年収1,000万円あれば、いくら住宅ローンが組める?ケーススタディ再考

誰もがうらやむ年収1000万円の響き。どのくらいの住宅ローンを組んで、総額いくらくらいの家に住めるのかを大検証!でも住宅ローンは人生で1番といっていいほどの高い買い物。楽観主義は危険です!いくつかのケースでシミュレーションしてみましょう。あなたに一番近いケースはどれですか?



年収1,000万円の最も多い購入価格帯は?

5,000万円以上が半数以上?!

ある年収別の住宅購入価格調査(不動産・住宅サイト SUUMO)では、年収800万円以上の人の半数以上が5,000万円以上の物件を購入しているそうです。そのなかでも約30%の人が7,000万円以上の住宅を購入しているらしいです。

著者はこれを見て単純に「すごい…」の感嘆の一言でした。因みにこの調査は、首都圏と関西圏のみで行ったもののようで、なるほど納得、必然的に全国平均よりは高くなるだろうなと予想はできます。

この調査は年収800万円以上であって上限が設定されてないので、もしかしたら年収2,000万円や3,000万円の世帯も相当数含まれて、パーセンテージを押し上げているかもしれません。しなしながら、この価格が5,000万以上や7,000万以上の住宅は、本当に年収1,000万円の家庭にとって妥当な買い物と言えるのでしょうか。

SUUMO(スーモ)
参照元:SUUMO(2015年10月時点、著者調べ)

5,000万円の住宅にいくらの住宅ローンを組む?

年収1,000万円の世帯が貯金0円ってことは、なかなか考えにくいですよね。もし我が家はそれに近いというのであれば、ちょっとお金の使い方を考えた方がよさそうです。さて、話はずれましたが皆さんどれくらい頭金を用意されるのでしょうか。先程の調査結果によると、1,500万円程準備されている方が多いようです。さすがですね。従って、5,000万円の物件として頭金を除いた残額は3,500万円となり、これが借入金額となります。

一概に年収1,000万円といっても、40代役職がおありの方、はたまた30代の外資系コンサルタントの方もいるでしょうし、正社員で共働き夫婦の合算年収金額かもしれません。それぞれの世帯に住宅ローン3,500万円はどのように影響するのか、次項で簡単にシミュレーションしてみましょう。

SUUMO(スーモ)
参照元:SUUMO(2015年10月時点、著者調べ)



ケース別・返済シミュレーション

①45歳(男性)管理職Aさんの場合

では一つ目のサンプルケース、45歳管理職のAさん(男性)です。Aさん一家は専業主婦の奥様と高校生と中学生のお子様がいる4人家族です。大学を控えた子供たちの学費も心配のタネです。お子様が生まれた時に加入した学資保険と今の収入の中でやりくりをして何とか乗り越えたいと思っています。

そんなAさんが、5,000万円の物件を1,500万円の頭金と3,500万円の借入金で購入したとします。定年の60歳までには完済したいので、15年の2%でローンを組みます。すると返済額は月22.6万円になります。これから子育てする上でもっとも経費がかかる時期に月22万円返済額は、かなり厳しいと言えそうです。一般的に言われている、住居費は収入の25%以下に抑えるというセオリーも超えてしまっています。

少なくても、もう1,000万円、物件の半分の頭金を用意するもしくは、別途貯金を持っておく必要がありそうです。

②30歳(男性)外資系コンサルタントの場合

2つ目のサンプルケース、30歳(男性)外資系コンサルタントのBさんです。Bさんは結婚したばかりでまだ子供はいません。年収は一般的に高い方でこれからも昇給するよう努力する予定ですが、その反面収入が半減したり職を失ったりという外資系特有のリスクもあります。また将来的に2人は子供が欲しいと思っています。

そんなBさんがAさんと同様に5,000万円の物件で頭金1,500万円、30年で2%の金利で3,500万円借り入れたとします。毎月の返済額は13万円になります。25%のセオリーにも引っかかりませんので、問題ないようにも思えます。でもBさんは30歳とまだ若く、頭金で1,500万円を使うと貯金は0になります。これから子供もほしいが、大幅な収入減の可能性もある。その状況で3,500万円の借入はとてもリスクが大きいと言えます。

大幅な収入減になっても耐えられそうな返済額になるまで頭金を貯めるまで、見送るほうが良さそうです。

③35歳共働き・正社員夫婦合算型の場合

3つめのサンプルケース、35歳の共働き・正社員同期夫婦Cさん一家です。Cさんには小学生と保育園に通うお子様がいますが、中学からは私立に通わせたいと考えいています。

他の2人と同じ条件ですと、定年までが25年です。計算をすると毎月14.9万円になりました。おそらく払えない金額ではないでしょう。しかしこちらも1,500万円は一生懸命2人で貯めたお金です。頭金として払い出すと手元にはあまり現金が残りません。

しかも将来的にはお子様二人を私学に通わせたいとなれば、どんなことがあってもCさんも妻も健康でいて仕事を続けなければいけません。万が一妻が病気で働けなくなったとなった途端、家を手放したり、子供を公立校へ転向させるなんてことにならないように、もしもの備えとして、一定額の貯蓄をしておかなければいけないでしょう。

この場合、著者としては初めから公立の中学校へいくことがもっともよいリスクヘッジだと思いますが…。

年収と住宅ローンの金額は関係があるのか?

年収1,000万円もあるのに、なんだかどれも余裕がない書き方をわざとしてるんじゃないのか!と叱責されそうなのですが、一つあえて書いてないことがあるんです。それは年収1,000万円の人の生活水準です。年収1,000万円稼ぐことは、それはそれは大変な事だと思います。そして世の中的にも高給取りに分類されます。

でもそこがちょっとした落とし穴で、自分自身が高給取りだと勘違い(言葉が悪くて申し訳ありません)してしまうと、それ以上の支出をしてしまいがちなのが人間だとおもいます。

「収入が増えることで幸福感が高まる限界値は7万5千ドル(120円換算で900万円)だ」というプリンストン大学の教授らの論文もあるそうです。もしかしたら、その限界値を超えると人は反対に「足りない」という感覚が増幅してしまって、幸福を感じにくくなるのかもしれません。

だから「足りない」と感じないようにあなたのライフプランと相談した結果の金額が、年収1,000万円で組める住宅ローンの借入額なのかもしれません。

もちろん住宅を購入すると、働くモチベーションも向上しそうですし、さらに幸せな家族生活を送るために住宅を購入する選択も大いにありえるでしょう。

単に年収だけで判断せずに、しっかり現在と未来の家計プランと家族ひとりひとりのライフステージを視野に入れて住宅の購入を検討することをお勧めします。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。