生活費の計算で、家計簿に浮き出る「無駄」を発見するワザ

気を付けているつもりなのに、何故か生活が楽にならない、あるいは貯蓄もできずに出費だけがかさんでいく、なんてことはありませんか?もしかしたら、それは日々の生活費の中に問題があるのかもしれません。一度生活費を計算しなおして、我が家のお金と向き合ってみませんか?



生活費の内訳は?

生活費は2種類に分類できる

生活費とは、家計の中でも日常生活を送るのに必要なお金のことを差します。別の言葉では生計費、家計費とも呼ばれるもので、定義はかなり曖昧な部分もあるそうです。生活水準を維持するために必要な費用で、少なくとも生活費の中には色々ある税金や社会保養費など、非消費支出と呼ばれるものは含まれていません。

もうちょっと突っ込んだ定義を言いますと、生活費は可処分所得から貯蓄を引いた金額、といえます。可処分所得、というのが実際の収入から非消費支出を引いた額、いわゆる手取り収入のことです。貯蓄は消費しなかった余剰分のお金とみなすようですから、それ以外で使われたお金が生活費になる、ということです。

そんな生活費を大きく分類すると、「固定費」と「変動費」と呼ばれるものに仕分けることができます。言葉のニュアンスからわかるようなわからないような単語ですが、大ざっぱに説明すると以下のようなお金のことです。

固定費って何?

固定費とは、毎月必要になってくるような、定期的な支出のことです。比較的生活に必要な項目が多く、銀行などの口座から自動で引き落としにしているパターンが多いので、いくらだっけ?と詳細を把握していない可能性が高いお金ともいえると思います。

具体的には、家賃や住宅ローンなどの住居費、水道やガスや光熱費などの公共料金、固定電話や携帯電話などの通信費があります。他にも、マイカーをお持ちならそうした車関連費、子供がいるご家庭でしたら教育養育費、各種保険料やトレーニングジムの会員費なども固定費に分類できるでしょう。

こうして見ますと、住居費や公共料金は別として、サービスなどを提供する会社等と契約して発生する料金が、固定費として扱われているのがわかります。基本的に日々の暮らしに直結するお金だといえるでしょう。

変動費って何?

変動費とは、ご家庭の状況によって文字通り金額が変動するお金を言います。こちらは私たち消費者のさじ加減で金額が上下する種類のお金であり、家計の節約をしようとすればまず削ろうと考えるお金も、変動費に分類されているものが多いように思えます。

具体的には、生きるために必要な食事関連の食費や、日用消耗品や衣類等といった雑費、通勤などで発生する交通費がそうです。さらには、仕事関連や友人たちとの会食などによる交際費、主に自分の趣味に使われる娯楽費、怪我や病気の時にかかってしまう医療費も変動費です。後は、お父さんや子供に振り分けられる小遣い、いつお呼び出しがくるかわからない冠婚葬祭費などもこれに当たります。

食費は個々人の嗜好や環境によって額が変化しやすい、わかりやすい例ですね。大食いの人や小食の人、グルメの人や倹約家の人でも大きく差が出るでしょうし、内食中心か外食中心かという食生活の違いでも金額が異なります。こうした月々の消費が一定しないお金のことを、変動費といいます。

生活費の平均ってどれくらい?

他の家庭はどれくらいの家計でやりくりしているのか、気になる方は多いと思います。しかし、ご近所の方々に挨拶ついでに聞くような話題でもありませんし、切り出すだけでも尋常じゃない勇気と覚悟が必要になるかと思います。ともすれば無神経な人と思われかねませんし、ほぼ確実にイメージが悪くなってしまいます。

ですが、そんな危ない橋を渡らなくとも、総務省の統計局と呼ばれるところが家計の調査を毎年行っています。こちらは世帯の種類や、四半期や一年という期限を区切った消費、食費や雑費などといった分類別の消費や、年度別の消費額などの平均が調査されて算出されています。

2015年12月の調査時点において、最新の統計結果は2014年のものになります。少しご紹介いたしますと、2014年の2人以上の世帯における消費支出(ほぼ生活費と同じ認識で構いません)1カ月の平均金額は291,194円なのだそうです。また同じ年の1人暮らし世帯における1カ月の平均消費支出は162,002円のようです。

上で紹介した金額も、あくまで平均値ということですので、この統計で提示された数値が世間一般の数値である、と考えるのは早計だと思います。目安として数字を見る分にはいいでしょうが、この統計がきっちり中流家庭の消費なんだ、と思い込むのはやめた方がいいでしょう。

統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年) 家計の概況
参照元:総務省統計局(2015年12月時点、著者調べ)



生活費の計算はデータ収集が必要

平均はあくまで目安

生活費の平均でも述べましたが、平均はあくまで平均の金額です。1人暮らし世帯での金額はともかく、2人以上の世帯における金額なんて、調査したご家庭によって人数も生活水準もバラバラでしょうから、ご自身の家庭と合致する金額になることの方がまれだと個人的には思います。

ですので、統計結果が明らかに自分の家庭よりも消費金額が多い、あるいは少ないからといって、気にしすぎる必要はないと思います。生活費は十人十色でケースバイケースです。なるほど、平均はこれくらいなんだ、という参考程度で目を通すくらいの気持ちが楽なのだと思います。

家計簿で消費傾向をチェック

とはいえ、他所様のお家のお財布事情を覗いてみたところで、ご自身の生活水準が向上するわけではありません。働く職種それぞれで収入はほとんど決まっていますし、手取り収入から消費できるお金も限られてくる現実に向き合う必要はあります。

生活費を見直そうと考える方は、うまく貯金ができないとか、どうしてもやりくりができなくて赤字になってしまうだとか、そういった問題に直面されている方が多いと思います。貯金は新社会人や単身世帯にも悩みどころでしょうし、家計の赤字は子供がいるご家庭では生じやすい問題です。統計の平均値でも、2人以上の世帯では単身世帯よりも2倍くらい消費金額が多くなっていました。

家庭のお金の問題に立ち向かう時、やはり家計簿はかなり有用な情報となってくれます。1カ月、数カ月、1年と継続できれば、ご家庭の消費内容がはっきり浮き出てきます。それはいいところもあれば悪いところもあり、家計に問題がある場合は悪いところに注目すれば節約の余地があるかもしれません。

つけるのが面倒くさい、何度もつけたけど挫折した、という声は多いと思います。きちんと毎日お金の出方を記録することはかなりの手間で、労力を払うことになります。しかし、家計簿をつけることで生活費として出ていくお金に対する意識がより強くなりますから、それだけでもメリットといえます。最初から完璧にする必要はなく、まずは始めてみることをお勧めします。

一番の近道はレシートの活用

さて、家計簿を始めよう!と思い立ったはいいものの、わざわざ家計簿用にノートを用意して、いちいち買ったものを分類して金額を書き込んでいくのは面倒くさい!という方もいらっしゃるでしょう。面倒くさい、という気持ちが家計簿を長続きさせない大きな原因です。

しかし、家計簿を無理して書き込む必要はありません。家計簿が苦手な奥様方の声に応え、すでにレシートを貼るだけで家計簿をつけられるという、夢のようなノートが発売されているのです!買い物の時にレシートや領収書をもらうことを習慣化するだけで、帰宅後にそれを活用すれば簡単に家計簿をつけることができます。

また、スマホやパソコンで管理したい、という方でも似たようなサービスを提供している無料アプリが存在するようです。こちらもレシートを写真でパシャッ!と撮るだけで、自動的に買い物をした品目や値段を読み取ってくれますし、銀行やカードを登録すればお金の出入りの情報を自動で取得してくれますから、よりお金の管理が簡単になります。

家計簿をつける、ということにちょっとしたハードルを感じられる方は、こうしたアイテムやアプリを活用してみてはいかがでしょうか?自分で書いて管理する!という意気込みが必要ない分、家計簿の入り口として気軽に始められると思います。

レシート保管ポケット付き 新 レシート貼るだけ家計簿 – 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本
参照元:主婦の友社(2015年12月時点、著者調べ)

日本最大級!無料の家計簿アプリ・レシート家計簿「Zaim」
参照元:Zaim(2015年12月時点、著者調べ)

カードの一括利用で明細をチェック

しかし、それでも面倒くさい!と思ってしまう方は、クレジットカードを利用する手もあります。生活費の支出に使う時専用のカードを1枚用意し、それで日々のお買い物をするのです。そうすれば、カード会社から明細が届いたとき、いつ、どれくらいの金額を使ったのかがわかります。何に使ったのかはレシートを残しておく必要はありますが、支出額は把握しやすくなるでしょう。

また、最近ではカード払いでポイントが付与される場合も多いので、よく利用するスーパーの会員証を兼ねたクレジットカードを利用すると、さらにお得になる場合もあります。ポイントも貯まって家計簿もつけられる、と考えたら試してみるのも一考だと思います。

しかし、クレジットカードはその性質上、ついつい買い物をしすぎてしまうというデメリットもあります。また、ポイントが付与されるから、と普段より多く買い物をしてしまえば、逆に家計に打撃を与えてしまいます。それでは本末転倒ですよね?浪費癖があるかも、と思う方はカードを持たず、現金を持ち歩いて支払いをする方が無難です。

生活費を節約するならココ!

固定費削減は効果的

家計簿をつけるようになったら、次は具体的にどの部分を減らしていくか、が問題になってくると思います。1カ月続くことができたら、どの部分にどの程度お金を使っているのかが、なんとなくでもわかってくると思います。

そこで固定費と変動費、どちらが効果的かといいますと、実は固定費の方が効率よく節約することができます。日々のお金を削る、となるとすぐに実行するのが変動費のお金を控えようとするものですが、案外固定費を見直して支出を抑えた方が効果的なのです。

理由は、固定費は月々支払う定期支出なわけですから、1つ削減するだけで年間にすると大きな節約に繋がりやすいからです。仮に1カ月につき3,000円を支払う固定費があったとして、生活費の見直しで不必要だと判断して契約を解除すれば、年間にして36,000円もお金が浮くことになります。こうした削減できる余地を見つけられれば、家計に余裕が出てくるかもしれません。

削減できる可能性があるとすれば、月に1回行くか行かないか、といった習い事やジム等の会員契約なんかは、家計を圧迫するだけでほとんど意味がありませんよね?他にも、携帯電話の料金プランやネット契約の割引を調べると、自分に合った契約で今より安く済む方法があるかもしれません。また、保険についてもご家庭で必要かどうかを精査して契約内容を絞れば、支出を抑えられる可能性があります。

今一度契約条件を見直したり、情報収集したりと少し手間かもしれませんが、個人的には固定費の見直しは家計の節約にかなり有効だと思います。固定費の無駄に気づくことができれば、貯蓄に回せるお金や赤字になる家計の収支を少しでも改善させることができるかもしれません。ぜひ、意識をしてみてください。

変動費削減は我慢強さが必要

一方、変動費の削減は契約等があるわけではないので、すぐに行えるという利点はあります。自分が買い物に対して倹約を強く意識し、自制心を常に張り巡らせていれば、1カ月の結果でも多少の家計改善を図れるでしょう。が、固定費と違って変動費の節約は、ある程度のリスクを負うと考えた方がいいでしょう。

どういうことかといいますと、変動費は必要最低限の生活を送る上で必要であると同時に、生活の潤いを与えてくれるものでもあるからです。食費は生きていくために必要ですが、趣味が食べ歩きなどであれば外食費が加算されて金額が上がります。あとは服飾関連費用もわかりやすい例です。ファッションが好きであれば、収入の多くを洋服につぎ込んだりする人もいるでしょう。

ただ金額だけに注目すれば、それらの出費を『無駄』と切り捨てることはできます。しかし、本人にとっては上記の例でいう外食や洋服代は日々の楽しみであり、ストレス社会を生き抜く活力の源となってくれる、貴重な気晴らしでもあります。あまりに過剰であれば削るのもやむなしですが、逆に『無駄』だからと財布のひもを縛りすぎると生活に張り合いがなくなってしまいます。

それが個人であればまだ自分が我慢すればいいだけですが、家族がいる場合は周囲の人も巻き込む形になってしまいます。家族とはいえ自分とは違う人間ですから、当然お金をかけたいと思う場所に価値観の違いはあるものです。どんな出費を重要視するのかはそれぞれであり、自分が我慢できる節約が家族の誰かは我慢できなかったり、その逆も十分あり得る話です。

家計に余裕を持たせたいのであれば、適度な節約はもちろん必要でしょうが、あまり厳しくしすぎると家庭内の不和を生む結果になりかねません。どうしても他に節約する余地がなく、厳しく削減しなければならないのであれば、家族でよく相談して了承を得るなどして、理解を得られる努力をした方がいいでしょう。

家計の理想的な割合の一例

1人暮らしの単身者の場合における生活費の理想的な比率の一例を、下記に箇条書きで記載します。また、手取り収入の金額も理想の値ですので、こちらはご自身の手取り収入を当てはめて計算してみてください。

※手取り収入が20万円を想定
・食費:18%/36,000円
・住居費:28%/56,000円
・水道光熱費:6%/12,000円
・通信費:6%/12,000円
・保険料:4%/8,000円
・趣味・娯楽費:4%/8,000円
・被服費:3%/6,000円
・交際費:5%/10,000円
・日用雑貨:3%/6,000円
・その他:6%/12,000円
・貯蓄:17%/34,000円

また、夫婦と中・高校生の子どもがいる場合の理想的な家計の比率の一例も、下記にご紹介します。参考にしてみてください。

※手取り収入が30万円を想定
・食費:15%/45,000円
・住居費:25%/75,000円
・水道光熱費:6%/18,000円
・通信費:6%/18,000円
・こづかい:10%/30,000円
・教育料:12%/36,000円
・保険料:6%/18,000円
・趣味・娯楽費:2%/6,000円
・被服費:3%/9,000円
・交際費:2%/6,000円
・日用雑貨:2%/6,000円
・その他:3%/9,000円
・貯蓄:8%/24,000円

「理想的な支出の割合」を知ってしっかり貯蓄できる家計になろう!|家計再生コンサルティング|ザイ・オンライン
参照元:ZAi ONLINE(2015年12月時点、著者調べ)

生活スタイルに合わせた節約を

統計の家計調査でも記述しましたが、家計というものは収入や個々人の支出傾向など千差万別です。この方法がいい!と他のご家庭が太鼓判を押しても、それがご自身のご家庭でも一番の方法かといわれれば、決してそうではないでしょう。人には人の、自分たちには自分たちの最良のやり方があるのです。

生活費のやりくりで大切なのは、家計の収支を赤字にしないことだと思います。それさえできれば、多少なりとも貯蓄に回すお金ができますし、お金が減っていくだけの生活からは抜け出せます。いきなり貯蓄を目標とするのではなく、まずは赤字を少しでも出さない、ということにすれば心理的にも取り組みやすいと思います。

また、我が家がどうなりたいか、という目標を立てることも大事だと思います。ただ漠然とお金が欲しい、という考えではなく、いつごろにこういった目的でお金が必要だから節約しよう!と目的がはっきりしている方が、より積極的になれるのではないでしょうか?個人的な出費にせよ、子供の進学等でかかる必要経費にせよ、長期的な計画性を持って節制することで無理のない生活を送れるようになるかもしれません。



まとめ

生活費は個人の家庭によって優先順位が変動し、一概にこれがいい!とお勧めできるようなものはありません。それぞれのご家庭が抱える家計の問題を知っているのは、支出で消えていった記録です。生活費を計算して家計簿という形で集めれば、自ずと解決策は明らかになってくると思います。とても面倒かもしれませんが、まずは記録を残してみよう、と思い立つことから始めてみませんか?