マイナンバー拒否できるの?最近話題な制度の実態を解説

話題のマイナンバー制度ですが、なんだか突然始まって、あっという間に進んでいく感があると思いませんか?そして、このマイナンバー制度を拒否している人達がいることをご存知ですか?なぜ、どうやって拒否をしているのか、マイナンバー制度の概要と共に解説致します。マイナンバー制度の今後に注目です!



マイナンバー制度概要

まずはマイナンバーの概要についてご説明致します。

マイナンバーとは、国民1人ひとりに振り分けられた、12桁の番号のことです。この番号は生涯変更されません。(番号漏洩などの場合を除く)この番号は、平成27年10月から、簡易書留で通知されますので、お手元に届いた方もいらっしゃるかと思います。

このマイナンバー制度を導入するために成立した法律が、2013年5月24日に成立した「マイナンバー法」です。正式には、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」です。ここで注意したいのが、既に法律が成立した、という点です。

もう決定事項、ということですね。

マイナンバー導入の理由

では、なぜマイナンバー法を成立し、国民にマイナンバーを振り分けたのでしょうか。ポイントは3つです。

・行政の効率化を図る
・国民の利便性の向上のため
・公平・公正な社会の実現

簡単に言うと、行政や、各自治体で重複していた作業をまとめることでなくし、国民にとって何かと面倒だった書類の提出などといった手続きの簡素化、不当な利益や不正を行えないようにする、という目的ということです。

マイナンバー社会保障・税番号制度
参照元:内閣官房(2015年11月著者調べ)

マイナンバーとは | 特集-マイナンバー:政府広報オンライン
参照元:内閣府大臣官房政府広報室(2015年11月著者調べ)

いつマイナンバーを使用するのか

マイナンバーが1人ひとつ振り分けられた理由はわかりました。では、じっさいはどのような時に使用するのでしょうか。答えは簡単です。行政、自治体に何かしてもらう申請をする時、生活に変化があった時などです。

例えば、あなたがこれからパートにでて稼ごうと思ったのなら、そのパート先にマイナンバーの告知が必要となります。マイナンバー法改正により、パートするにあたって銀行口座を開設しようと思ったらそこでもマイナンバーの告知が必要となり、子供の児童手当の申請時にも、自治体への告知が必要となります。

第三者にマイナンバーを教えて良いのか?と思われるかもしれませんが、事業主や証券会社、保険会社などが本人に変わって手続きをする場合もありますので、税や社会保険の手続き、銀行などでは、必要に応じての対応が求められます。



マイナンバー拒否!?

マイナンバーの大まかな概要について理解してもらえたと思います。そんなマイナンバーですが、最近マイナンバーを拒否しようとする人達がいることをご存知ですか?

一部の人がインターネットを通じて呼びかけたことから始まったようですが、いったいなぜ、どのようにして拒否をしようと考えたのでしょうか…。

マイナンバーに反対する人の意見

マイナンバーに反対する人達の意見で多いものをまとめました。

【反対者の懸念】
・情報の流出・漏洩
・国による監視
・新たな犯罪発生の恐れ
・国の制度導入までの経緯

おおまかに言うと、反対している人達の意見はこのように分けられました。詳しくは次項でご説明します。

情報流失・漏洩への懸念

情報流出への懸念は多くの人が思っていることだと思います。マイナンバーには、様々な個人情報が紐付けされています。効率的な個人情報を管理するためのものなので、当然と言えますが、やはり管理体制について多くの人が意見されています。

さらには、今後銀行口座にもマイナンバーが紐付けされることが決定されているようですので、今後もさらに多くの情報が紐付けされる可能性もあります。そうなると一度情報が流出・漏洩してしまったらどうなるのか…という心配は当然だと思います。

マイナンバー法改正部分
参照元:内閣府⼤⾂官房番号制度担当室(2015年11月著者調べ)

国による監視体制への懸念

マイナンバー制度により、国、自治体は一個人の情報を必要とならば一覧することが可能となるわけです。普通に生活している人にとっては、怖くないということも言えるかもしれませんが、いつでも見られてしまうという状態を好ましく思っていない人もいるでしょう。中には、管理されているようで気持ちが悪いという人もいます。

新たな犯罪への脅威

「振り込め詐欺」が多く報道され、各方面でも注意を呼びかけていますがなかなか無くならないのが現状ですよね。狙われているのがお年寄りですが、マイナンバー制度によってまたお年寄りが狙われる犯罪も懸念されます。お年寄りにとって、新しい制度は小難しく、親切、丁寧に教えてくれようとする人がくると頼りたくなるかもしれません。そこにつけ込んだ犯罪の発生が懸念されています。既に、マイナンバーに関する犯罪は発生しています。

狙われているのは、お年寄りだけではありません。まだマイナンバー制度についてよく理解していない人が多い時期には、若い人でも注意が必要です。メールでマイナンバーの番号について、あるURLをクリックさせたり、マイナンバーが流出し、その個人情報を削除するための費用として、大金を騙し取るなどの手口があげられています。こういった詐欺はこれからもどんどんでてくると思われます。

また、諸外国でも番号制度は行われています。アメリカでは、1936年から「社会保険番号」が活用されてきました。アメリカの「社会保険番号」による「なりすまし詐欺」の被害額は年5000億円超の時もあったようです!現在、アメリカでもこの社会問題を解決すべく、様々な取り組みがなされているようです。

マイナンバー詐欺が多発、3つの手口に注意を : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
参照元:YOMIURI ONLINE(2015年11月著者調べ) マイナンバー制度スタートに便乗した「マイナンバー詐欺」が全国で多発している。6日以降に発表されたものだけでも約20件あり、今後さらに増える可能性がある。「劇場型」「個人情報収集=振り込め詐欺事前調査」「便乗型」などの手【科学】

国の制度導入までの経緯(成立までの進め方)

国のマイナンバー制度成立までの進め方が、気に入らないと言う人達もいます。マイナンバー制度は前から議論されていたことであり、その頃から反対の声は多く挙がっていたようです。さらに弁護士、市民グループで、使用差止めを求める訴えを起こすことが決定されているようです(2015年12月頃)。国会議員の中にも反対する声は多くあるようです。国民の反対する声を、押し切る形での法案成立となったことへ、憤りを感じている人もいるようです。

枝野氏、マイナンバー法案への反対示唆 – 産経ニュース
参照元:産経ニュース(2015年11月著者調べ) 民主党の枝野幸男幹事長は8日、参院で審議中のマイナンバー制度導入関連法案への反対を示唆した。日本年金機構の個人情報流出事件を踏まえ、記者団に「(民主党も)衆院で…

拒否の方法

もう一度言うと、マイナンバー制度、「マイナンバー法」は成立されました。マイナンバー制度を拒否しようと考えている人達は一体どのような形で拒否をしようと考えているのでしょうか。また、それによって、何が起こると考えられているのでしょうか。

簡易書留の受取拒否

マイナンバーの通知は、郵便局による簡易書留で送られてきます。拒否を考えている人達は、この簡易書留を受け取らないようにしよう!と考えたようです。twitterや、ブログなどの呼びかけから始まったようです。では、簡易書留を受け取らないとはどういったことなのでしょうか。

簡易書留が届いたら、持ってきた郵便局員さんに持って帰ってもらうというのが、「受取拒絶」というようです。郵便物に「受取拒絶」と名前を書き、持って帰ってもらうのだそうです。郵便局のHPにも書かれてありましたが、郵便物は「受取拒絶」という文字と、拒絶した人の印を押印又は署名することで拒絶ができるようです。

マイナンバー制度反対の人達の意見では、「国民が多く拒絶をし、利用しなければ改正があるだろう!」ということのようです。では、実際のところ、拒否すると、どうなるのでしょうか。



拒否の結果

マイナンバー通知を簡易書留で受け取らなくても何の問題もないようです。郵便物が、送り主の元に返されるということだけのようです。この場合は、各自治体へ返されるだけのことで、マイナンバーは既に国民に設定済みなのです。マイナンバーの通知なので、あなたの番号はこれですよ、というお知らせであり、見なくてもなんの問題もないようです。

ただし、告知の際、困るのはその人本人ということになります。既に、「受取拒否」をしてしまっている人でも、住民票などには記載されますので、番号の確認はできます。

この行為によって、マイナンバー制度が廃止になるのかと言うと…難しいかもしれません。多くの人が、この方法によって廃止になるとは考えにくいと述べています。受取拒否として、マイナンバー通知が大量に送られてきたとしても、廃止になるとは言い難いと言います。

マイナンバーについての誤解

私達が、あまり理解していない状態で始まった感の強いマイナンバー制度ですので、様々な不安感から誤解も生じやすかったのではないでしょうか。

情報流失による懸念

マイナンバー制度で、もっとも皆さんが問題視しているであろう「個人情報流出」ですが、これについて政府は、「制度面における保護」と「システム面における保護」2面からの保護を明確にしています。

【制度面における保護】
・特定個人情報の収集・保管・ファイルの作成を禁止(例外あり)
・特定個人情報保護委員会による監視・監督
・罰則の強化
・マイナポータルによる閲覧記録の確認

特定個人情報保護委員会とは、マイナンバー制度の実施にあたって設置された行政委員会です。2016年に「個人情報保護委員会」に改組予定です。独立性の高い委員会として、個人情報の取り扱いを見張る役目ということでしょう。

マイナポータルとは、平成29年から利用が開始されるインターネット上で閲覧できるものです。個人番号カードで利用が可能になる予定とのことです。(個人番号カードについては次項説明します。)このマイナポータルでは、自分の個人情報がいつどこで、やりとりが行われたのか確認できるもので、その他にも様々な手続きや、電子サービスが利用できるようになるとのことです。自分の情報がどのように見られたのか知ることができるのは良いですよね。

【システム面における保護】
・個人情報の分散管理
・符号を用いた情報連携の実施
・アクセス制限
・通信の暗号化

分散管理とは、個人情報を一括で管理するのではなく、従来通り各行政等が保有するということです。必要とならば、番号法で定められたものに限り情報の照会・提供を行い、活用するというものです。一元管理ではないので、一部が漏れたら、全てが漏れるというわけではないようです。漏れる前提では困りますが…。

個人番号カードについて

簡易書留で送られてくるマイナンバー通知と、個人番号カードは違います!よく、マイナンバー通知の郵送で個人番号カードが送られてくると勘違いしている人がいるかもしれませんが、個人番号カードは、マイナンバー通知が届いた後、マイナンバー通知と一緒に送られてきた個人番号カード申請書を郵送するか、インターネットによる申請、街中の証明用写真機から申請を行い取得するものです。

【マイナンバー通知カード】
・紙製のカード:マイナンバー、氏名、住所、生年月日、性別などが記されています。
・そのものが簡易書留で郵送されてきます。

【個人番号カード】
・プラスチック製のICチップ付きカード:自身で申請を行い、平成28年1月に交付が受けられます。個人情報他、顔写真が表示されてあります。公式な身分証明書として利用でき、将来的にはさらに多くの利用が見込まれています。
・交付通知書が届いたら、交付通知書と通知カード、本人確認書類を持って交付場所に行きます。その際、住民基本台帳カードをお持ちの人は一緒に持っていく必要があります。個人情報カードの交付時に、住民基本台帳カードは返納する必要があります。

個人番号カード総合サイト/トップページ
参照元:地方公共団体情報システム機構(2015年11月著者調べ)

マイナンバーで得られる利益

私たちにとって、マイナンバー制度による利益とは何があるのでしょうか。今までの行政手続きだと、必要書類を取得するためには、様々な役所へ出向き、自身で揃えなければなりませんでした。しかし、マイナンバー制度が導入されると、これらの手間はなくなります。自分の書類でも書類にするとお金が掛かりますから、時間とお金の節約にもなりますね。

さらに個人番号カードの利用によって、先程もでてきたマイナポータルの利用が可能となるので、自分の今必要な情報やお知らせがリアルタイムでわかるというメリットもあります。

まとめ

通知カードを受け取らないという方法、はたして意味があるのでしょうか。反対するためには態度で示さなくてはという気持はわかりますが、既に導入が決まっているので通知カードを受け取らないだけで、番号は存在しているという事実は変わりません。

メリットもデメリットもあるマイナンバー制度ですので、賛成・反対を簡単には決められませんよね。法案成立している現実があり、今後ますます進んでいくと思われますので、まずはこの制度をよく理解して、どういった方向に進んでいくのか、注視していきたいと思います。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。