「あなたをお金で支援します」と言われたら、信じますか?

あぁ、生活が苦しい。毎月毎月支払いをしたら生活費が全然残らない…。この生活から抜けられないかなぁ…そんな風に思っている時に、「あなたの生活を援助したいという人がいます」と言われたら、あなたは信じますか?



「お金であなたを支援します」


あぁ、お給料日だけど全然足らない…一体いつまでこんな生活を続けるんだろう?そんな風に思っていた矢先、何気なく眺めていたサイトに映し出された広告が目に留まりました。「寂しいお金持ちの話し相手をするだけでいいんです。」普段ならば、そんな広告は目に留まらないものですが、「お金が欲しい」と常に頭の中で思っているとなぜかそういう広告が視界に入るのです。

ヒマだから、とそのリンクをクリックして読んでみるとこんな風に書いてあります。「お金はたくさんあるけど満たされない、そんな寂しい思いをしている人の話を聞いてあげてください。相手から謝礼として、あなたの生活を経済的に支援してもらえます。」

これを読まれたあなたは、何を言っているのかさっぱりわからない、と思われるかもしれません。しかし、実際こんな怪しげなサイトがあるのです。いとも簡単にお金を稼げる、それも話し相手をしてあげるだけでいい…本当なのでしょうか?

貧すれば鈍する


どんなに学生時代に成績が良くても、社会人になって営業成績が良くても、日ごろ頭の切れる人であったとしても、不思議なことに経済的に追い詰められて、生活に余裕が無くなってくると、通常ならばありえないような愚かな判断を下すことがあります。

上でご紹介したような誘い文句のサイトは、「急いでお金が欲しい」「楽してお金が欲しい」「もっとたくさんお金が欲しい」と思っているような状態の人が見るととても魅力的に見えます。

冷静に考えられる時ならば、楽して稼げるなんてうまい話があるわけがない。見ず知らずの人間に、お金があるからといって生活費の支援をしたい、なんて言うわけがない、ということはすぐに気づくものです。

ところが、不思議なことに、お金に困っている人は引っかかるようです。



「お金を支援する」の背景は・・・

出会い


上でご紹介した怪しげなサイトは、会員制のサイトで登録料はタダのようです。メールアドレスや年齢、性別を入力するだけですぐに会員になれて、会員専用のページを見ることができます。

簡単に言ってしまえば「出会い系」なのですが、普通の出会い系とはちょっと違い、お金が有り余っている人と、お金に困っている人をマッチングする出会い系のようです。そこで幅広い年齢層の「リッチな男女」が、現在の生活環境が寂しい、話し相手がいない、天涯孤独である、などとプロフィールを書いています。

「お金が無い」こちらはそれを見て、「お気に入り」登録をしたり、相手にメッセージを送ることができます。当時お金の無い状態が、生まれて初めて限界状態まで来ていた若かりし日の筆者は、この「お気に入り」登録をするまではしてみましたが、ふと我に返って、現実世界に戻ることができました。

日中仕事で疲れ果て、生活に追われ、自分が自由にできる時間もお金も無い…余裕が無いとここまで判断力が鈍るものかと、戦慄しました。

からくり


さて、最後までこのサイトを利用していれば、こちらできちんとした流れをご紹介できたのですが、残念ながら筆者はそこまでには至りませんでした。我に返った後、そのまま放置していたのですが、怪しげなメールがよく届くようになりました。

「初めまして、○○と申します。税金の関係で、今月中にどうしても3千万円を使ってしまわなくてはならないのです。どうかご協力ください。あなたから直接支援を受ける旨ご連絡を頂かなくては、こちらからはお支払いができません。至急ご連絡ください。」

大体こんな感じの内容です。似たような内容の、主に中高年の複数の男性から頻繁に上のようなメールが来るようになりました。そこでこのメールに書かれた人名や、メールの内容などについてネットで調べてみました。

面白いことに、世の中こんな手口に引っかかる人が、未遂とはいえ私も含めですが、こんなにいるものかと驚くほどに情報が挙がってきました。普通にあのまま「リッチな男女」に連絡を取っていたらまた別の方法で詐欺にあっていたのでしょうが、向こうから来たメールは、「連絡をくれ」と言っていました。

これで言われた通りに連絡をすると、なんだかんだと話を引き延ばされ、無料利用分は無くなりましたと通知を受け、結局は連絡を取り合うためのチケットを買わされるようでした。お金が欲しい一心で、チケットを買ってしまう人がきっといるのでしょう。

明日は我が身


振り込め詐欺のニュースなどを見ていると、「世の中お金のある人がたくさんいるんだなぁ」とか、「どうしてそんなのに引っかかるかなぁ?」と思います。しかし、お金が無い人ほど手軽にお金を欲しがっている、ということをよく知っている人がいて、お金が無い人をターゲットにした詐欺というものも、世の中にはたくさんあるのだということを頭の片隅にでも入れておきたいものです。

今、特に生活に困っていなくても、いつ何時「急にお金が欲しくなる」かは予想できません。先ほども述べたように、「貧すれば鈍する」のです。あの時笑っていた「被害者」に、今度はあなたがなる番かもしれません…。