その中でも最高峰は医学部。その学費は家が買えるぐらいの数字で、桁外れのイメージがあります。本当にそれだけの学費を準備しないと医学部には進学できないのでしょうか?



医学部以外なら学費はいくら?

初年度納入金

医学部の学費を見る前に、一般の学部の学費がいくらぐらいかかるものか見てみましょう。標準的な学費については、参考になりそうな表があります。

入学から卒業までにかかるお金(2)学費編|お金 | Benesse マナビジョン 保護者版
参照元:ベネッセマナビジョン(2015年12月時点、著者調べ) 子どもの進学について考えるときに、保護者としてはやはり学費のことも気になります。入学時と在学中にそれぞれどのくらい必要なのか、金額のめやすを知っておきましょう。 大学は通常、次の五つに分けられます。

・国立大
・公立大
・私立文系
・私立理系
・私立医歯系

それぞれについて、学費を二つに分けて考えます。

・【初年度納入金】入学金+初年度授業料+施設設備料など
・【卒業までの授業料と施設設備料】4年もしくは6年

まずは初年度納入金の平均を見てみましょう。

・国立大:817,800円
・公立大:935,578円
・私立文系:1,149,246円
・私立理系:1,496,044円
・私立医歯系:4,664,560円

これを見ても、医学部系の入学時にかかるお金はダントツですね。国立大学の5倍以上です。80万円でも大きなお金ですが、460万円だとかなり前から時間をかけて計画的に準備する必要があります。 子どもが小さいときから積み立てる学資保険等を利用すれば、大学に行ったときの教育資金を準備することが出来ます。月払いでも年払いでも選択できるので、子どもが小さいときから始めると負担感が少なくて良いと思います。

本人が5才ぐらいから毎月1万円積み立てれば、18才になるまでに150万円前後貯められます。国公立に進学するならこれで大学二年生ぐらいまでの授業料がカバーできます。

毎年の学費

それでは、卒業までにかかる学費はどうでしょう。4年分の授業料と施設設備費になります。医歯系は6年で計算してあります。

・国立大:2,143,200円
・公立大:2,151,428円
・私立文系:3,609,988円
・私立理系:4,921,792円
・私立医歯系:21,769,014円

私立医歯系の6年間の学費は、2,000万円以上!国公立大学の10倍以上です。ですから家が建つと言われるのも納得です。この6年間は本人はもちろん親も大変な時なのでしょう。

教育費ですが、ボーナスが多い人は本人が5才のときから夏冬で10万円ずつ積み立てれば、260万円貯まります。国公立ならこれで卒業まで心配ありません。夏冬で20万円ずつ積み立てれば、520万円ですから私立に行っても大丈夫でしょう。



医学部の学費ランキング

全国の医学部の数

医学部は、国公立と私立を合わせて全国に81校あります。そのうち国立は42校、公立が8校、私立が30校、それ以外(防衛医科大学校)が1校となります。(2015年12月現在)

国公立は合わせて50校ほどで、各都道府県に1校を目安に全国に散らばっています。それに比べて、私立は大都市周辺にあるようです。

【私立医歯系】初年度納入金高いランキング

私立30校の学費ランキングを見てみましょう。最初は2016年度初年度納入金です。一番安いところでも200万円以上、一番高いところは1,200万円以上です。まずは高い順に並べてみました。カッコ内の数字が入学金になります。

【初年度納入金高いランキング】

・第一位:川崎医科大学:¥12,015,000(¥2,000,000)
・第二位:金沢医科大学:¥11,943,000(¥2,000,000)
・第三位:獨協医科大学:¥10,300,000(¥1,000,000)
・第四位:杏林大学:¥10,050,700(¥1,500,000)
・第五位:福岡大学:¥9,626,710(¥1,000,000)

いずれも1,000万円近くかかります。納入した金額のうち、入学金は100~200万円です。私立では、諸費用と呼ばれるものがいくつかあったりしますが、主なものは施設設備料になります。

【私立医歯系】初年度納入金低いランキング

逆に安いほうも見てみましょう。【初年度納入金低いランキング】です。

・第一位:順天堂大学:¥2,900,000(¥2,000,000)
・第二位:東京慈恵会医科大学:¥3,500,000(¥1,000,000)
・第三位:慶應義塾大学:¥3,793,350(¥200,000)(2015年度)
・第四位:自治医科大学:¥4,600,000(¥1,000,000)
・第五位:東邦大学:¥4,800,000(¥1,500,000)

私立30校の中で一番安いところが290万円です。こうして見ると大学ごと金額の差が大きいことに驚きます。一番高いところだと1,200万円ですから4倍も違う訳です。

ただ相変わらず入学金は200万円以下です。ですから入学金以外の施設設備費や授業料、あるいはその他の費用に大きな差があるようです。

一般の学部では、私立理系の平均が一番高く150万円でした。でも医学部では一番安いところでも290万円ですから、一般の学部に比べると非常に高いのは否めません。

他の私立大学の順位は、下記のリンクから見ることが出来ます。

2016年度私立大学 学納金ランキング | 医学部受験ラボ
参照元:医学部受験ラボ(2015年12月現在、著者調べ)

【私立医歯系】卒業までの学納金高いランキング

今度は卒業までのトータルでかかる学費を比較します。大学に納める入学金、授業料、施設設備費等の総称を学納品と言います。こちらは卒業までの6年間に支払われる学納金です。

・第一位:川崎医科大学:¥47,165,000
・第二位:金沢医科大学:¥40,543,000
・第三位:北里大学:¥39,528,000
・第四位:埼玉医科大学:¥39,170,000
・第五位:愛知医科大学:¥38,000,000

6年分とは言え、学費が4,000万円もかかるとは凄いです。それは立派な大きな家が建ちそうな金額です。それでは低いほうはどうでしょう。

【私立医歯系】卒業までの学納金低いランキング

・第一位:順天堂大学:¥20,800,000
・第二位:慶應義塾大学:¥21,759,600(2015年度)
・第三位:東京慈恵会医科大学:¥22,500,000
・第四位:自治医科大学:¥22,600,000
・第五位:昭和大学:¥23,092,000

安いほうでも、2,000万円超かかります。お医者様になるには、お金がかかるというのは本当だったのですね。特に私立はかかる!と聞いていましたが、実際にかかる費用を見ると驚きの連続!ため息がでます。

2016年度私立大学 学納金ランキング | 医学部受験ラボ
参照元:医学部受験ラボ(2015年12月時点、著者調べ)

国公立は?

全国の医学部の数は、国立が42校、公立が8校でした。この合わせて50校の学費はどうなのでしょう?国公立は、一般の学部の平均でも私立より学費が低くなっていました。医学部はどうなのでしょう。

復習になりますが、国公立の場合は一般の学部は次のようになっていました。

・【初年度納入金】国立大が817,800円:公立大が935,578円
・【卒業までの学費】国立大が2,143,200円:公立大が2,151,428円

それでは国公立の医学部の場合はどうなのでしょう?一覧表で見てみましょう。

国立大学・公立大学 医学部・医大 学費 – 医学部受験の予備校なら武田塾メディカル
参照元:医学部受験.jp(2015年12月時点、著者調べ) 国立大学・公立大学の医学部・医大 学費を一覧形式でまとめて掲載中。国立大学・公立大学の医学部・医大の学費は、学部に関わらず一律で低額のため、第一志望校にするケースも多いようです。ここでは、国立大学・公立大学の医学部・医大の入学金・授業料・初年度納入金が分かります。受験への参考にご覧ください。

【国公立医学部】初年度納入金

国公立の場合、初年度納入金は授業料と入学金だけでした。私立ではそれ以外がかなりのウェイトを占めていましたが、国公立では諸費用は一切ありません。授業料と入学金だけです。

気が付くのは、入学金が282,000円、授業料が535,800円、計817,800円という学校が多いことです。これは国公立の他の学部の学費と変わりません。国立大学の医学部はすべてこの金額でした。

公立の場合、これよりも少々高い学校もいくつかあるようです。初年度納入金が最も高いのは、奈良県立医科大学で1,367,800円です。それでも私立理系の平均よりもまだ低いです。

中には大阪市立大学のように757,800円という学校もありました。市外は817,800円ですが、これは大阪市住民とその子を優遇しているためだそうです。

授業料・入学料 — 大阪市立大学
参照元:大阪市立大学(2015年12月時点、著者調べ) 授業料の区分、入学料の一覧です。

【国公立医学部】卒業までの学納金

国公立の医学部ですが、授業料は年間が535,800円が多かったのでこれで計算してみたいと思います。施設設備費がないので、単純に数字が6倍となりますから、3,214,800円となります。

卒業までのトータルの授業料に入学金を加えると約350万円になります。これは私立理系の四年間よりも低い数字です。

ですから医学部は学費が高い!というのは、私立の医学部の場合と考えて良いのではないでしょうか?全国81校の医学部ですが、30校ある私立は確かに驚くほど学費が高いです。しかしながら公立の50校では私立理系よりも学費が安いぐらいです。

国立大学の授業料

実は国立大学では、どの大学でも、どの学部でも授業料は同じです。それは医学部であっても同様で、次のような法律があります。

国立大学法人法 (平成十五年法律第百十二号)第二十二条第四項 の規定に基づき、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令を次のように定める。

出典:

law.e-gov.go.jp
省令により金額が定められていて、入学金が282,000円、授業料が535,800円、計817,800円でした。これだと毎年の授業料が54万円で、6年間の授業料も320万円強ですから、サラリーマン家庭でも調達可能な金額です。

私立だととても学費が高い医学部ですが、国公立だと他の学部と同じなのでとても有難いですね。医学部を目指す人にとっては、手が届かないぐらい高い高いハードルが、一気に身近な高さまで下がった感じです。

学費は各大学のHPで確認する

私立の場合、学費は毎年見直される可能性があります。また学部ごとに異なるので、必ず各大学のHPで確認する必要があります。受験生用の入試の案内のページにきちんと記載されています。

大学によっては、入学金や施設設備費以外の項目があるところもあります。諸費用としてそれらの確認も忘れずに行うようにして下さい。



学費が一番安いのは?

ここまで話を進めると、大阪在住で大阪市立大学に進学するのが一番学費を抑えらえるような気がします。でも実は更に学費が低い学校があります。しかも学費も入学金も全額免除です。

防衛医科大学校と呼ばれる学校は、防衛省の管轄になります。そのため医師になるための費用が一切かかりません。それだけではなく、学生手当と呼ばれる手当と夏冬の賞与が支給されます。学生手当は平成26年4月1日現在で109,400円です。

ですから希望者が多いため、難易度が高く競争率も高いようです。

防衛医科大学校医学科学生:各種募集種目:自衛官募集ページ:防衛省・自衛隊
参照元:自衛官募集ホームページ(2015年12月時点、著者調べ) 陸上、海上、航空自衛官になるための各種募集種目の紹介と受験案内を掲載しています。応募は各都道府県にある自衛隊の総合窓口、地方協力本部にて受け付けています。

医学部を目指すなら

医学部進学において、受験する学校を決める際にはいろいろと考慮する点があります。偏差値や難易度、国家試験合格率や学校の所在地などを総合的に判断して絞り込むことになるでしょう。

学校を決めるとき、学費は大きな問題です。国公立を希望する人が多いのもうなずけます。当初は国公立を目指していても、受験結果次第では私立医学部を選択することになる人もいるでしょう。

今回は学費を中心に話を進めてきました。自宅から通学可能ならば良いのですが、国公立大学の医学部は全国にあるため一人暮らしを余儀なくされるケースも考えられます。そうなると一人暮らしのための家賃と生活費がかかります。

医学部選びほど、学費が気になる学部はないでしょう。それと言うのも、大学によって学費の幅がとても大きいからです。この話の一部でも大学選びの参考になれば幸いです。 本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。