<貸金庫の相続>いつ凍結される?相続に必要な手続きは?

大震災の後に注目を浴びている「貸金庫」。相続のときに「貸金庫」があった場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?また、貸金庫の中にはどのようなものが入れられるのでしょうか?利用条件とともに利用料金も気になりますね。貸金庫の基礎知識についてご紹介します。



ズバリ、貸金庫は凍結されます

預貯金と同じ扱い

被相続人が亡くなると、銀行の預金口座や証券口座などが凍結されてしまうことは多くの方が知っていることですね。貸金庫も同じです。銀行に被相続人(契約者)の死亡を伝えるとすぐに凍結されます。銀行に対して「貸金庫だけ凍結しないでほしい」と頼んでも、銀行は貸金庫も銀行口座も凍結しなければならないことになっており、不可能なのです。

預金口座が凍結されて困るケースもあります(生活資金がその口座からだった場合など)が、貸金庫に家族の持ち物や遺言書などが残されていた場合、一層困ることになると言えます。

そのため銀行に貸金庫がある場合は、契約者の死亡を伝えずに家族がまず貸金庫の中身を引き出す(※)ということをアドバイスする人もいるようです。そして「被相続人の持ち物」と「家族の持ち物」を分け、それから相続の手続きを進めていけばいいということのようです。

※契約者以外の人が利用するためには、事前に(銀行での)代理人登録が必要です。

みずほ銀行:貸金庫
参照元:みずほ銀行(2015年11月時点、著者調べ)

どんなものが入っている?


貸金庫にはそもそもどんなものを入れることができるのでしょうか。貸金庫の概要についてご紹介しましょう(三井住友銀行の場合)。

●利用できる人
原則として貸金庫を利用する店舗で普通預金口座等を保有している人。申込時は、通帳・印鑑・本人確認書類が必要。

●貸金庫に入れられるもの
・重要書類:預金通帳、預金証書、契約証書、権利証、有価証券、遺言書、保険証書等
・貴重品類:金、骨とう品、宝飾品等
・思い出の品:家族のアルバム、思い出の手紙、過去の日記等

●貸金庫の種類
・全自動型
・半自動型
・手動型
・簡易・セーフティーボックス
※各店舗により、種類が異なります。

●利用料金
利用料金は指定の口座から自動引き落としとなっています。

◇利用料金例
【貸金庫内箱の大きさ:6ヶ月分の料金】
・7,000立方cm未満:8,100円
・7,000~10,000立方cm:10,800円
・10,000~15,000立方cm:14,580円
・15,000~ 20,000立方cm:17,820円
・20,000~25,000立方cm:22,680円
※簡易貸金庫は15,120円、セーフティーケースは11,340円です。
※店舗ごとに種別やケースの大きさ、空き状況、利用時間や利用料金が異なります。

大きさも色々あり、アルバムまで入れることができるようですね。

貸金庫 : 三井住友銀行
参照元:三井住友銀行(2015年11月時点、著者調べ)



貸金庫の相続に必要な書類

遺言書があった場合

遺言書がある場合の相続手続きに必要な書類等をご紹介します(みずほ銀行の場合)。

●用意していくもの
・遺言書および、家庭裁判所の検認が済んでいることを確認できる資料
・亡くなった人の戸籍謄本※1
・受遺者・遺言執行者の印鑑証明書
・遺言執行者選任審判書※2
・受遺者・遺言執行者(預金等の払戻をうける人)の実印・取引印※3
・預金通帳・貸金庫の鍵等※4
●銀行で用意する書類
•相続関係届出書(署名などをする書類)

※1)亡くなった人の死亡日の記載がある戸籍謄本
※2)遺言執行者が遺言書で選任されていない場合に必要
※3)名義書替をする場合は取引印が必要
※4)貸金庫カードは相続手続に不要なため、はさみ等で磁気部分を切断して破棄することになる

必要な書類は預金の場合と同じ取扱いのようです。

みずほ銀行:必要書類/遺言書がある場合
参照元:みずほ銀行(2015年11月時点、著者調べ)

遺言書がなかった場合


遺言書がない場合の相続手続きに必要な書類等をご紹介します(みずほ銀行の場合)。

●用意していくもの
・亡くなった人の戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本(亡くなった人の戸籍謄本で相続人を確認できない場合)
・遺産分割協議書(遺産分割協議書がある場合)※
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員(預金等の払戻をうける人)の実印・取引印
・預金通帳・貸金庫の鍵等
●銀行で用意する書類
•相続関係届出書(相続人全員の署名・捺印(実印)が必要)

※相続人全員の実印が押印され、相続人全員の印鑑証明書が添付されている遺産分割協議書が必要

相続人の確認や遺産分割協議書の確認が必要となることがわかりますね。

みずほ銀行:必要書類/遺言書がない場合
参照元:みずほ銀行(2015年11月時点、著者調べ)

預金と同じ手続きが必要


いかがでしたか?貸金庫の相続も預金の相続と同じように必要書類を準備する必要のあることがわかりました。そのため、凍結してしまうと簡単には開けられません。

最も厄介なのは貸金庫の中に「遺言書」があるケース。相続人が決まってからでないと開けられないのでは困ってしまいますね。このようなときは、生前に「契約者本人以外で貸し金庫を開けることができる手続きをしておく」といった対策が必要のようです。

貸金庫は震災後に注目を浴びているようです。相続で貸金庫がある場合に今回の知識を活かしてみてはいかがでしょうか。
*本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。