二次相続とは?家族の相続でトラブルにならないための知識

相続というのは一度きりではない事知っていますか?現在両親がいらっしゃる方は少なくとも二回の相続を経験することになります。二次相続とはどんなものなのか、問題点はあるのかそれに備えてどうしたらいいのかをわかりやすくご紹介します。



まずは相続の話から

相続というと、亡くなった人(相続人)から相続をする人(被相続人)に対して遺産が引き継がれるものということは私たちもなんとなく理解できますよね。その遺産が基礎控除というものを超えてしまうと相続税を払う必要があります。平成25年度の相続税の改正によって、この基礎控除というものがずいぶんと引き下げられてしまったのです。

具体的な数字で表すと、例えば自分の親が亡くなったとして5,000万円の遺産を引き継いだとします。これが今まででしたら相続税がかからなかったのですが、改正によって3,000万円以上の相続をした人には相続税を払ってもらうということなのです。

もちろん相続税を払う金額は、相続人の人数や配偶者がいるかいないかで分かれますが、この今回の改正は、今まで払わなくてよかった人が払う必要が出てくる、ということなのです。自分の親には財産はなくて、家だけだから相続は心配ないと思っている方がいたら、ちょっと気にしてみてください。もしかしたらあなたにも関係があるかもしれませんね。

相続税のあらまし
参照元:国税庁(2015年11月著者調べ)



一次相続と二次相続の違い

まず一次相続というのは、親からの相続で両親のどちらかが亡くなった場合の相続のことです。つまり片方が亡くなっても、もう片方の親はいることになります。ここが大事なポイントです。

一次相続の大きな特色は、配偶者に対する優遇制度を利用できるということです。これは相続人である配偶者は取得した相続財産が1億6,000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額の中に入れば、配偶者に限って相続税はかからないというものです。普通の暮らしをしている人であれば1億6,000万円は大金ですので、この段階で相続税を納める配偶者の方は少ないと考えられます。

次に二次相続というのは、残されたもう一人の親が亡くなった時の相続のことを指します。つまり現在両親が健在であるということは、いずれにせよ一時相続、二次相続を経験することになります。

No.4158 配偶者の税額の軽減|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年11月筆者調べ)

父・母・子供二人の場合はこうなります

それではまず、一時相続の場合の相続税の計算例です。

<条件>家族4人(子供2人)資産2億円の父が他界した場合です。
・母:1億円受け取り:相続税額0円(配偶者の税額軽減の適用によります)
・子:5,000万円受け取り:相続税額675万円
・子:5,000万円受け取り:相続税額675万円

そして、この後母が死亡し子二人が相続することになった場合、こちらが二次相続になります。
<条件>家族3人、父が他界した後、資産1億円を持っていたまま母も亡くなった場合です。
・子:一時相続の後さらに今回で5,000万受け取り:相続税額385万円
・子:一時相続の後さらに今回で5,000万受け取り:相続税額385万円

となるのです。つまり、子の身になって考えるとまずは父親が亡くなって相続税を払い、その後母親が亡くなってさらに相続税を払うということなのです。金額だけ見たら675万円と385万円で、二次相続の方が納める税金も少ないですし、そんなに問題ではないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

一次相続が終わって二次相続が始まるまでの期間というのは人によってもちろん様々ですし、残された遺産をお母様が世界一周の旅に何度も行ったり、自分のために使われてしまう方もいらっしゃいます。そんな場合は二次相続の場合は遺産が残りませんから、相続の必要はなくなってしまいます。

それとは逆にお父様が亡くなった後すぐにお母様が亡くなってしまいすぐに二次相続が開始してしまケースもあるでしょう。一時相続が終わって束の間、今度は兄弟のみで遺産を分割しなければならない事態がやってきます。一時相続の場合は間に母親がいたので兄弟間のいろいろなしがらみなども我慢していたこともあるでしょう。

相続人の他にも結婚していれば配偶者も意見を言うでしょうし、ここで争いが生まれるケースが少なくありません。お母様が認知症や病気になったりしてどちらかの子供が面倒を見ていた場合はいかがでしょうか、均等に配分される結果を喜ばない人もいます。

財産を相続したとき|税について調べる|国税庁
国税庁(2015年11月筆者調べ)

父・母・子の場合はこうなります

次に条件を変えて父・母・子供一人だった場合について考えてみましょう。一時相続の場合の相続税の計算例です。

<条件>家族3人(子供1人)資産2億円の父が他界した場合です。
・母:1億円受け取り:相続税額0円(配偶者の税額軽減の適用によります)
・子:1億円受け取り:相続税額1,670万円

そして、この後母が死亡し子一人で相続することになった場合、こちらが二次相続になります。

<条件>家族2人、父が他界した後、資産1億円を持っていたまま母も亡くなった場合です。
・子:一時相続の後さらに今回で1億円受け取り:相続税額1,220万円

いかがでしょうか。先ほどの子が二人いたケースとまた違った結果が出てきましたね。こちらも一時相続の方が二次相続よりも納める相続税の額は多いですが、子が一人の場合は合計で2,890万円納めなければならない結果になりました。私自身はこちらの家族構成になり、資産2億円はないとしてもこんなにたくさんの税金を払うということにかなり驚きました。

相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分用)
参照元:国税庁(2015年11月著者調べ)

相続税シミュレーション|全国相続サポートセンター
参照元:全国相続サポートセンター(2015年11月、著者調べ)

二次相続の際に気を付けるポイント

今回は資産が同じ条件でお父様が亡くなって、次にお母様が亡くなる場合の子が一人、二人というケースをご紹介しました。子が一人の場合は二次相続が起こることを想定して、まとまったお金を普段から用意しておかなければならないと思った方も多いと思われます。

もちろん健康であれば母親との同居等の問題も出てくるでしょうし、痴ほう症や介護が必要になった時には頼れるのはもう自分しかいない状況の中で、お金の問題はもちろん、結婚している方はお子さんや配偶者の方に理解を示してもらうという準備をしなければならないと思います。

さらに子が二人いるケースでは、兄弟、姉妹によって生活のスタイルも違うと思います。世界中を飛び回って仕事をしている方もいれば、お店を経営している方もいらっしゃるでしょう、大家族で小さなお子さんがいらっしゃる方もいると思います。その個々の状況の中でお母様が一人になって介護が必要になった場合にはどちらかがお手伝いをすることになるかもしれません。

自宅で介護をするのか、それとも介護施設で見てもらうのか、今は必要なくても普段からそのようなコミュニケーションをとっておくことでいざという時に争いやもめごとを起こさないポイントだと思います。相続をするときになって後悔する前に、まずはご家族みなさんで普段からコミュニケーションをとっておくことが一番大事なことだと考えられます。 ※本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。